いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

リミッター

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■それぞれのリミッター

 リミッターとは、運動や出力に対して制限をかけるものだ。この、制限をかけるという行為は非常に重要だ。機械で言えば、安全に作動させたり、限界を越えて破損することを防いでくれる役割がある。

 もし、自分のケースで。自分の能力に制限が掛かっていたとしたら。これを外すことで、自分の持つ実力を存分に発揮できるとしたら。飛躍的に能力が伸びるとしたら。外したいと思わないだろうか。自分に課せられたいろいろな制限。それがリミッターだ。

■リミッターの解放

 能力を発揮するためのリミッターには、状況的なもの、心理的なもの、色々な種類が存在する。所属する会社や部署等の環境、覚悟の度合、そういうものも能力を発揮するためのリミッターだ。このようなものが壁になって、持てる能力が発揮できないという経験は分かると思う。

 そのリミッターの外し方も、気づくだけで外れたり、時期が来れば外れたり、何かの道具を使うことで外れることもある。いろいろなケースがあるので、自分に掛かったリミッターを外すには多くの工夫が必要だ。

■根本的な実力は変わらない

 経験した人なら分かると思う。例えば良い上司がついてくれることで、存分に実力を発揮できたとか、閃きを得て大きく効率が上がったとか。これは凄く気持ちがいい。押さえつけられていたものが無くなった解放感を感じることができる。

 一度こういう経験をすると、また経験したいと思ってしまう。しかし、そこに大きな罠がある。

 いくら状況が変わっても、自分の能力が変わる訳ではない。リミッター外しても、発揮するべき能力が無ければ意味が無い。それはそうだ。制限している壁が取り払われただけだ。実際のところ、ただのきっかけに過ぎないのだ。

■リミッターを外すリスク

 自分の能力を発揮できることは素晴らしい。しかし、実力を120%発揮し続けると、どこかに歪みが出る。例えば、モチベーションで労働時間というリミッターを外したとする。単純に成果は多く上げることはできるが、やり過ぎると身体を壊して逆効果となる。

 また、リミッターを外した反動で別の部分に歪みが出る場合もある。立場が上がって、自分の判断できる範囲のリミッターが外れたとする。急に自由度が上がって有頂天になり、信頼を失ってしまう。そういうケースもある。

 いろいろ制限が掛かることは、あまり楽しくない。制限が掛かっているせいで自分が不利になっていると、さらに楽しくない。しかし、そこで考えなくてはいけない。そういう状況でしか得られない発想や閃きもある。また、不利でもなければ考えたり努力しようとも思わない。

 リミッターとは、安全装置という半面もある。掛かっていることで得られる利益もある。また、外してデメリットにしかならないリミッターだってある。うまくリミッターを利用する。それも一つの知恵なのかもしれない。

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