完璧主義の罠
■完璧主義に成功者ないない
私が成功者だと思っている人がそんなことを言ったのを覚えている。何の意図を持ってそう言ったのか、その言葉を聞いた時はあまり関心が無かった。しかし最近、この言葉の意図が気になりだしてきた。身の回りを見て、この言葉が的確だと思えたからだ。
実のところ、私も完璧主義っぽかった。客観的に見てどうだかは分からない。あくまで主観的に考えてだ。とりあえず、自分の思い描いたように事が運ぶことばかり考えていた。今振り返ると、ものすごく無駄が多かったように思う。しかも、いろいろとしんどかった。あれだけ無駄が多く、疲れるやり方をしていれば、今、成功してないのにもうなずける。
■完璧主義の共通点
ただ、成功者といってもいろんな人がいる。偉人伝を多く読んだ訳でもないし、数多くの成功者と話した訳でもない。身の回りに完璧主義者で成功している人がいたら、じっくり話を聞いてみたい・・・、いや、あまり聞きたくない。完璧主義者の話って、聞いてて楽しくないからだ。
程度はともあれ、完璧主義者と言われるような人と接点はあった。完璧主義者と言われる人と話して気づいたのだが、彼らには大まかな共通点があった。完璧の基準が自分の尺度なのだ。簡単に言えば、話を聞かないということだ。
■成功する条件
完璧主義の人には、自分の考えたことを最後まで実行しようとする。という要素がある。これは成功するために必要な要素だと思う。完璧主義の人には、成功するために必須な要素もたくさん含まれていると思う。
しかし、考えが自分の尺度に限られるのであれば、考え方の幅は狭くなるし、周囲と摩擦を生みやすい。人の話を聞かなければ、周囲の摩擦はさらに大きくなる。また、自分の思い描いたことを全て100%でこなしていくのは、膨大な労力が必要だ。これを周囲の摩擦が大きい状態でこなすのは難しい。
自分の100%を追及すること。これは、柔軟性の無さの表れではないかと私は考える。無駄があっても、目的さえ達成できればいいのではないだろうか。
■自分から条件を難しくする必要はない
100%の達成率を狙うより、70%の達成率を狙う方が難易度は低くなる。また、70%なら10の労力でできるが、100%だと50の労力がかかる。そんな効率の違いもある。完璧主義だと、どうしても100%に目がいってしまい、柔軟性に欠いてしまうのだろう。
そして、完璧主義が成功しない最大の理由。それは、自分が完璧でないのに、立てるプランが完璧ということはあり得ないからだ。確かに、人の話を聞かない人の立てるプランは、たいてい破綻する。よほど簡単なミッションか、膨大なノウハウが整理された状況でもない限り、成功は難しい。
成功する過程での完璧主義はありだと思う。完璧主義と呼ばれるくらいのストイックさがないと、大きなことは成せないだろう。私も、昔はこんなに文章を書ける人ではなかった。ただ、完璧主義っぽいこだわりが吹き飛んだ時、別人のように文章が書けるようになった。
完璧主義者に成功者はいない。というより、完璧主義だけでは足りない。だから成功しない。そういうことだったのだろうか。今ではそういう意味にとっている。