いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

罪と罰 --理論と罪の思考--

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■責任の所在

 ここに嫌われ者がいたとする。そして、200人の人に嫌われたとしよう。200人の人が嫌われ者を一発ずつ拳で殴ったとする。この嫌われ者がちょうど200人目の人に殴られた時に死んだ。例え嫌われ者といえど、殺したら罰せられる。

 ここで問題だ。嫌われ者を殺した責任を、この200人はどうとればよいのだろうか。最初に断っておくが、人によって考え方が別れることを前提に話を進める。

■罪の重さの理論

 道徳的に考えるなら200人の連帯責任、現実に起こったケースなら最後に殴った200人目が殺人の罪で罰則を受けることになる。そしてどう罰するか。道徳的な考えをとれば、200人が自分がやった同じ1発ずつ拳で殴られる。現実だと、最後の一人が拳で200発殴られる相等の罰則を受ける。

 200人という人数、拳で殴った回数、死んだという結果から考えると、ここら辺の回答にたどり着くことだろう。そして、これが一般的な人が考える思考だろう。

■一つ要素を加えてみる

 ここで一つ考えていただきたい。200発叩かれた嫌われ者は、1発目に殴られた時と199発殴られた時で同じ状態だっただろうか? 最初の1発のときは、殴られて痛い! 程度でほぼノーダメージだろう。199発目のときは瀕死の状態だろう。

 さて、ほぼノーダメージの人を殴るのと、瀕死の人を殴るのでは罪の重さは同じだろうか。一般的には瀕死の人を殴る方が罪が重い。これが、200発目を殴った人が罰せられる大きな理由だろう。

■一発の拳の罪の重さ

 ただここで、200人の間に不平等が広がる。拳で殴るという同じ行為をやったのに罰の重さに偏りが生じる。道徳的にな連帯責任で考えれば、最後に殴った人の罰が軽すぎる。現実的に行われている方法では、最後に殴った一人だけが罰せられてその他の人に罰はない。

 じゃぁ、どうするのが正しいか。こういう話をエンジニアに持ちかけると、延々と話続ける。話は延々と続くが結論が出ない。理由は簡単だ。罪と罰を数字でしか考えられないからだ。そもそも、罰とはなぜなされるのだろうか。同じ過ちを繰り返さないために行われるものだ。この概念が抜けるとハッピーエンドな結論は出せない。ただし、この考え方は一般的ではない。

 より一般的な結論を素早く出せる人。現代ではこういう人が頭がいいと言われる傾向がある。そういう人ほど数字や公式に縛られて自由な発想を失ってしまいやすい。こういう人は、ちょっと複雑な話になるだけで、簡単に思考がループしてしまう。

 話題を振りっぱなしにするのも収まりが悪いので、一応、私なりの答えは出しておく。ケース・バイ・ケースで、実際に事が起きたときに考えればいい。そして、罪に対して最高の対処は再発を防止だと考えている。

Comment(9)

コメント

まりも

一人の人間を200人で殴って殺したら、
普通に全員殺人罪じゃ?

Anubis

> まりもさん

そうすると、殴って殺した刑罰を200人が受けることになる。
もし、殴って殺したのが1人だったら、その人だけが殴って殺した刑罰を受けることになる。

一人が殴り殺されたという結果に対して、200倍の刑罰が生じる事になる。
じゃ、刑罰とは結果に対して決められるものか、その経過に対して…云々。

そもそも、200人で殴れるのか?同時に殴れるのはせいぜいが10人だ。だとしたら、何をもって200人で殺した事になるのか…云々。

と、このような感じの返答が思い浮かぶ。
アイディア出しの訓練としては、いろいろ考えてみて面白いかもしれない。

今度、そういう観点でコラムを書いてみようかなぁ。

スーパー通りすがり

今回は短いし、何ていうか物語じゃなく哲学的?
エヌ氏や久保主査が嫌われて殺される人で、五十嵐氏が最後に殴った人
で、それまでの199人は日本の年功序列、終身雇用制
もしくは本人の勉強不足っていう意味なのでしょうか

>スーパー通りすがりさん
タイトルと投稿時間で某小説の読者を狙っただけでしょう

P

某小説?このコラムに関係のない事を持ち出してくる人がいて困る。
ごく普通に、エンジニアが数字や公式に縛られて自由な発想を失ってしまいやすいことに対する警鐘のように読めたが。
先入観だけで読んでいないか?
仮に他のコラムから発想を得たとしても、それは本人の自由。
発想から展開したものは元ネタとは関係ないしな。
妄想だけで語らずコラムの内容だけで語ろうぜ。

Anubis

どうも。Anubisです。

一応、経緯を書いときますが、元々はこのコラムは別のタイトルでした。
ふと、題名がこの方がしっくりくる内容だと思い、この題名にしただけです。
最初に内容ありきでした。主題はPさんの言う通りです。

いつもよく読んでいてくれてありがとうございます。

>? さん

>タイトルと投稿時間で某小説の読者を狙っただけでしょう
残念。狙ったのは確かだが、読者だけではなくウケも狙ってます。

>スーパー通りすがり さん
その発想は無かった。


ただ、某小説について言わせていただくなら、

「面白いっす!次回が気になる!!」

それだけだ。毎週楽しみに読まさせて頂いてます。

スーパー通りすがり

ふぅ。今やっと仕事終わって帰宅したぜ
>?さん
>Pさん
>Anubisさん
ごめんなさい。完全に誤爆しました。
まさしく先入観だけで読んでました。
もう二度とこちらのコラムには迷惑掛けませんし、足を踏み入れません。
本当にごめんなさい。

Anubis

>スーパー通りすがり さん

某小説に関しては私も愛読しております。
頂いたコメントに関しては、こういう見方もあるのか。と、単純に関心しております。

迷惑はかかっておりません。

コメントは気軽に書いて頂いて大丈夫です。いつでもお待ちしております。

ろっぽー

ずいぶん前の投稿にコメント失礼いたします。
大学で法律を学んでいたので懐かしさを感じました。
(新卒の就職先はITでしたが、いまは業界を抜けて派遣事務をやっています。VBAが書けるのが地味に重宝されてます)

今回のような事例が実際にあれば、「共同正犯」での傷害致死にあたるかと思います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B1%E5%90%8C%E6%AD%A3%E7%8A%AF
要するに1人目も200人目も全員傷害致死罪です。
ただAnubisさんがおっしゃっているような理由で、最初の10人と最後の10人では量刑が違うだろうなとは想像します。

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