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業務分析について(1)

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 最近忙しくて……というか、本音をいうと「エンジニアライフで投稿していくことに意味があるのか」と真剣に考えましたが、わたしで伝えられることがあれば伝えるべきだと思い再開させていただくことにしました。

 さて前回、業務分析についてエンジニアの皆様が興味をもたれているのかいないのかをうかがいましたが、独断でそこそこニーズはあると判断させていただきましたので、具体的な話を進めていきたいと思います。

 要求の源泉。それは「そのシステムの機能をナゼ実装する必要があるのか」を示した理由です。

 わたしが新人に近いころ、要求の源泉を把握できるチャンスはありませんでした。「仕様書にかかれたモノを作りなさい」と、ドキュメントを渡されただけです(逆にそれ以上のアクションができなかったわたしのスキルがシレテいますが)。

 そうなると普通の感覚では仕様書にかかれた以上のモノはできないわけですが、たぶん日本の文化なのでしょう、行間を読みましょうというのが大筋どのプロジェクトも共通していると感じています。そこで行間が読める=デキル人、読めない人=デキナイ人みたいな式が成り立つと思います。その差は、ナゼその仕様はそのような仕様になっているのか? そもそもその仕様にはどう意味があるのか? と疑問に思うか、思わないかだと思います。自分のやろうとしている作業に、意味があるのかないのかを意識していれば、当然わいてくるコトです。作業の意味を掘り下げられるレベルで、その人のスキルが判断できると思います。

 たとえば、FX(外国為替証拠金取引)のすでに契約が成立した注文(約定)を取り消すという機能を実装することになったとします。

 このとき、エンジニアA、B、Cは以下のように考えたとします。

  • エンジニアA:約定を取り消すという機能をどうやって実装するかを考える
  • エンジニアB:約定を取り消すということは業務的にどういう意味があるのかを考える
  • エンジニアC:約定を取り消す必要はそもそもあるのかを考える 

 少なくともわたしが新人のころは、エンジニアAのような発想をしていました。それでも十分に大変なことです。なぜなら、既存の機能やアーキテクチャが存在するわけで、それらを加味して機能的にどういう影響度があるかを分析する必要があるためです。

 この作業は既存のシステムが大きければ大きいほどコストが上がります(このあたりもやり方次第ですが)。

 しかし、そのコストがまったく無意味がモノに終わる可能性が十分にあり得ますし、実際出来上がってから顧客に評価してもらう段階となってから、こうしてほしかったんだよねとか、最悪の場合やっぱりこれイラナイヤという愕然とした状況になり得ます。

 このような経験を一度はしたというエンジニアが、ほぼ100%ではないかと考えています。懸命に作ったのにほ、とんど、あるいは一度も使われない……。これほど悲しいことはありません。次の仕事のモチベーションにも個人的には影響します。

 エンジニアBやCのような発想ができていれば、約定とは投資家とFX業者(または取引所)間で一度契約が成立したものなので、ナゼ一度成立した契約を取り消す必要があるのか、そもそも取り消すことが可能なコトなのかという要求の源泉を顕にすることで、その必要性や使われ方を把握するチャンスが獲得できます。

 一般には、余程の不正な取引があった場合を除いては使われることのない機能だと思います。そのような機能と頻繁に使用される機能(発注するとかリアルタイムに証拠金を計算するなど)を同列にすることは愚かな行為だと考えられます。

 そういったことは、機能モデルを構築する際のユースケース分析でわたしの場合は顕にしますが、ユースケース分析の本質も結局はナゼ必要なのかという上述したような観点の上に意味をなすものです。

 今後、機能(ユースケース)モデル、静的モデル、動的モデルという3つの軸で上流の技術を実際のエンジニアリングを実行する段階と照らし合わせながらお話していきたいと考えています。

Comment(19)

コメント

高橋秀典

ビガーさん、

 高橋です。
お久しぶりです。
このコラムの位置づけについては、私も色々考えるところがあります。
毎年色々な機関で実施されているエンジニアへのアンケート集計でも、ビジョンや方針が分からない場合が、モチベーションの下がる一番の原因になっています。
ともあれ「継続は力なり」が私の座右の銘ですので、やっていると何か光明が・・・なんていう感じです。

 私が若手のときも同じでした。
と言うより、余裕が無くて示された範囲のことをこなすだけで精一杯だったと言う感覚です。
 そんなときに、周りに少し上の目線で考える方がいるかということと、自分がその人のことを認識できるか、ということが大事だと思います。

 私の場合は、運よく先輩にそんな人がいたのと、自分の失敗をきっかけに少し客観的に現在の環境を見つめ直すチャンスに、たまたま遭遇できたということだったと記憶しています。

 それが分かれば、とりあえずその人がTo Beで、自分(As Is)とのギャップは、結構明確になりました。今思えば、自分はどうなりたいかが、それなりに見えたということでしょうか。。

 その後、経験を積んでくると別のゴールを見つけ、軌道修正しました。
かたくなに決めたことを守る必要も無く、柔軟に考えることも覚えました。

 能力と運が必要で、日ごろの出来事をいかに自分にとってのチャンスに持ち込むかが、重要かもしれません。

ビガー

高橋さん、コメントありがとうございます。

>そんなときに、周りに少し上の目線で考える方がいるかということと、自分がその人のことを認識できるか、ということが大事だと思います。
私の場合は、一度転職してコンサルの仕事に関わらせていただいたときに経験できました。SIではなかなかそういう人物には遭遇できないかもしれません。

私のいまのところのゴールは、地方の中小企業を「楽」にできるシステムを提供することです。地方は特に無駄なカネ掛けられない状況ですね。いろいろな社長さんと話せるのはとてもいい経験です^^

高橋秀典

ビガーさん、

 地方活性化は大事ですね。
私も、札幌や新潟に出かけていますが、都市圏とはかなり状況も条件も異なります。志があってもなかなか難しい問課題ではありますが、お互いがんばりましょう。都市圏だけよくなっても意味無いですものね。

ビガー

高橋さん、再度コメントありがとうございます。

いろいろと話を聞いてみると地方の中小零細企業にこそ情報システムは必要と痛感します。
いまだに紙ベースで顧客情報を管理しているところだったり、いくつものフォーマットがあるExcelでデータを管理しているから転記コストが半端なくかかっているところだったり、業務システム入れていてもメンテナンスが誰もできないようなものになっているから事実上、使い物にならなくなっているものだったり。。

地方にこそビジネスチャンスはたっぷり転がっています。しかし、そのチャンスを活かすためにも上流の技術や営業力が非常に重要だと痛感しています。

インドリ

私も中小企業こそ必要だと思います。
しかし、人月単価で計算されるので高額すぎて彼らには手が出しにくく、個人の技術者に頼むべきなのに、彼ら自身が看板しか見ないのでそれもしない傾向がある。
技術以前に難しい事も沢山ありますよね。
もしかしたら、やるべき事は、情報処理システムとは何かを知らせる事かもしれないですね。

ビガー

インドリさん、こめんとありがとうございます。

>しかし、人月単価で計算されるので高額すぎて彼らには手が出しにくく、個人の技術者に頼むべきなのに、彼ら自身が看板しか見ないのでそれもしない傾向がある。

経営者や業務の効率化を望んでいる方々は、現実的には情報システム自体には全く興味はないです。自身の課題を解決する手段を望んでいるだけです。その一助として情報システムやツールは非常に有用なので、あきらめずSI提案活動を続けていきたいと考えています。
金額面については、今までの人月ベースのモデルで話にならないので独自のモデルを考えて提案中です。もう、作ることは使うことを補完することの手段と考えていかないと立ち行かないと実感しています。

インドリ

ビガーさん返信有難うございます。
やはり、同じフリーエンジニア。
人月単価はお話にならない事を実感されているのですね。
まともな人が居てほっとしました。
というのも、私のブログで「騙されるお客が悪い」とか
「自分で商品価値を考えるのがいやだから人月単価がいい」という人達が居るからです。
これは、うちのブログに限った話しではなく、そういった正常な感覚を持っていない人が多すぎると感じていたので、まともな人に会うとほっとします。


>経営者や業務の効率化を望んでいる方々は、現実的には情報システム自体には全く興味はないです。自身の課題を解決する手段を望んでいるだけです。

これも同感です。
そのことを分かっていない人が多いと感じています。
我々はヘルパーであり、主役はあくまでもお客様だという事を分かっているのと、分かっていないのでは、顧客満足度に差が出ると思います。
このコラムの本編でも既に書かれておりますが、自分の技術だけを考えるのではなく、お客様の視点で物事を考える。
その考えがないと駄目ですよね。
それを分かっておられるビガーさんは、高い顧客満足度を達成できる方だと思います。
次回のコラムを期待しております。

ブログにコメントを残してくれる方々はお客様だと思うんですよ、
たとえ自分と異なる意見であっても。
そのお客様を"まともじゃない"と他所様のblogにまで書くのは
"お客様の視点で物事を考え"ていないんじゃないかと。

↑ お前は俺かwww

# そのご意見には同意します。

ビガー

>インドリさん、コメントありがとうございます。

次回以降、私が現場でモデリングした際の技術をお伝えしていきたいと考えています。

>美鈴さん、επιστημη
私も利害関係者をお客様と定義しているので賛同する部分はありますが、言葉尻だけに反応されるのはやめて下さい。
批判があるのであれば、ご自身のお客様に対する価値観を具体例を交えて開示して下さい。

美鈴

> 批判があるのであれば、ご自身のお客様に対する価値観を具体例を交えて開示して下さい。

お店に足を運んでくださった方はまずはお客様。
どんなに悪態吐かれようが意見が食い違おうが。
裏でこっそりならともかくも、ヨソのお店で公然
と愚痴るのは避けるべきと考えます。

美鈴

人月単価に関して納得できないものであろうことは理解できます。
が、話にならないと一蹴するからには、「ではどうするのか」
具体的な代案を示さぬままでは駄々こねているだけに感じられます。
お客様との折衝なのですから文字通り「折り合いをつける」ことが肝要かと。

ビガー

美鈴さん、再度コメントありがとうございます。

>人月単価に関して納得できないものであろうことは理解できます。
>が、話にならないと一蹴するからには、「ではどうするのか」
私のコメントに書いていますが、この辺りの対中小零細企業様向けのモデルを実践中で、具体的な方策についてはトライアンドエラーという状況です。
ある程度、まとまった状況になったらコラムでお伝えしたいと考えています。

>お客様との折衝なのですから文字通り「折り合いをつける」ことが肝要かと。
コレ、言葉でいうのは簡単ですが、今の中小零細企業様の状態を考えるとかなり難しいんですよ。たぶん、ある程度の大手でもそうでしょうが、スグ(1ヶ月程度)に効果(利益or売上UP)が出ないとスグに見限られてしまう。そう考えるとチンタラ業務分析なんてやってる暇はないけど、使われる機能のみを創ること、そのシステムの将来性を加味すると絶対外せない。
まぁ、スキルアップには最適な場ですが、ソコに人月単価などという概念自体存在しないわけです。

美鈴さんの実体験を聞いてみたいという意味で価値観を開示して下さいとお伝えしていましたので暇があったらコメントしてもらえますとうれしいです。

ビガーさん、こんばんは。

人月単価いくらというのは、コンサルは確かにそういう契約になりますが、それを誤解している人がいるので……突っ込んでおきます。

中小企業は委任契約で人月いくらでコンサルを雇うことはほとんどないです。特にこんな不況期には、成果を出してナンボですから、請負で目に見える成果物ないと出してくれません。

関東ではまだマシと聞き及んでいましたが、大阪ではひどく、世界的な大手企業でも、同じ状況が起きることもあります。

ぶっちゃけ、大阪ではコンサルティングというのは営業活動とみなされる場合も多々あり、弊社も長く提案期が続いて、ここで頻繁にコラムを書いていたのは、提案だけの無収入の厳しい時期が続いていただけだったり(苦笑)

しかし、ありがたい事にこのご時勢に提案活動をしていた3本のうち2本が取れました。

それで他所に出されたらたまらない。
数ヶ月~半年タダ働きで、アイデアごっちで終わっていたわけで、まぁ、民事再生か自己破産か逃亡でしたけどね。
取れても提案に時間が掛かりすぎたため利益は出そうもない(苦笑)
今の状況なら、生きてるだけで丸儲けって感じかな……。

昔なら、コンサル費を取れたのですけど、コンサルという仕事は結果を出さない詐欺的な連中が荒らしたお陰で、なかなか辛い状況になってきているように思います。
どんなものですかね。

ともかく、人月いくらというのは誤解する人が出るので、「人月いくらの委任契約では」としておいてもらった方がよいと思います。

ビガー

生島さん、コメントありがとうございます。

おっしゃる通り、委託(委任契約か準委任契約)で中小企業様とは話ができません。
今、私が進めているアプローチは、委託でその企業様が生き残るために必要なことを定義させていただいてから、その実現を請負でやるようなイメージです。
ただし、請負での瑕疵担保がネックになるので極力機能を実装しないようにするモデルにしようと考えています。

で、今感じている上記モデルのネックは、その企業様が生き残るためにホントウに必要なことは何かを炙り出す作業です。そのために歩合でその企業様の営業をしている最中で、コンサルをしていた頃では経験できない本質的問題に日々気付かせていただいています。お宅訪問の飛び込み営業なのですごく刺激的ですが、当分この歩合だけで食べることになるので必死です(笑)

そんな感じなので人月云々はどうでもいい感じなのですが、理屈が好きな方達は、一度中小企業様に営業してみれば気付くんじゃないかな。

ビガーさん、おはようございます。

弊社は大半は中小企業を相手にしていますから……。そりゃーもう、大阪のオヤジのキツいことと言ったら半端じゃないですよ。

しかし、大手の名刺で歩合制の飛び込みをやっているとしたら、かなりキツいですね……。
大手で必要な粗利益率を確保しようとすると、すでに中小企業には合ってないし、中小企業から保守契約はなかなか取れない上にライフサイクルが長いので、常に単発で終わるし。

中小企業を相手にするときは、向こうから「困っている」と集まってくる集客モデルを作るか、集まっているところに乗り込むのかになると思います。

偉そうなことを言って、弊社に集客モデルがあるかというと、なんとなくしかできてない。

社長が技術者もやっていると開発案件が走り出したら営業活動が停止なので……。早くまっとうな大きさの会社にしたいです(苦笑)

ビガー

生島さん、おはようございます。

今やっている歩合の営業は、中小企業様の商品を販売することで、システムとは何ら関係なく大手の名刺(実績や肩書き)も使っていません。というか使えない。
モノ(商品)は違えど、売り方(メリットの本質的な考え方、お客様の心理状態、困っていることの見つけ方などなど)は、本業(システム)の営業にも通じると考えています。そろそろ商工会あたりでも話せるレベルになってきたかと思うので出陣してみようかな。

確かに集客モデルに繋げていくことが理想です。そのためにも実績を積まなくてはなりません。放っておいても顧客が来るというのは本当にありがたいことだと思います。

ちなみに私がやろうとしていることは、今までのSIとかソフトハウスのビジネスモデルとはまったく異なるものだと思います。利潤もそこまで追求していないし、企業間のヒエラルキーを撤廃しようと考えているので。ただ、企業間の連携は重要だと考えています。

失敗したら委託の優先度を上げようかなと考えたりしています(笑)

そうですか本格的な営業ですね。

商工会議所のセミナーとかには困っている人が集まってくるので、うまくいくとよいですね。

私も何度かやったことがあるので、ちょっとだけ注意点。
無料セミナーだと「困ってはいるけれど金を出す気はない!」って感じの人が多すぎる点かな(大阪だけか?)
難しいけれどわずかでもとった方が、本気度の高い見込み客を集めやすいと思います。

ビガー

経験ベースのお話ありがとうございます。
無料だと安く見られるリスクがあるとは思うのですが、まずは興味を持ってもらわないと話にならないかなと考えています。
私も慈善活動で終わる気はないので、ジョジョに適正価格にしていければなぁ~と。甘いかな。。

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