お金を語りだしたらエンジニアとして危ない
■エンジニアの本分から逸れないこと
エンジニアとしてもお金を意識することは大事だ。しかし、自分からお金を語り出したら、エンジニアとしての成長はないと考えている。相手に提供するべきものから、自分の貰うものに視点が移った時、人はお金を語りだす。
もちろん、正当な対価を貰うことは大事だ。技術をお金に変える手段にするのも問題は無い。だが、あまりにお金のことばかり頭に浮かぶようになると、技術に意識がいかなくなり、技術の進歩に乗り遅れてしまう。
■会社に乗せられていないか
会社は利益を追求するための集まりだ。コスト意識を持てとか、市場価値云々、日々お金の事ばかり言われている内に、私たちは何か勘違いしている気がする。中途半端な経営者意識を植え付けられて、思考がずれていないだろうか。
会社にとってお金のことは確かに大事だ。しかし、会社の基本は分業だ。お金を扱うセクションが大事だからといって、他の役割の人に押し付け過ぎだ。エンジニアが営業に技術を押し付けないように、経営者でもお金に関することを他のセクションの人に押し付けるべきでない。
そもそもおかしいと思う。一人一人が経営者としての意識を持てとよく聞くが、本当に経営者としての意識を持ったら、一人残らず独立するんじゃなかろうか。必要なのは、経営者の意識ではなく、役割分担と協力体制だ。
■お金を語るバックボーン
経営者であれば、自社の売り上げを伸ばすために心血注いで頑張っている。それが、お金を語るバックボーンだ。お金を語るエンジニアに問いたい。お金を語る背景に、経営者に匹敵するバックボーンはあるだろうか。
雰囲気に流されてお金を語っているのであれば黙ろう。中途半端な知識で、得意げに技術を語る営業がいたらどうだろう。エンジニアから顰蹙を買うことになる。会社の受け売り程度の知識でお金を語っても、自己満足しか満たせない。
もし、お金を語れるバックボーンがあるなら行動に移そう。そして、お金ではなく、稼ぐための具体的なプランについて語って欲しい。そういう人であれば全力で応援したい。お金ばかり語ってる内は、ただの強欲な人でしかない。
■エンジニアがお金を語るという赤信号
ちょっと視点をかえると、エンジニアがお金を語りだすということは、本来、お金の事を考えるべき経営者がまともに仕事できてないからじゃないだろうか。「エンジニアなら金のことより、技術で道を切り拓け!」というタイプの経営者と、やたらとお金の意識付けを迫る経営者、どちらの元で働きたいだろうか。私はもちろん前者だ。
また、社会にお金を語るエンジニアが増えたという事は、それだけ上手く行ってない会社が増えたと取れる。お金のことを語りたいエンジニアがいるなら、無理に止める気は無い。だが、その背景にあるものが何かを考えると、多くの問題が潜んでいるように思う。
コメント
仲澤@失業者
自身の経験では、会社の経営というのは吐きそうなほど嫌な仕事でした(vv;)。
中小の経営者が集まると金を儲ける話ばかり
(どうしてあんなに好きなんでしょうねぇ)。
銀行に行けば借り入れと返済の話ばかり(まぁ彼らはそれが仕事)。
毎日がお金の話ばかりでうんざりでしたね。
こういった無理は健康面にも影響があります。
自分はチックになっちゃいましたので3年で引退しました(笑)。
まぁ好きこそものの・・。のたとえもあるので、
自分が次に会社をやるときには、こういったお金の計算が大好きな人を
社長に雇うかもしれません(vv;)。
Anubis
>仲澤@失業者さん
コメントありがとうございます。
私もお金の話はうんざりです。単純にお金だけじゃなく、必ず派生して汚いものが見え隠れするのが嫌でした。
ただ、役割としては必要なんですよね。
技術が苦手な人がいるように、そういうドロドロしたのが苦手な人もいる。
それぞれが得意分野で活躍できればそれでいいと思っています。
経営って大変そうですよね・・・。
通りすがりの町人
「本来、お金の事を考えるべき経営者がまともに仕事できてないからじゃないだろうか」
まさにこの一言に尽きるような気がしました。
システム構築が進んでいる途中ですが、
「現場がお金のことを考え、管理職がやりたい放題組み上げる(効率など無視)」
などという状況です。
メーカの既製品ばかりを買うのではなく、「それをどのように組み立て、効率よく作業フローを構築していくのか」が重要ではないかと思っております。
ですが、最近では考えることに疲れてしまっております。
このように現場と経営が逆転すると、決定すらひっくり返すのも難しいものですね。
現場視点から徐々に役職に就き、経営視点へ変わっていく。
これがうまく移行できないとこのようなことになるのでしょうか。。