いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

感覚の違いはスキルの違い

»

■何が違うか。それは感じ方だ。

 普段の業務でAccessを使う人は少ない。Excelをバリバリ使ってる人とAccessを使っている人、実は決定的な違いがある。

 それは、データを見た時の感じ方だ。たとえばExcelしか使っていない人が1万件のデータを見た時、単に一万件のデータとしか映らない。しかし、Accessを使用していると、別テーブルとのリレーションとか、別の視点が浮かんでくる。

 つまり、同じ1万件のデータを見ても見え方が違ってくる。この差はでかい。どのくらいでかいかというと、パソコンに困惑する50代の人と、Excelを使って仕事をしてるOLさんくらいの差ががある。

■感じ方とは、心の部分の話だ

 エンジニアにとって、この感じ方の部分はかなり重要だと感じている。しかし、感じ方について語られる事はほとんど無い。仕事となると、更に少なくなる。それは、感じるという部分が、理論的ではないからじゃないだろうか。

 しかし、現実は仕事にはセンスが問われる。センスって、感覚って意味だ。何を感じるかという事じゃないのか?

■違いを感じるのは、理論ではなく感覚だ

 心で何かを察知するのは、とてもスピードが速い。体感的には理論的思考の数千倍くらいはあると思う。また、言葉にできないような概念を扱う事もできるので、非常に柔軟だ。

 武道なんかやってると解る。相手の一撃が来るのが事前に分ったりする。なんかの番組でこれを科学的に検証してるのを見たことがあるが、相手の初動より早く反応しているとか。理屈では説明できない話だ。

 文章なんか書いていてもそうです。理論より先に感じるものがある。逆に言えば、何も思う事も無しに文章なんて書けない。実際そうじゃないですかね? 迷いまくってるのに筆が進むなんて事は、絶対に無いはずだ。

■エンジニアはなぜか感覚を否定したがる

 エンジニアと話していると理論や知識ばかり求められる。でも、感覚というのは、知識の昇華した一つの形だと思う。身に付けた知識を何回も繰り返してかみ砕くと、感覚として思い浮かんでくるようになる。そうなると、ただ覚えている”知識”の状態より、はるかに応用が利くようになる。

 感覚はデタラメの代名詞ではない。何度も繰り返したものが形になるものだ。こういう、感覚的なものが真のスキルだと思う。知識や理論を詰め込むことにとらわれてはいないだろうか。

Comment(0)