いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

技術にこだわりすぎて見えなかったもの

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■最近感じた疑問

 これは、某コラムニストの話です。そのコラムニストの方、いろいろ事情があって転職したいなという話をTwitterやらFacebookやらに書き込んだそうです。そしたら、「うちの会社こないか?」みたいな話がいろいろな方からあったそうです。

 確かにそのコラムニストの方、技術的なレベルは高いです。しかし、それだけなんだろか。私が思うに、技術力だけではなく、人徳も高かったんじゃないだろうか。最近、過去の自分を振り返ってみると、どうもこれが足りなかったようです。

■技術はあるのにうまくいかない人

 私は典型的なそういう人だ。どこへ行っても、技術力の評価は決して低くはないが、トータルの評価はなぜか低い。その原因が、この人徳の低さだろう。技術力で人の間違いは超能力的に見抜けるが、その後のフォローがない。どうだろう、そんな人と仕事やってたら普通はイヤにならないだろうか。

 正しいものを正しいと言うこと。間違ってる事を間違ってる言うこと。これは必要なことだ。しかし、言った後の対応は大事だ。技術力でできるのは、何が正しいかを判断するところまでだ。言った後の対応は、技術力だけじゃなく、細かい心配りや相手の立場を考える精神的な余裕が必要だ。これが業務における人徳だ。技術があるのに仕事がうまくいかない人は、これがない。

 

■技術力と人徳、どちらが先立つのだろうか

 いろいろなケースがあるので一概には言えない。いかに人徳の高い人でも、人に頼りすぎて潰れる場合もある。いわゆる、人徳が尽きたというやつだ。また、技術力を高めることで、人徳の基礎を築く人もいる。

 人徳に関しては、キャリアのように計画を立てて構築するものではない。普段の行動や、何を思うかで決まる。人徳が欲しかったら、そこから見直さなくてはならない。別に技術者でなくともこの人徳は必要とされる。人が幸福に生きるための条件とも言える。そういう理由で、技術より人徳が先立つと私は考えている。

■人徳と幸福度

 技術力も大切だ。しかし、人徳はそれより大事だ。なぜなら、幸福度に直結しているからだ。そして、自分の幸福度だけでなく、人の幸福度にも直結している。

 類は友を呼ぶ。人徳の高い人の周りには、人徳の高い人が集まって、人徳の高い集団が形勢され、良いスパイラルが発生する。人徳のない人の周りには、同じタイプの人が集まる。こういう集団は身の周りにたくさんあるので説明は省く。

 さらに範囲を広げれば、日本人の人徳のトータルが、日本の幸福度になってくる。自分だけ低くてもいいや。というものでもないし、低かったら自分が不幸になる。「世の中は金だ!」と言う人もいるが、この人徳がないと金なんて集まらない。人を騙してお金を得ても、バレたときにしっぺ返しを喰らう。

 技術を高めるのは素晴らしい。仕事で実績を積み重ねることは重要だ。でも、ちょっと手を止めて考えたい。学校でもそんなことを教えてないし、ましてや職場では人徳より売上だ。意識して行動しないと、いつの間にか人徳は尽きて、呆然とするしかなくなる。1人でも多く、この人徳の重要さに気付いて欲しい。それが私の切なる願いだ。

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