肩の力を抜いて、サラサラとIT業界を流れてゆこう。

女性の直感力が生きるIT分野 -テストエンジニア-

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 こんにちは、ヨギです。

 僕はソフトウェア評価コンサルタントを目指しているので、ここ数年は作業の重心を、開発から評価(テスト)にシフトしてきました。

 立場は、主にシステムテストの評価リーダーで、評価管理の他に、自動テスト導入の試みなどもしています。

 さて、その間うすうす感じていたことで、途中から、ほぼ確信に至ったことがあります。

 それは、女性の直感的なバグ発見力です。

 論理的なテスト手法に依らず、思わぬバグを発見する力。

 僕は、バグ発見に到ったテストケースをなぜ思いついたかを、彼女達にインタビューしてきましたが、それが直感に由来するゆえか、彼女達自身もわからないことが多く、最終的には「なんとなくそう思って……」となるのがオチでした。

 しかし、それでは抽象的過ぎるので、説明できそうな事例を1つ挙げてみます。

■おだやかな日々

 システム評価(機能評価)の結果が一定水準に達し、品質評価(QC)への移行が近づくと、評価・開発チーム共に安堵感が漂います。

 その反面、この期間に機能レベルの深刻なバグが発見されると、品質評価に移行できず大騒ぎになります。みんな「何かあったらヤバいな」と心の隅で思いながらも、おおむね、ゆったりとした気持ちで過ごせるのがこの時期です。

 ふっと緊張の解けるこの頃、評価チームには若い男女のテスター(テスト実施と障害報告を主責務とする人)が多いので、恋が芽生えるのもよく見かけました🍒。

■そんな時期の、昼下がりのこと

 初めて評価リーダーを担当した僕の所へ、配属2週間目の女性がやってきて、「すみません、なんか動かなくなっちゃって」と報告してきました。

 その女性はまったくの新人でしたが、諸事情によりシステム評価終盤に投入されました。

 一方、こちらは作業的に佳境で、彼女を教育する余裕がありませんでした。

 しかし、実機はコピー・プリンタ・スキャナ・ファックスなどが搭載された、いわゆる複合機なので、いきなり操作してもある程度はわかるだろうと判断し、勉強のつもりで自由に実機を動かして、何か気になる動きがあったら報告するように、と指示しておきました。

 システム評価終了後、チームメンバーはくつろいでいましたが、彼女は時々ふと思いついたように実機に向かい、何か操作をしていました。

 そしていつもなら操作後は自席に戻るところを、そのまま僕の席までやってきて、「動かなくなっちゃった報告」をしたのです。

■ハングアップ。要電源再投入。再現性100%

 報告を受けて、「なに、壊しちゃった?」と冗談を言いながら彼女の話を聞いていくうちに、僕の顔はこわばっていった。

 深刻なバグだった。

 システムがハングアップする。しかも容易な手順で確実に再現する。

 復帰には、実機の電源再投入を要するというものだった。

 現象は、「コピー時の給紙エラー」に関するものでした。

 コピー実行時に給紙しようとして、紙詰まりなどのエラーを起こした際の動きは当然設計してあるし、テスト側もそれに対応したテストケースを作ってあり、実施済みだった。

 給紙エラー時の仕様は「給紙を3回失敗すると、給紙エラーメッセージと、どこに詰まったかをパネルに略表示する」というもので、ごく一般的な仕様である。

 しかしその女性は、1回の給紙エラーでシステムをハングアップさせるバグを発見していた。具体的には、

  1. 給紙(紙引き)が始まった瞬間に、用紙を手で押さえる
  2. 実機は給紙しようとして用紙を引っぱるので、手の力をゆるめて、用紙を少しだけ引き込ませる
  3. しばらくしたら手の力を強めて、用紙をわずかに引き戻す
  4. また実機に引っ張られる。再び引き戻す……これを2分間くり返す

 これだけの操作。

 彼女が用紙を微妙に引き込ませたり引き戻したりしているので、実機からすると、厳密には給紙エラーになっていない。内部的には給紙センサーからの、成功か失敗のメッセージを待っている状態だ(2分もの間、何もメッセージ発行しないセンサーもセンサーだが)。

 設計者は、給紙エラーが3回発生した場合のことは考慮していたが、給紙エラーに至る時間が2分にも及んだ場合のことは、考慮していなかったのだ。

 この状態が2分以内で終わった場合、すなわち、給紙成功か、給紙エラーになった場合はハングアップしない。

 ※ 後の解析で、センサーからのメッセージが2分以上途絶えると、内部処理のシーケンスが破綻してハングアップすることがわかった。

 それはともかく、なぜ彼女が「2分」と思ったのか。

 聞けば、はじめから「2分」と思いついて試したと言う。

 テスト初心者が、誰からの指示もなく、実機と自分とで給紙の微妙な押し引きを、2分間も続けられるものではない。

 僕からすれば、なぜそういう操作を思いついたかを知りたいと思った。すると、

 「昨日、防犯チラシがポストに入ってて……」

 「え?」

 「ピッキング犯は鍵を開けるのに2分かかると、ほとんどあきらめるって書いてあって」

 「なにが?」

 「2分」

 あまり噛み合わない会話ですが、要は、ピッキング犯は2分で犯行を諦めることが多いので、給紙させまいと2分頑張ったらどうなるかと思った、ということです。

 これは厳密には連想力と言うのかもしれないが、元ネタからあまりに飛躍していて、連想の範疇を超えていると思うので、直感力と呼びたい。

 ちなみに僕の経験範囲では、男性がこのようにまったく関係ない何かから、直感的にテストケースを思いつくというのを、見たことはありません。

■Let’s work as a Test-Engineer

 前項で一例を挙げましたが、こういう不可思議なケースを数多くの女性で見受けたため、女性はテストエンジニアに向くのではないかと思い至りました。

 開発テーマが生まれ、テストチームが組まれると、たとえ5人のチームでも、その中に1人はそういう女性がいる。

 そしてその女性がまじめに経験を積み、こちらから教育・誘導すると、直感力と経験値を持ち合わせたスーパーテストエンジニア(造語)になり得ます。

 ドラゴンボールじゃないけれど、スーパーテストエンジニアは、非常に存在価値が高い

 鋭い直感と経験の、両刀使いで次々とバグを発見してゆくので、プログラマから恐れられます。

 ただ残念ながら、日本にはまだテスト文化が根付いていません。

 しかし欧米にはテストエンジニアというカテゴリがあり、IT業界で市民権を得ています。

 ということは、遅かれ早かれ、日本にも「デキるテストエンジニア」が求められる時がやってくると思うのです。

 ですから今、IT業界に女性がたくさん入ってきて、プログラマやSEとして活躍される方が多いけれど、ぜひテストエンジニアにも目を向けて頂きたい。

 そして男性があまり持たない直感力を発揮して、製品の品質安定・向上に力を注いでみてはどうでしょうか。

 バグの発見→バグの改修→品質安定・向上というわけです。

(後記)

 直感力の非常に優れた女性テストエンジニアを、今まで50人は見てきたろうか。

 その彼女たちの共通点。

 それは意外にもケバケバしいということでした。

 刺さりそうなツケ睫毛、墨のようなアイシャドー、頬にラメ、グロスの効いたリップ、ケーキのようにデコレーションされたネイルアート、偽タトゥー、鼻にピアス、etc……。

 その全部ではなくても、幾つかを、彼女たちは「実装」していました。

 要するに、強烈な感性と個性ということなんだろうか。

 それにしてもこの、女性の直感力は、どこから来るのだろう?

 オトコは論理で、オンナは直感で認識をするとよく言う。

 直感で浮気を見つけるのは女性だ。 オチは「オンナのカン」ということなのだろうか。

 ふう……さて、これからはヨガの時間。

 1週間の毒を出し、新しいエネルギーを取り入れてきます。

 それでは、また🍶。

Comment(18)

コメント

第3バイオリン

ヨギさん、はじめまして。こんにちは。

私はテスト歴8ヶ月のテストエンジニアです。

コラムに出てきた女性ほどではありませんが、私も似たような経験あります。
チェックリストには載っていないけれど、なんとなく気になる設定を試してみて、
深刻ではないけれど目立つバグを出したことがありました。

テストをするときには仕様書などを基にチェックリストを作成して、
それに沿ってテストを進めていくわけですが、チェックリストの項目を消化するだけでは意外とバグが出ないんですよね。
(仕様書に載るところは開発内テストでほとんどバグが潰されているからでしょうね。そうであってほしいです。)

むしろチェックリストから外れて、「ほんの出来心だったんです~」みたいな
ノリでやってみたことが大きなバグの発見につながるんですよね。
今の私はこの辺の感覚を鍛えている最中です。
訓練で鍛えられるものかどうかはわかりませんが。
ちなみに私の外見はいたってシンプル&ナチュラルです。
まずは形から入るのも・・・って、それは多分ないですね(苦笑)。

HAL

本コラムでの「女性は・・・」という点においては、少々疑問に感じますね。
私の経験では、どちらかというと『新人』等の未経験者が同様のことを行いますね。

どうしても設計/開発など経験を積むと、経験が邪魔して、このような発想は起きないのですが、未経験者(特に好奇心旺盛な人)は、時に突拍子もないことを思いつき、実施し、ハングさせる。それは業務的にはあり得ない事象とかも。
有難いことなのですが、ときどき、どのように操作したか自分自身でも覚えてなく、再現性がつかめないことも多々あるのが、なんとも・・・

ヨギ

第3バイオリンさん、こんにちは。

テスト歴8ヶ月ということは、一番ぐんぐんテスト力が付いている頃ではないかと察します。

>なんとなく気になる設定
>「ほんの出来心だったんです~」みたいな
ソコです。
これからもっとテスト力がついてベテランになってくると、「気にはなってもテスト仕様書に書いてないし面倒だからやらない」、という気持ちになることがいつかあると思います。
でもとても大切なことなので、どうか今のお気持ちを忘れずにいてください。

>チェックリストの項目を消化するだけでは意外とバグが出ないんですよね。
そうですね。(^^;;)
会社の体勢や開発部隊の体勢にもよりますが、ここであまり不具合が出るようだと、
設計レベルから疑う必要が出てきてしまいます。
キビしい所だと、テスト中断です。

>今の私はこの辺の感覚を鍛えている最中です。
すばらしい。 どうかスーパーテストエンジニアになってくださいね。
テストの世界は(少なくとも日本では)未だ混沌としているので、必ずやその感覚が活きると思います。

>ちなみに私の外見はいたってシンプル&ナチュラルです。
あれ、そうなんですか。
それじゃ私が見てきたスーパーテストエンジニアの特徴は、たまたまだったのかなあ。
それとも第3バイオリンさんがスーパーテストエンジニアになった暁には、
中島美○バリになるのかなあ。
うーむ。

ヨギ

HALさん、こんにちは。

そうですか。女性...という点で疑問を感じられますか。ふーむ。
尤も私としても、全ての女性というわけではなく、
記事の後書に少し書いたような特徴のある女性、ということなんですけどね。

確かに新人も同様のことをやりますが、私のの経験範囲では、
男性でそういうヒラメキ的なテストをする方を見たことがないのです。
それで「女性」としてみました。

>業務的にはあり得ない事象
ここは重要な所ですね。
時々「そんな操作は業務上まずやらないから改修しなくてよい」と言う設計者がいますが、
しかしその問題(コード)箇所が、もう少し通常業務で動作しうる可能性があるのなら、
別の形でバグとなって吹き出す可能性があるので、
改修を求めるように私はしています。

>どのように操作したか自分自身でも覚えてなく、再現性がつかめないことも多々あるのが、なんとも・・・
確かに。
ヒラメキでテストケースを思いついたときは、それがアタマから消えぬうちに、
とにかくテストをしてしまう。
しかしテストし終わった後で、それを思い出してもらえない。

この辺りは、私達評価リーダの管理のしどころ、教育・導きのしどころだと思っています。

say

理屈で動いている人は、その中身を理解してテストしているなら、その裏をかいて思わぬバグを見付けることがあります。
感覚で動いている人は、関係のない事を結びつけてテストをして、バグ発見に結びつかない事が多いけれど、時に重大なバグを見付けることがあります。

前者はプログラムを組む上で多様な経験がある人で、心理的な事を折り合わせて、または開発担当者の性格を考慮してテストができる人。
後者は真面目で感覚的に感性で生きていて常識に囚われない自由な人。
今回の話は後者についてですが、女性に多くみられます。
真面目ではない人ならいくらでもいますが(特に男子)、真面目となると女子のほうがずっと多くなりますね。
男性でそのような適合者は、おそらく別の世界で生きています。

テストエンジニアの地位が低い会社の製品はちょっとした事でバグが出るのでわかりやすい。
テストエンジニアの地位が低くなくても、テストから逃げようとしている会社の製品はバグの傾向からなんとなくわかりますし、使用上の断り書きからもわかります。
そして米国の大手企業であっても、テストが不十分なもの、設計が不十分なものは幾つもありますし、欧米の製品の中にはまったくテストをしていないものも散見されます。
ただ日本ではテストエンジニアの地位が低い事は間違いない。

バグに関しては興味深いエピソードがあって、それは有名な話なんだけれど、ジャストシステムの一太郎についてのあるユーザーからのバグ報告でした。
一人のお客から文字入力に関して不具合の報告があって、それをジャストシステムでいくら再現を試みても再現できなかった。
幾度もそのお客から不具合の報告が上がったので、そのお客のもとに伺って再現をお願いしてみたら、信じられない速度でタイピングをする人だった。
つまりバグ発見というのは論理的なテストも勿論必要なんだけれど、想定外の事を探すのも同じく必要なんだと言う事。
自動テストはユーザーの反応を越えた反応をさせる事が出来るので、そういった点では想定外の状態を引き起こすことができるし、プログラム上の制御の隙間を見付けることも出来るので必須だと考えています。
それから性格について言うと、意地悪な性格をテストに向けることが出来れば、それも生きてきます。

日頃テスト担当者にいろんなバグを見付けてもらっています。
お世話になっています。

ukeyama

こんばんは。
記事、お待ちしてました。(^_^)

スルドイなー。

自分の下についた方をよく見てるのが、文章から伝わってきますよ。
ヨギさんみたいな方を上司に持つ人は幸せです。
自分を見ていてくれる安心感があるから。
うらやましい(嫉妬)。

女の私からすると、技術的にどうのこうのなんて、どうでもいいんです。

こんな人(上司)が見てくれてるんだってだけで、
必死に仕事しよう、残業だって休出だってしようと思います。

それがオンナって生き物です。
(このヘンわかってない男性多いです)

話飛びましたけど、テストの世界ってまだ未開拓なんですね。
知りませんでした。
いろいろ調べてみようと思います。

しかしヨギさんは多彩というか、話題豊富ですね。
今までの記事4本読みましたけど、ぜんぶ違う話題でしょう?
さすが業界20年だけありますね。

あまり言うとプレッシャーになるかもしれないけど、次の記事楽しみにしてます。

ヨギ

sayさん、コメントありがとうございます。

コメントというより自己完結した一つの記事のようにすら見えますが、それはともかく、
多くのご経験を感じさせる内容のコメントだと思いました。
テスタの傾向を、端的に、正確に捉えておられますね。

>男性でそのような適合者は、おそらく別の世界で生きています。
それは言えてる気がする。うん、確かにその通りだと思います。

バグの出方や傾向、取説の記載から、
その会社でのテストエンジニアの扱いがわかるということですね。
ひいてはテストへの姿勢も。同感です。

僕は何かの製品で、モロにバグだ、という現象はあまり見たことはありませんが、
U/Iなどで、統一性や一貫性がないものは時々見かけるので、
そういう所は、テストへの姿勢が弱いのだなと感じます。
統一性や一貫性の無さは、テストサイドから指摘されるはずですし、
しかしそれを直さず押し切って出荷するということは、テスト軽視してるということだと思うので。

一太郎のそのエピソード、聞いたことあります。
かなり昔のエピソードだったような。一太郎のバージョンがまだ3.xとかその頃の。

>日頃テスト担当者にいろんなバグを見付けてもらっています。
なかなかそういう表現はできないものだと思います。
すごいですね。

友ぞう

ヨギさんこんにちは。友ぞうと申します。

テストエンジニア、将来的にはやってみたいと思っている職種ですね。
今のうちの会社には品質に関する意識があまりにも低くて、バグがでまくっていますが・・・

女性がするどいというのもなんとなく分かるきがしますよ。
微妙な変化とかにやたら気がつくじゃないですか。
女性の髪型が変わってもまったく気づかない男性にはない能力?

経験と感性が磨かれるとバグの匂いをなんとなく感じるようになりますよね。
(ちょっと犬みたいですけど・・・)
今は私にはありませんが、ちょっと前にそういう時期がありました。
何か説明できない違和感を感じるんです。
そして、もしこういうことしたらどうなるのかどうしても確かめてみたいという気持ちになってしまう。
そこでバグが見つけられたときはガッツポーズですね。

残念ながら今はブランクがあいてしまったので全く勘が働きませんが。
今はどちらかというと旦那の体調や子供の体調の違和感を感じ取ることに長けていますが・・・

ヨギ

ukeyamaさん、コメントありがとうございます。

>自分の下についた方をよく見てる
ありがとうございます。
でも、テスタは若い方が多いので、人によってはよく見てないと、
いい加減な仕事する人もいるんですよ。
テストって、手を抜こうと思ったら、けっこう抜けてしまう仕事ですからね。
ひどい場合は無断欠勤とか。いきなり旅行行っちゃうとか(笑)。

>女の私からすると、技術的にどうのこうのなんて、どうでもいいんです。
>それがオンナって生き物です。
かか、かなり思い切ったこと言われますね。
そしてすごく迫力あるお言葉。(^^;;;;;)
でも確かに女性は、接していると、年齢に関係なく、自分をどう見てくれてるか、というのが中心部に強くある気がします。

>話飛びましたけど、テストの世界ってまだ未開拓なんですね。
そうですね。 混沌と言っていいと思います。
テスト手法はいろいろと提唱されているのですが、
僕から見ると、まだまだ学者レベルというか、理論ベースで、
現場の、ましてテストに対する理解の浅い日本の会社で適用できるテスト手法は、
数少ないと感じています。

それだけに、これからいろいろと花開いてゆく可能性のある分野ではないかと思います。

>しかしヨギさんは多彩というか、話題豊富ですね。
ありがとうございます。
でもモノは言いようで、要するに「何でも屋」の時間が長かったからだと思います(笑)。

>あまり言うとプレッシャーになるかもしれないけど...
とてもプレッシャーです。 わはは。
うそです。
今、思いつくままにいろんな事を書いてるとこなので、
そのうち徐々にベクトルが絞られてゆくかもしれません。

としろう

テストは基本的に、対象に対して意地悪をする事、ですからねえ。
裏の処理が透けるように見える経験者こそいいテスターですかな。
後は逆に先入観のない人が使う時に、っていうのもあるけど。
これは実質、時間の制限の都合から常識の範囲などで範囲を制限して
有限の時間により有りそうな事象に対してというテストの枠をはみ出しての
テストをランダムに行うようなもの。
冒頭の事例は、特に制限を指示されず、待ち時間を好きにやってよい
というに近い高い自由度が与えられたからこそのこと。
そして大概、成功か失敗か直ぐにわかるように想定される中、
成功とも失敗とも判断が付きにくい境界をテストする。
この境界近辺を重点的に見るのはテストの基本ではないの?

女性の直観力が~ってのは酷いと思う。
直観力とは関係無いと思う、だが意地悪に長けているといえるかもしれない。

ヨギ

友ぞうさん、こんにちは。

女性はほんっと、微妙な変化を敏感に察知しますね。
個人差はありますが、女性の天性ではないかと思います。

目の前にデンと置かれたターゲット機(テスト対象機)は機械なので、
基本的にはいつ見ても変わらないはずなのに、
ましてハードはともかく、中で動いているソフトの実体は見えようもないのに、

>何か説明できない違和感を感じるんです。
これです。
言葉や表現はちょっとずつ違いますが、僕が見てきた能力ある女性テストエンジニアは、
皆、これに類したことを言います。(記事に書けばよかった)
極端な場合「なんかヘン、これ。」という言い方をした女性もいました。
私から見たら工場から上がってきたばかりのピカピカの排紙トレイだったりするのですが...

>...もしこういうことしたらどうなるのかどうしても確かめてみたいという気持ちになってしまう。
この気持ちはすごく大事ですね。
どんなに能力あっても、この気持ちがないとテストをしないわけですから。
まあその場合は、評価管理者の導きのウデの発揮しどころとなります。

>今はどちらかというと旦那の体調や子供の体調の違和感を感じ取ることに長けていますが・・・
ということは、根元的なところでは、直観力は衰えていないのでは、と感じます。(^^)/
今はそのベクトルが、ご家族の方に強く向いている、ということではないでしょうか。

お子さんが大きくなられ、体調管理等を自分でできるようになった暁には、
少しの努力で、再びテストへの勘が戻ってくるのでは、と思います。

ヨギ

としろうさん、こんにちは。

>この境界近辺を重点的に見るのはテストの基本ではないの?
>裏の処理が透けるように見える経験者こそいいテスターですかな。

もちろん、テストのセオリーとしてはそうです。

ただ、そういうセオリーや基本、論理手法だけではどうしても抽出しきれない、
漏れてしまうバグが少なからずある。

また、そんなバグに限って、出荷されてから発見されて大騒ぎになることがある。
しかし、その辺りのバグを、鮮やかに見つけ出す方達がいる。

その方達を観察していると、私の経験範囲では、
独りの例外もなく女性だった(全ての女性とは言いませんよ。一部の女性です)。

そういう方が、通算50人を超えた。
その50人の方達一人一人に、詳しくインタビューしてきたけれど、テストの基本や論理的手法では漏れてしまうバグを見つけた根拠を、論理的に説明できた方がいなかった。
であるならば、私の知りうる語彙の中では、それはもう直観力としか言いようがない。

それで記事にしてみたのです。

ただ、抽象的な話だけを書いても仕方ないので、一例を挙げてみたまでのことです。

そして記事には書いていませんが、テスト部隊では、直観力に優れたテストエンジニアを、内部資料としてマークし、
各テストチームに偏らずに配置させることで、
配置する前に比べ、非論理性のバグ検出率がアップするなど、
数値に表れる形で効果を上げています。

ゆえに、男の私からすると、女性の直観力は、
バグ発見やテストエンジニアに向くと、確信しています。
実際、女性から頂いた他のコメントを見ても、私が感じたことは、
仮に当たらずとも遠からずと思っています。

尚、特に制限を指示されず、待ち時間を好きにやってよいというに近い高い自由度が与えられても、バグを発見できない人はできません。

では。

組長

ヨギさん、こんにちは。

このコラムとても興味深いですね。実は恥ずかしながら「テストエンジニア」という言葉を初めて知りました。面白そうですっ!!そして、皆さんのコメントも、ものすごく興味深いというか、本当に面白いので「ほほぅー!!」と感心しながら読んでました。

>尚、特に制限を指示されず、待ち時間を好きにやってよいというに近い高い自由度が与えられても、バグを発見できない人はできません。

私は残念ながらこっちのタイプかも。笑

ヨギ

組長さん、こんにちは。

そうですか。テストエンジニアとうい言葉をご存じなかったですか。
でもたぶん、組長さんだけでなく、知らない方は多くいると思います。

例えば「テスター(早い話、テストを実行する人)」と言っても、
電流を測る、あのテスターと思い浮かべるかたの方がずっと多いと思う。

でもそれは組長さんの不勉強ではなく、まだまだ日本に、
テスト文化と呼べるべきレベルのものが根付いていないからだと思う。
認知度が低い。

例えば、開発系の月刊誌はいくらもありますが、
テスト系の月刊誌とかって極端に少ないですから。
私が知ってるのは「ソフトウェア・テストPRESS」というテスト専門誌ですが、
それでも半年に一度の出版です。

>私は残念ながらこっちのタイプかも。笑
仮にそうだとしても、そういった自覚や振り返りがあるということは、
大丈夫だと思います。
見つけられないのは、時間的手法的自由度の高さから、漫然とテストしてしまったり、逆に、少々テストに慣れて、思考が偏り、しかもその偏りに気付かないでテストをしている方です。

popo

ヨギさん、こんにちは。

このコラムとっても面白かったです。
私はテストエンジニアではなくPG&SE(業務アプリ系)でしたが、
同じようなことがありました。
「なんか、ヘン」とか
「こうしたらどうなる?」とかよく思っていじってみたりしていました。
アプリの更新ボタンを押したとたんに電源(コンセント)抜くなんてのは朝飯前で(汗)
私も経験上女性部下のほうが男性部下よりバグを見つけたり、
違和感を訴えたりすることが多いように感じます。
それも、「なんとなくそう思って~」というあいまいな理由なんですが、
実は検証してみるとクリティカルなことが多かったりとなど。

思うに、男性は組織に従順なことが多く、
女性は組織より自分の感性に従順なことが多いのではないかと思ってみたり。
私の周りにいた女性達は会社をクビになっても
どこでも生きていけると思っている方が多かったような気がします。
そして、そういう方は大概デキル方でした。

ヨギ

popoさん、こんにちは。

お褒めの言葉、ありがとうございます。

>アプリの更新ボタンを押したとたんに電源(コンセント)抜くなんてのは朝飯前で(汗)
怖ああああああああ。
私からすると、(汗)というより、(滝汗)かな。

>私も経験上女性部下のほうが男性部下よりバグを見つけたり、
>違和感を訴えたりすることが多いように感じます。
そう思われますか。
やっぱ、私の錯覚じゃないよなあ........

特にその「違和感」というのは、男性に(私にも)はないんですよ。
少なくとも私の経験範囲では無い。
悔しいけど、無い。

それで、見つけたバグがそれほどのモノでないなら、記事にはしないのですが、
popoさんが書かれたように、クリティカルなものが多いんです。
だから侮れない。軽視できないんです。

>男性は組織に従順なことが多く、
男性は家庭を持ったりすると、なんだかんだで家族を守らないと、という気持ちが働くので、
ヤでも組織に従順になるのでしょね(なんかヒトゴトっぽいですが(笑))。

>女性は組織より自分の感性に従順なことが多い
その傾向は強いと思います。
少なくとも私が、この人はデキると感じた方は、怖いくらいに感性に従順でした。

だから、現場を知らない部長職あたりの人がたまに来て、
女性蔑視のような扱いをすると、ぷいっと辞めてしまったりして、
慌てたことが何度もあります(すごい人的損失ですから)。

第3バイオリン

ヨギさん

お久しぶりです。第3バイオリンです。

本日からコラムニストとしてデビューしました。
初めてのコラムで、いきなりリンクを張らせていただいたのでご挨拶に伺いました。
今後ともよろしくお願いします。

久々に来ましたが、いろいろな方が議論されていますね。
確かに、テストエンジニアって認知度も地位もまだまだ低いと思います。
コラムにも書きましたが、私自身評価に配属されるまでテストエンジニアという職業すら知りませんでした。しかも、評価を開発よりも格下だと思っていました。
(今は自分がそういう風に思われているんでしょうかね?)

しかし、裏を返せばこれから伸びる可能性がたくさんあるということで、
エンジニアとしては結構穴場なポジションではないかと思っています。

ヨギ

第3バイオリンさん、お久しぶりです。
数日前にコメント頂いたつもりでいましたが、1週間くらい経ってるのですね。

それはともかく、コラムニストデビューおめでとうございます!
さっき、コラムをサッと読んだら私の名前が出ていて驚きました。(^^)/
(もちろん全然OKです)

仰る通り、テストエンジニアは認知度も地位も低いです。
例えば派遣とかで働いたら、ITの中ではかなり単価が低いと思います。

会社によっては、ハッキリ言うと、蔑視的感情を持っているところもあります。
(今の私の顧客もそうじゃないかな。ははは)
実際私も、第3バイオリンさんのように、評価は開発より格下と思っていたので、
一概に責められないというか、「気持ちは分かる」という心境です。

>..裏を返せばこれから伸びる可能性がたくさんあるということで、
>エンジニアとしては結構穴場なポジションではないかと思っています。
僕もそう思い、開発からテストの世界へシフトしてきました。

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