日本語に誇りを持ってほしいものです
■会社で公用語?
最近、「楽天やユニクロが社内での公用語を英語にする」という話を聞いた。「日本のオフィスも含めて、幹部による会議や文書は基本的に英語にする」だとか。率直なところを述べると、「安易だ」と思った。仕事の相手先が外国でも、ここは日本だ。
英語学習を推奨するのはいいと思う。しかし、日本語の話者同士で英語を使うことを義務化するのはいかがなものなのだろうか。
■英語を使う前に、ものの伝え方を覚えるべき
どこの国の言葉でもそうだが、ものを分かりやすく伝えるのは難しい。また、言葉じりの問題だけでなく、確信や思いを込めて言葉で伝えるのも重要だ。
日ごろ、日本語でそれができているだろうか? 英語を覚える労力があるなら、物事の伝え方を考える方が有益だと考える。
■己の持つものを大事にすべき
英語で書かれた知的情報は膨大だ。その知的情報を活用できるのはすばらしい。情報を利用するために英語を覚えるのはいいとしても、それが自国語を使わない理由にはならない。
そもそも、日本国内での業務がある。そこはどう考えているのだろうか? 外国だけを相手に仕事をしていくわけではないだろうに。
■実際はどうなるのだろうか
実際問題として、日本人だけの場で「英語を話せ」といわれてもなかなか難しいだろう。できたとしても、実際の英語では使わないような表現を使ったりはしないだろうか? おかしな表現の使用は、奇妙なしきたりを生みそうな気もする。
それに、外国語1つ覚えるのもなかなか骨が折れる仕事だ。現在の業務を続けながら英語を覚えるのだって、けっこうな努力が必要だ。人によっては1年間、みっちり英会話に通ってもものにならない人も多い。現実的には、全社員の1割が実現できれば上出来だろう。
トヨタ自動車やソニーもグローバルな企業だが、日本語で世界進出している。言葉を覚えるのだって大事だが、本質的には「よい商品を作ること」が大切じゃなかろうか。
■むしろ日本語でいくべきだ
個人的な経験だが、英語圏にも通じる日本語がけっこうある。「ハァ~?」とか「え?」です(笑)。こういった単純な言葉は表情で通じたりする。
そして、言葉より通じるのが自分の「自信」だ。小手先で言葉を覚えるより、よい製品やサービスを作り上げること。自信を持って「これが日本製品だ!」といえればそれでOKじゃなかろうか。
日本人として、もっと自分に誇りを持つべきではないだろうか。