それ、Officeでやんなくてもいいんじゃね?
◾︎Officeの習得難易度
例えば、Photoshopを使うとしよう。Photoshopを訓練無しに使いこなせる人は稀だろう。まず、機能の数が多いので、できる事を一通り理解するだけでも相応に時間がかかる。実際にそれぞれの機能を使いこなすには、さらに多くの時間がかかる。
Excelにしても、Photoshop程かは分からないが、相当数の機能がある。これらを把握するだけでも相応の時間はかかる。だが、罫線を引けてフォントの調整や簡単な関数を使えるだけで「使いこなせる」と判断される。
これは実際に使いこなせている状態と大きな差がある。使いこなすとは、機能の大半を把握して、必要に応じて使い分けられるレベルだ。機能を把握するだけで三ヶ月。三ヶ月で習得した機能を状況に応じて使い分けられるまでに九ヶ月。スキルとして定着するまで更に一年。最低でもこのくらいは必要だ。
◾︎使いたくない人に無理に使わせる必要はない
Excel、Word、Powerpointは事務仕事では必須スキルと思われている。でも実際はそうでもないと思う。わざわざExcel、Word、Powerpointを使う必要の無い部分で駆使しているように思う。
ドキュメントの見直しについても、PDFで出力すれば、注釈をつける機能で十分対応できる。簡単な操作の割にかなり便利だ。どうしてこの機能が使われないのか疑問でならない。公でない書類ならワードパットかメモ帳でも済ますことはできる。OSの標準機能で操作も簡単だ。学習コストはあまりかからない。会議という名のお茶会にいちいちパワポで資料を作る必要は無い。手書きのメモと白板で十分だ。
世の中がIT化したことで、変に仕事が加速した。加速に耐え切れずに仕事が自己崩壊した人も多いように思う。振り返ると、IT化についていけない人への救済策は手薄だ。無茶に使わせて弊害の方が多く出ているようにも思う。
◾︎決定的にフローが間違えている
現代の日本人はExcel大好きだ。しかし、その割に使い方を知らない。何でもかんでもExcelで解決しようとするので逆に効率が落ちる。Excelの使い方もよくわからない、考えもまとまっていない。そんな状態でいきなり清書する。こういうフローで仕事を進める人をよく見る。
考えをまとめる作業とExcelの操作、同時にやると無駄に作業の難易度が上がる。しかもいきなり清書だ。申し訳ないが、段取りの組み方が小学生レベルだ。まともな仕事ができる気がしない。
まず、考えをまとめる工程、データを処理する工程、下書き、レイアウトを整える工程と作業を分割しよう。これだけで難易度はかなり抑えられる。また、スキルが必要になる部分を分業しやすくなる。
あとは確実に使いこなせるツールで作業をすることだ。考えをまとめたり下書きをするのであれば、メモ帳や紙でも対応できる。わざわざOfficeでやる必要は無い。自分の得意なツールを使う方が考えはまとまり易い。しかも、ITが苦手な人への救済策にもなるので一石二鳥だ。
◾︎Officeで解決できる問題
Office自体、ある意味オーバースペックだ。専門外の人が使うには学習コストが高過ぎる。万人が使いこなすには無理がある。Officeが導入されて業務の質が上がったかというと微妙だ。便利になった分、余計な手間も増えた。
Officeが導入されてからというもの、提出物に高いクオリティーが求められるようになった。過剰品質を求める割に、応えられるスキルが伴っていない。無いものねだりで余計なコストがかさんでいるように思う。
そもそも、Officeを使いこなせる人がかなり少ない。もし本当に使いこなせたら、炎上プロジェクトを消し止めるくらいの切り札になる。逆に言えば、炎上プロジェクトを立て直せるレベルの能力がないと、Officeを使いこなすことに意義を見出せない。
ソフトウェアの潜在能力は炎上プロジェクトを覆せるレベルだ。しかし、それだけの潜在能力は一般的に認知されていない。それどころか、雑な使い方が一般化して、クソファイル製造機にしかなっていない。世の中で最も活用されていないソフトなのかもしれない。
コメント
仲澤@失業者
Excelというか、表計算はMultiPlanの頃から使ってます。
ついこの去年まで特に困ることはなかったのですが、
Officeを2010にしたら、完全に「素人(しろうと)」に戻っちゃいました。
このバージョンからリボンしかなくなったので、
使いたい機能をリボンから探さなくてはならないわけですね。
いやーUIが変わっただけでこの破壊力はすごかった。
おかげで生産性はがた落ちしました(Wordの方もやられたし)。
地球的規模で影響があったはずなので、
その損失額はすごいことになっているのかもしれません。
そのアプリの概念に熟知していてもこんな事がおこるわけですね、
的な小話でした(リボン使いずれ~)。
arachansan
>仲澤さん
リボンに変わっても使う機能も名前もほとんど変わりません。
だから該当機能名でググり倒して対応しております。
それはLibreOfficeを使うときも一緒ですね。
hage
たぶん、エクセルを使えるだけで、工夫次第で何でもできるので、エクセル大好きになったんだと思いますね。
使いこなせなくても、最低限の知識で使えますし。
他にも便利なソフトはあるのですが、使い方を覚えなくてはいけない、申請しないといけない、そもそも探す労力が無駄という人がほとんどなのかも。
ただ、業務アプリ(メニューや各種入力、帳票、バッチ処理)まで作っちゃっているのを見ますけど、ホント止めて欲しい。
なんでこんな事をするのかを聞いたところ、実行環境が整っていて、使い慣れているから、安心して使ってもらえる、だそうです。
あ、リボンは慣れたら使いやすいというか、無いと不便というところまでなりました。
EXCELER
その通り!ソフトウェアの使用には学習コストがある。
EXCELは一本でワープロソフト、プレゼン、表計算、DB、ドローイング、プログラム開発環境となんでもこなせるので、EXCELを「最低限のリテラシー」として共通言語とするのが一番学習コストが低い。よって、EXCEL方眼紙やEXCELの仕様書、EXCELで作られたプレゼン文書などはベストではないがベターであり、どのソフトも匹敵できない唯一の稀有な存在なのだ。
だから、EXCEL方眼紙とEXCELはその強みと汎用性と学習コストから自然の生き残り選択された種だと言える。残念ながら、他のソフトウェアは淘汰されてしまったと考えて良い。
やまぐち
トンカチで火をつけようとしてる人間がいても
いいと思いますけどねw
そこに
着火するかどうかで評価する人
試みを評価する人
トンカチの通常と異なる使い方に評価をする人
といろいろいるだけの話ですw
Anubis
ちょっと補足しておきます。
まず、EXCELERさんの考え方には、半分同意、半分それは違うということです。
> ソフトウェアの使用には学習コストがある。
これに関しては同じ意見です。万人に学習コストを押し付けるのは無理がある。
それぞれのスキルにあった分野を担当して協力する方が良い結果に繋がると思う。
> EXCELは一本でワープロソフト、プレゼン、表計算、DB、ドローイング、プログラム開発環境となんでもこなせるので、・・・
全然こなせません。こなせるのは表計算だけです。あとはおまけ。
できると思うなら、Excel以外のソフトに対して不勉強と言わざるを得ない。
> 残念ながら、他のソフトウェアは淘汰されてしまったと考えて良い。
こういう考え方に賛同しかねる。学習コストを押し付ける人と同じで、軋轢を生むだけだ。また、低いレベルで安定するので、難易度の高い業務がこなせなくなる。
・・・まぁ、読み方によってはそう取れる。
意図は伝わっていないが、解釈としては確かにそう受け取ることもできる。
意見には賛同しかねるが、読み方としては一本取られた。
なので、一言コメントをつけさせてもらった。