いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

大きな差をつける一歩

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■できる人とできない人の差

 できる人とできない人の差。根本的な努力の量が違っていれば、当然差は生じてくる。しかし、同じくらいの努力をしていても、差が出てくることがある。そういう経験はないだろうか。頭の良さも同程度、知識の量も変わらないはずだが、何か差がでてしまう。

 いろいろな要因があると思うが、その一つに早さがあると思う。IT系で言うなら、ツールを操作する速度だ。同じだけの思考をしているなら、具体的な成果物になるまでの時間が短い方が多く成果は出る。コレが具体的な差になる。

■技術者の死角

 優れた技術者といえば、どういうものを思い浮かべるだろうか。だいたいこんなところじゃないいだろうか。

  • 多くの知識と経験
  • 高い理論性
  • 的確な判断力

 これらにおいて優れていれば、優れたエンジニアと言える。しかし、エンジニアの大半は、多くの知識を入れることしかしていない。また、知識と言っても、高度なものばかり求めて、理解度を深める努力を怠りがちだ。

 知識を固めるには、同じ内容を反復で学習する必要がある。そして、同じ知識を多角的に検証する必要がある。コレをやらないと理論性が身に付かない。理論と知識が咬み合って、初めて的確な判断ができる。基礎的な内容の反復学習はすべての基礎になる。それをやっているエンジニアはどれだけいるのだろうか。

■そんなことで、ぜひ読んでおくといいものがある

 唐突だがここで宣伝だ。今月の日経Linuxに、別冊付録 「#!シス管系女子 まとめ読み」がついている。これは是非読んでおくべきだ。LinuxのCUIの操作を萌系キャラで説明する技術系の漫画だ。

Cover

 この漫画が非常に分かりやすい。毎回、テーマを絞って操作方法を紹介している。漫画なので、実際の操作がイメージしやすい。シェルの操作やスクリプトを覚えるのに苦労したので、こういう一冊は非常に助かる。自分の持っている知識を違う角度から見るのに役に立った。

 特に、CUIだと淡々と画面に文字が流れるので、インターフェイスの構造を見て操作方法を探るのが難しい。(ヘルプ見れば確かに分かるが)CUIを使用するメリットや一連の操作の流れを把握するのに、この漫画が役に立つと思う。

■簡単な知識を軽く見てはいないだろうか

 実際、この漫画の前回のまとめ本に書いてある内容を見直したらCUIの操作が早くなった。7~8割は知っている知識だったが、抜けた2~3割を見直すことで、システムの意図が深く理解できた。ツールの意図が分かると操作が早くなる。そして発想が変わり、新しい世界が見えてくる。

 確かに高度な内容が書かれているわけではないし、情報量だけ見れば技術書と比べると少ない。しかし、内容が絞られることで、伝えたいことがよくまとまっていて分かりやすい。書いた人のバックボーンがしっかりしていなければ、ここまで簡素にまとめることは難しいだろう。ついでに言うなら、絵もけっこうしっかりしている。

 O社の技術書を読みあさるのもいい。しかし、意味も分からずに読むことがストレスになっては元も子もない。その点、漫画であれば敷居も低い。しかも、技術書ではなかなか分からないエッセンスもいろいろ含まれている。

 簡単な情報でも、「そんなの知ってるよ」と軽く見るか、じっくり見直すか。それが、大きな差をつける一歩になると思う。CUIやスクリプトが苦手な人には、是非読んでもらいたい。人によっては、新たな突破口になるかもしれない一冊だ。

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