いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

100円のコーラを1000円で売る方法 ・・・なんて本を見かけたので問答無用でぶった斬る!

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■タイトルを見てぶった斬りたくなった

 仕事の帰り道、この本が書店で山積みされているのを見た。この本のタイトルを見た瞬間、日本刀を引っさげて何かをぶった斬りたっくなった。私自身、"悪・即・斬"(※1)とかそんなポリシーがある訳ではない。でも、この本のタイトルを見ただけで、私の中の斎藤さん(※2)が密かに臨戦態勢に入るのだ。

 別にこの本を読んだ訳ではない。ぱらっと見たところ、マーケティングに関して書かれた本のようだ。ただ、私はマーケティングという考え方が好きではない。売ることばかりに考えが偏ってしまい、本質を見失う原因になりやすいからだ。そんなマーケティングに対しての悪印象に反応して、私の中の斉藤さんが臨戦態勢に入るのかもしれない。

■タイトルだけでぶった斬る

 もし、この本の内容を実践して、100円のコーラを1000円で売ることができたらどうなるだろう。世の中のコーラが全部1000円になるだけだ。限られた状況でしか成り立たない方法を、汎用的にできるように考えるのはいかがなものか。

 この手の本に、万人が実践できる方法は記載されていない。なぜなら、万人が実践したら方法自体が成り立たなくなるからだ。なので、この手の本は儲けたいという心で読んではいけない。こういう観念のぶっ壊し方がある。そういうスタンスで読むべきだ。

 ただ、コラムを書く立場として言えるのは、つかみのインパクトはOKだ。この情報が欲しいであろう人のハートを、鷲掴みにできている感はある。とりあえず、本の内容については知らない。マーケティングの好きな人は読んでみると面白いかもしれない。

■そして貴様をぶった斬る!!

  そして、ぶった斬りたくなったのは、この本を手に取った冴えないサラリーマンだ。別に面識がある訳でもないし、その人の何を知ってる訳でもない。ただこの人を見て、この本でおいしく儲ける方法を模索している。そんな想像をして、勝手に腹が立っただけだ。

 まぁ、そんな勝手な想像でぶった斬られたらたまったもんじゃないだろう。実際、何を思ってこの本を手に取ったかは全く分からない。この人は本をパラパラめくっただけで棚に戻していた。

 しかしちょっと考えて頂きたい。100円の物を100円で売る能力のない人が、もしこの本を読んでいたらどう思うだろうか。きっとあなたもぶった斬りたくなるはずだ。そんな人は、100円の物が100円で売れるようになってから出直すべきだ。

■ここまで来ると八つ当たり。付加価値を語るエンジニアをぶった斬る!!

 最近、エンジニアの口からよく付加価値という言葉を聞く。はっきり言っておこう。付加価値を追求するエンジニアは二流か三流だ。なぜなら、付加価値はあくまでおまけだからだ。大事なのは本質だ。

 本質的な技術が低いのに、価値が付加される訳が無い。付いてきたとしても支えきれない。付加がそのまま負荷になる。また、付加価値というのは生み出すものではない。本質から派生するものだ。本質の伴わない付加などあり得ない。

 100円のコーラを1000円で売るとして。それ以前に君はコーラだろうか。実は麦茶だったりしないだろうか。付加価値なんて吹聴しながら、麦茶を"糖分0、カフェイン無しの画期的なコーラ"なんて売り込んでいないだろうか。一般的にはそれを詐欺と言う。

 自分の市場価値やら、動向やら、気になる事は多いだろう。しかし、そんな情報に流されてはいけない。そういう事を考える前に、エンジニアとしての技術が確立しているか、客観的にチェックしよう。エンジニアなら、腰を落ち着けてっきちんと技術を追求しよう。話はそれからだ。

~おまけ~

 本を読まずにぶった斬るって、何様のつもりだよ。と、自分に自分でツッコミを入れてみる。ついでに、見かけた書店が京都だったので、るろうに健診ネタを絡めてみた。

※1 悪・即・斬について

※2 斉藤さんについて

※ 斉藤さん、悪・即・斬なんて言いつつ、突きが主体とはどういうことだ。

でも、俺はこっちの方が好きだ!

Comment(6)

コメント

jb

本文にも読まずにぶった斬ったと書いてあるが、
それでもやはり中身を読んでからぶった斬るべきであったと思う。

私は購入して読んだことがある一人だが、楽して儲けようと思って読んだわけでわない。
商売の何たるかを学ぼうと思って読み、楽しく読ませてもらった一人だ。
本のタイトルの意味も、読んで「なるほどw」という感じであった。

確かにタイトルは大げさに見えるかもしれないが、実際に1000円でコーラが売られている実例に基づいており、実は誇張ではない。

この記事は、私が割りと好きな本の評判を落とすような気がして、複雑な気持ちである。

arachan

確か、1000円で売る方法は「ホテルのルームサービスに持っていく」だったと思う。サービスという付加価値をバンバン乗っけているから1000円でもみんな満足して買っていくと。
私も書店で斜め読みして買わなかった人ですけど。

緋村剣心と斉藤さんがバンバン人斬りしていた場所は「京都」なんですが、
物語の中心は殆ど「東京」なんですよねぇ…。

Anubis

まず、題名だけでぶった切った理由。

・ 1000円でなくても、500円~400円のコーラなら意外とよく見る。
(喫茶店、映画館など)

・ 方法が限られた状況でしか成り立たない。

・ 1000円で売ったからと言って、それが成功に結びつついている訳ではない。

パラ読みしてここまで浮かんだので、ぶった切る理由としては十分だと思う。

ただ、勘違いして欲しくはない。ぶった切るといううのは、決して嘲笑や蔑むということでは無い。挑戦するだけの知性を感じたから挑んだのだ。

私なら、この本に対して「100円のコーラを0円で飲む」というネタで対抗したい。

Anubis

>(これ同じITmediaのブロガーさんが書いた本だって分かって書いてんのかな…)

知らん。分かって書いてません。だとしても関係は無い。

これだけまとまった本を書ける人だ。非常に知的な方だと思います。ぜひ本人と話してみたいものです。自分の持たない価値観を持つ人と話すことこそ、自分の幅を広げることができるからだ。

真っ赤なレモン

私の中の斎藤さんがヴヴヴと飛んでった。

じゅんじゅん

このシリーズの第3冊目は、「100円のコーラを0円で売る」が命題になっています。
この「100円のコーラを1000円で売る」と言う、一見軽薄な題名でしたが、そうとう面白い。
私もエンジニアですが、とても勉強になりました。
痛快なぶった切りにエールを送るとトモに、これからもよろしくお願いします。

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