いつやるの?いや、君にそいつはやらせないっ!!
■そのポジティブ、ちょっと待った!
後ろ向きな人の多い世の中、ふとしたポジティブな一言が脚光を浴びることがある。プレゼンテーションにしかり、会社の会議でもしかり、一定の割合でカリスマ的な一言を発する人が存在する。そういう人の話を聞くと、何がという訳でないが、凄いと思えてしまう。
こういうキラッと光るポジティブワードを聞いた時、冷静になる必要がある。発言が光るからといって、中身が素晴らしいとは限らないからだ。人を鼓舞したり、希望を持たせる能力は素晴らしい。しかし、それが最終目的ではない。あくまで必要なのは結果だ。
■間違えたポジティブに翻弄されないために
そのキラッが本物かどうか確かめるにはどうすればいいか。方法は簡単だ。対峙する闇を置いてやればいい。ネガティブな情報や、不利な情報をぶつけてみることだ。とは言っても、単に罵声や心情をぶつけるのではない。データや理論をぶつけて、勢い抜きで中身を検証するのだ。
明るいところに鏡を置くと、キラッと光る。鏡でなく電球であれば、暗闇に入れても光る。同じように、偽物のポジティブは、人の勢いがあるからまかりとおる。人が介入しない理論だけで考えれば、アイディア自体が光っているか、光っていないかは判断できる。
■真のポジティブとは
勢いが付くとよく勘違いが起こる。目標を達成することではなく、勢いを保つことに視点が行きやすくなる。勢いがあれば目標が達成しやすくなるではないか。と言う人もいると思う。しかし、目標を達成するには、不利な状況での地道な努力という手段もある。大事なのは、勢いではなく、ベクトルが目標をぶれずに指しているかだ。
本当のポジティブとは、きちんとネガティブな要素を受け止めていなければ実現しない。ちょうどエンジンとブレーキの関係のように、勢いをつけるだけでなく、きちんとコントロールする必要があるからだ。
ネガティブなことを無視して、いいとこどりするのがポジティブだと思っていないだろうか。徹底的にネガティブな要素を分析して、適切に対策を打つ。こういうバックボーンがあって、初めてポジティブが成り立つと思うのだ。
■必要とされる抑止力
ぶっちゃけ、やるほうがやらないよりかっこいい。そんな風潮はないだろうか。やらずに後悔するなら、やって後悔する方がいい。なんて言葉をよく聞く。だが現実では、やったら死んで、後悔すらできないケースもある。また、やった人はよくても、周りが迷惑することもある。やるかやらないか。どっちが利益になるかはケース・バイ・ケースだ。
とにかく、何もやらずにぐずる人には勢いが必要だ。そういう人にはポジティブに鼓舞するこが有効だ。逆に、欲望に目がくらんで暴走する人には、ネガティブな抑止力が必要になる。人や状況によって必要なものは違うのだ。
立ち止まること。これは前に進むのと同じくらい大切だ。なぜなら、人は立ち止まらないと考えることができないからだ。いつやるの?と迫られて、今やっちゃいますか?本当に、やっちゃっていいのかな?立ち止まることも、手段のひとつとしてきちんと認識されるべきでないだろうか。
コメント
真っ赤なレモン
やらない勇気と慎重さ。
そういうことも大切だと、切々と語り続けてみたい。
あ
ビデオカメラの世界では、カメラワークという言葉がある。
カメラワークにはカメラを動かしている時だけでなく、
止めている時も含めてカメラワークである。