いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

有益な言葉

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■とある何気ない会話 

 先日、従兄弟と会った時の何気ない会話だ。私が最近の近況を話しててこんなことを言った。「オレって変わってるから、女性受けがあんまり良くねーんだよね」。それに対して、従兄弟はこういった。「いや。そんなに変わってるなんて言わなくていいんじゃない?」

 私はハッと気付いた。自分で自分でダメだと思い込んで自分の価値を落としてたんじゃないかと。変わってると言っても、個性という武器になる。ようはそれができるかどうかだ。自分の見方一つでそれが決まることもある。

 何気ない会話であったが、自分の中に大きな気付きのある一言だった。今後、この言葉をよく心に留めておこう。

■受け止めてその価値は分かる

 有益な言葉はセンセーショナルであるとは限らない。心地よい言葉とも限らない。内容だけとれば普通の一言という事もある。重要なのは、その言葉の背景や裏付け、何を考えてその言葉が出たかということだ。

 さらに言えば、本当に有益な情報は、カチンとくる一言だったりもする。その一言にカチンとくることで奮起し、結果が出たこともある。振り返れば、カチンときたけど利益に繋がったので、私にとっては有益な一言だったということになる。

 自分を変えてくれる言葉は、自分では分からない。かけてもらって初めて分かるものだとつくづく思う。

■万人の言葉に聞く価値がある

 自分を本当に変えてくれる言葉は、いつ、誰が発するかわからない。だとすれば、私たちにはどんな人の話でも真面目に聞く必要があるのではないだろ うか。この人は偉いから話を聞く、この人は自分より能力が無い。だから話を聞く価値が無い。そう考えていると、自分に有益な言葉を聞き逃してしまう。

 実際どうだろうか。人の言うことを聞かないエンジニアは現場で結果を出せない。客の話は聞いて、作業を頼む人の話を聞かないようなプロジェクトマネージャだと、客の評判は良くてもプロジェクトは破綻する。

 立場の上下、能力の差、考え方の違いに関わらず、万人の言葉には聞く価値があるのではないだろうか。

■必要なものは与えられる

 言葉は常に与えられるものだ。自分の日々の言動にふさわしいものが与えられる。その与えられたものを、自分の都合で選りすぐりばかりしてたらどうなるだろう。本当に自分に必要な言葉をかけてくれる人がいなくなるかもしれない。

 そもそも人の話を聞く余裕が無いというのは、精神的な乏しさの現れとも言える。自分の過去を振り返ればそうだった。人の話に勝手に格付けすると、逆に自分が人に格付けされてしまうのではないだろうか。

 人の言葉はコンピュータの吐くログではない。いろいろなものと複雑に関係しあうので、内容だけで簡単に、有益か無益か判断がつくものじゃない。まず、じっくりと受け止めてみようではないか。

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