いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

そういえば、どこで覚えたのだろうか。

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■ITエンジニアの謎

 わたしには、ITエンジニアの友だちが何人かいる。その人たちに共通していることなのだが、いったいどこでこんな技術を身に付けたのだろうか。ふと疑問に思うことがある。

 まぁ、「仕事で覚えた」といえばそれまでである。しかし、友人がいた職場の話を聞くと、大概技術的にめちゃくちゃな会社ばかりだ。それでいて、よくこれだけ的確な技術を身に付けたものだと感心する。

■ほかの分野では

 知り合いにボーカルの先生がいる。その先生は、けっこう有名な人に習って歌を勉強したそうだ。音楽関係では結構そういう話を聞く。武道なんかも、きちんと道場に通って、有段者から指導を受けたりする。

 きちんとした師匠につくことは、何か技を身につける上で重要だ。ところが、IT系の技術でそういうことはほとんど聞かない。これが不思議だったりする。

■一応わたしの師匠

 わたしには、実はIT技術の師匠がいる。いや、厳密に言えば、師匠と呼びたくない。結局、何も教えてくれなかったからだ。ただ、技術は確かで、この人の読んでいる本を読んでみたり、言葉の端々を拾っていろいろ学ばせていただいた。

 とても感謝できる扱いは受けてはいないが、いまだから感謝しておく。

 でも、実質はほとんど独学。いろんな本を読んでは検証して。あんなことできるんじゃないか、こんなことできるんじゃないか。そんなことを繰り返して、いろいろ覚えていった。

■ITという世界に師匠はいるのだろうか

 人が人に技術を伝えるって、個人的には崇高なことだと思う。コンピュータにデータをコピーするのとはわけが違う。技術だけでなく経験を引き継いで、世代を超えて成長できるからだ。

 もっとこういうものがあってもいいんじゃないか? と、わたしは思う。

 仕事なら、言われたことを最低限、実現すればいい。手順書を作って仕事の引き継ぎをすれば十分だ。あんまり純粋な「技術の伝承」って感じじゃない。

 技術の伝承って重要だと思う。昔の日本人は、ここにこだわりがあった気がする。だから、トヨタとかホンダとか、そういうすごいメーカーを生み出せたと思う。ITでも、技術の継承をもっと重要視してもいいんじゃないだろうか。

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