いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

Always New.

»

■新しいということ

 新しいということにどのようなイメージをお持ちでしょうか。IT関連で仕事をしていると、新しいものを生み出す、イコール、労力を費やして突き進む。みたいに思ってしまう。新しい技術を覚えるというのに、すごくしんどさを思い浮かべる人もいるかもしれません。

 私の個人的な見解ですが、新しいというと、発展や変化をイメージする人が多いと思います。新技術と聞くと、それだけでインパクトがあります。また、新しい情報を追求することで、時代の流れについていけているような快感を得ることもできます。

■ただ新しい。それだけ。

 しかし、新しいといってもそれが良いとは限りません。今使っているPCが古くなってリプレイスした時、以前使用していた高性能なソフトが使用できなくなっていたらどうでしょうか。バージョンアップしたソフトで、お気に入りだった機能が削除されていたらどうでしょうか。こんなケースで発展をイメージされる人はいないと思います。

 新しい。それは一つの変化でしかない。それ以上、それ以下でもありません。また、変化といっても、新しさによる変化だけではありません。物は古くなれば、劣化るすこともあります。また、状況が変われば、相対的に変化してしまうこともあります。新しさは、一つの変化です。それだけです。

■そして僕たちは常に新しい

 つまり、新しいということは特別ではないのだと言いたいのです。人は新陳代謝をします。常に古い細胞を捨て、新しい細胞を生み出しています。ただ生きているだけでも、新しい情報を覚えて、古い情報を忘れていきます。

 また、自分がいくら変わらずにいようとしても、周りは動き続けます。同じスタイルを貫くにも、変化を敏感に感じ、適応していかなくてはいけません。変わらずにいること。それは、同じ状態を更新していくということです。何も無いところに、昨日と同じ状態を書き込んでいる。そういうことだと考えています。

 そこに存在することは、全てが新しい。こんなことを言うと、詩人の綴った曖昧な表現のように聞こえるかもしれない。概念が通じずに、「はぁ?」と言う人もいるかもしれない。ただ、そんなことは横に置いておけばいい。そう思うだけで、新しさを自然に感じることができるようになる。そして、目新しさに流されず、正しい判断ができるのではないかと思う。

■常に新しい。常に生まれ変われる。

 つまり、別に特別な理由はなくても昨日の自分と今日の自分は違ってます。明日の自分も新しくありたいと思わなくても、新しいのではないかと思います。ただ、どう新しいか。それが問題です。そこに昨日と同じものを更新するか、違うものを更新するか。それだけで、次の自分が変わっていきます。

 次に何を更新するか。例えば、今までと違うことを勉強してみたり、普段話さない人と話してみたり。方向を少し変えているだけで、常に今までと違う考え方が積み重なっていく。意思を持って方向を定めていけば、違う自分になっていく。大げさに言えば生まれ変われるのです。

 新しい、とか変わる、と言うと、「ガッコン!」と音がするような、センセーショナルなものを言う人が多いです。特にビジネスの世界では、そういうものこそ変化だと言う。ただ、そういうイメージだけが先行すると、大げさに考えすぎてしまう。自分をうまく変えていきにくくなります。

 きっかけは大きくなくても、いろいろなものを変えることができます。センセーショナルでなくても、望む形になれればそれでいい。生まれ変わろうとする人だけが生まれ変われることができるのだから。

Comment(1)

コメント

真っ赤なレモン

新たな新しさ。

コメントを投稿する