いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

僕たちがニートに負ける可能性

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■エンジニアとして働けている理由

 自分たちがエンジニアとして働けている理由。当然、技術的な基盤があるから働けている。技術的な基盤を固めるには多大な努力が必要だ。その努力をしたからこそ、プロとして働いているのだ。..... というのが一般論だ。

 実際は、就職活動で受かったのが技術系の会社だった。必要に迫られたことをぐだぐだこなしてる内に、気づいたらエンジニアやってた。とか、ガツガツ勉強せずとも、必要な事だけ押さえ要領よく今の立場を築きました。等、もっといろいろな理由がある。努力自体に自分のポリシーがあるとも限らない。

■埋もれている潜在能力

 先日、何かの記事でニートになる理由という資料を見た。世間一般で言われているニート像とは違っていた。意外と多い理由が病気、体調の不良等。探しても仕事が無かったというケースも多いが、資格取得等の努力してる人も多いようだ。自分がイメージしていたより、望まずしてその立場にいる人が多かった。

 技術というのは特別なものではない。段階を踏んで勉強していけば、よほど才能がない人でもない限り、ある程度のレベルまでは到達できる。それは、ニートをやってる人でも同じだ。私もニートやってた時期があったが、そのときに一生懸命勉強してエンジニアになった。無職は逆転への切札になり得ると思う。

■同じライン並んだとして

 エンジニアは自分が特別だという錯覚に陥りやすい。技術を基盤に人にできないことをやったり、難しい資格試験を突破したりしていると、人より優れていると思い込んでしまうからだ。

 技術を身につけたり、資格をとるにも努力が必要だ。その努力の価値は否定しない。しかし、努力するにも、努力を成果に繋げられる職場、モチベーションの得られる状況、生活の安定等の条件が必要だ。

 もし、今ニートをしている人にこのような条件が揃っていたら、自分の方が優れているという保証はない。また、自分がちょっとした機会を逃していたとしたら、際限なく落ちぶれてしまう可能性だってある。自身の優位性とは、実力だけで得たものとは言い切れないのではなかろうか。

■実務絶対主義の盲点

 現状で活躍しているからといって、油断はできない。もし、エンジニアとしての土台が、会社での立場、人間関係、その他根回し的な要素で成り立っているなら、ニートの人に抜かれる可能性はある。実際、途中から技術系の仕事をやりだした私は、そういう人を技術的に追い越すことで立場を固めていった。

 実務のことばっかり気にする人は、基礎的な技術への考察が不足する傾向が高い。技術より成果…… いや、報酬の方に気が行くからだ。また、実務意外の技術に見向きもしなくなるので、技術に厚みがない。意外と低いスキルで回っている現場は多い。

 失業してニートなんて言われると、精神的にダメージはでかい。しかし、割といい逆襲のチャンスなのだ。今まで関わった案件の内容をおさらいして、どうすればうまくいったか反省することで、次は失敗しなくなる。また、実務で抜けがちな基礎を固めれば、要領でやり過ごすだけのヘタレエンジニアに論破されなくなる。

 失業して不利な立場になっても諦めないでほしい。時間は逆転への大きな武器だ。自分を押しのけてのうのうと働いている人たちを、正当に乗り越えようではないか。

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