遠山の金さんで学ぶ組織運営
■さぁ、視点を変えてみよう
「どのような人にも学ぶべき要素はある」
たまにこんな言葉を聞く。持論だが、どんな人であっても、優れた要素やこちらが学ぶべき要素を持ち備えていると思う。ただ、それは繊細に物事を見なければ見えてこない。たとえ相手が社会的に立場の低い人であっても、犯罪者であっても同じだ。
そういうことで、今回は遠山の金さんに毎回登場する“悪人たち”にスポットを当ててみたい。彼らをよく見ると、非常に理にかなった行動をしていることが分かる。
1.突然現れた狼藉者に対して、準備を怠らない
よく、金さんが現地視察に現場に押し入るシーンがある。
侵入されるというセキュリティの甘さは置いておいて、自分たちのボスが危なくなると、きちんと日本刀で武装した取り巻きの人が大量に登場する。
侵入を許してしまうというリスクに対して、きちんと対応しているではないか。しかも、金さん1名に対して、きちんと数十人で相手をしている。確実に勝てる人数で挑むところが堅実である(実際は負けるけど)。
しかも、危機と判断したらとっさに現れる統制の良さ。普段から訓練をしたり、周知事項の徹底をしておかないと、こうはいかないだろう。悪人といえど、優れた組織管理能力を感じます。
2.相手がどんな立場であれ、きちんと話を聞く
悪人たちは意外に懐が深い。
突然現れた金さんに対して、武装した人たちで囲みます。でも、きちんと相手が結論(桜吹雪を出す)まできちんと話を聞いています。現代人だったらどうでしょうか?
「何しとんじゃーー!」
と一言、自分の言いたいことを言ってつまみ出してしまうでしょう。
しかも、悪人たちは聞いた話を忘れていません。「この桜吹雪が……」の下りで、「あれ、なんだったっけ……確かどこかで……」なんていう人は1人もいませんでした。
(ただし、桜吹雪を覚えていても、顔と声で本人と判別できないのは、ビジネスパーソンとして致命的です)
3.最後には自分の非をきちんと認める
これが一番重要だと思う。桜吹雪(証拠物件)を見た後に「ははぁ!! 畏れいり奉りました!!」と、きちんと観念する。
ミスをしたら、きちんと認めて謝る!
コレが重要です。特に、立場の高い人でコレができない人が増えている。
ごまかしや不正がばれたら、きちんと謝ろう。しかるべき処置を受けよう。この潔さがあるだけでも、まだまだ悪人の多い日本だって、次のステップに進むくらいはできるんじゃなかろうか。