いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

道具に拘るエンジニアはだいたい無能

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■なんか話題になってたので同じ題名でコラムを書いてみた

 Twitterでこんな題名の記事を見た。プログラマ関連であろう人々から、えらく叩かれてた。よく煽るような記事を書く立場なので、同じタイトルでコラムを書いてみることにする。

 エンジニアは置いとくとして、道具に拘らない会社はだいたい無能だ。費用の事ばかり考えて祖末な機材を使わせる。どのように良くするかではなく、コストを安くすることしか考えないので、膨大な無駄が生じる。道具を使いこなす努力を放棄してるので、進歩が望めないからだ。

■道具に対する拘り

 私はかなり道具に拘る人だった。しかし、道具に拘るのは止めた。いろいろ現場が変わる事が多かったので、自分の望むツールが必ずしも使えるとは限らなかったからだ。なので、どこにでもある汎用的なもので仕事ができるように思考を切り替えた。

 つまり、どんな劣悪な環境でも仕事ができるように。というコンセプトでスキルを磨いてみた。PCであれば、最低限のWindows、Excel、Wordで、最大限の効率の上がる方法を研究した。

 結果を言うと、かなり基礎が固まった。そして、他の人と違うスキルや思考体系が得られた。例えばWordを使いこなす為にDTPの勉強をした。おかげで作成するドキュメントの質が向上した。Excelを使いこなすために、派生してAccessの使い方を覚え、SQLの書き方を覚えた。単純なものからスキルを固める流れになったので、結果として、裏付けの強いスキルが身に付いた。

■こだわるべきは機能

 自分の使うツールに拘るのは好きではない。どのツールにも長所も短所もある。どれを選ぶかより、同じツールを使っていても、効率的に使したいと思う。どんなツールを使うにせよ、ツールを作った人のコンセプトを読み取って、100%性能を発揮してやる。それがツールを作った人への礼儀だと思っている。

 ツールが大事なのではない。そのツールにどういうコンセプトで、どういう機能が付いているかが大事だ。拘ることが重要ではない。機能を使いこなす努力をしていると、思うように動いてくれず葛藤することがある。ここが重要だ。単に好き嫌いだけで拘るのであれば意味は無い。

■同じ道具でも効率を高めるというアプローチ

 例えば、Windowsのペイント、メモ帳にしてもきちんと使いこなしているだろうか。はっきり言って、Windowsの付属ツールは貧弱過ぎる。それでもキーボードショートカットを駆使すれば高速で操作することは可能だ。ただし、フリーソフトでも使った方が断然効率がいい。そこに心血注ぐのは、私が最後で十分だ。

 ツールだけに拘るエンジニアは確かに無能だと思う。ただし、あの機能が使いたい、こういう機能が欲しい、という理由で拘るエンジニアであれば、無能とは言えない。ツールという外箱だけで、中身を知らずに拘るのであれば間違いなく無能。ツールの中身を理解した上で拘るのであれば、無能ではないと言える。

 もっとも、私はサーバエンジニアやサポートの仕事が中心だ。毎日コーディングする人に比べるとツールによる依存度は低い。そういうヌルさはある。毎日コーディングしている人にとって、使える道具は死活問題に関わる。立場によって拘りもかなり違ったものになると思われる。

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