採用面接は、かしこまらず、思い切りアピールを!
こんにちは。ヨギです。
■採用面接に立ち会う
僕は開発畑の人間ですが、採用面接に立ち会うことが時々あります。
人事畑一本で来た方は、履歴書と職務経歴書を縦横に見ることはできても、応募者と向かい合った場合、有機的な質疑応答ができなかったり、微妙なところを見極められないことが、時にある。
現場を知らないのだからそれも仕方ないが、そういう時、現場を踏んできたわたしのような中堅どころが同席を求められる。その際に、採用につながった方の共通点を徒然に記してみたい。
わたしの近辺で、今までの職を離れ、新たな職場を求めて苦労されている方が増えている。
景気が良く、若ければ、それも人生経験の1つと受け止められるかもしれないが、40代、50代ともなると、一家の大黒柱となっていることも多いから、冗談にならない。
現在そういった状況の中におられる方に、何か1つでも参考になることがあれば嬉しく思います。
※本記事は弊社の中途採用のケースであり、開発者の視点のものであることを、ご了承ください。
■常識をいったん取り払う
まず感じるのは、従来の「面接時の常識」はいったん取っ払った方がいい、ということ。
もちろん、挨拶、歯切れ良い返答、目を見て話す、などの礼節まで取っ払ってはNGです。
それは面接の常識ではなく、社会生活の常識だから。
この大不況下、企業は殊に「即戦力」をほしがります。
あるいは、明確な目的を持った人間をほしがります。 ←コレ、ポイントです
いい換えると、何でもやります、頑張ります、というのはダメということ。これを知らない方が、意外と多い。
それどころか、これをいって拝み倒せばどうにかなると思いこんでいる方が多い。悲しいことに、中高年になるほど、その傾向が強いように見えるのだ。
採用側からすると、新卒なら社会経験が乏しいわけだから、その意欲・情熱を買いましょうということもあるけれど、30歳以降の方がそれをいうと、今まで働いてきて何かビジョンはないんですか、という印象を持ってしまう。
確か去年12月、麻生首相がハローワークを訪れて、求職相談に来ていた人に、
「なんかありませんかじゃ、なかなか仕事は見つからないよ。目的意識がないと雇う方もその気にならない。何をやりたいかを決めないと就職は難しい」
と説教して、多くの求職者から反感を買ったそうです。悔しいけど、それは事実だと思います。
オレはコレをやりたい。あるいは目標としている。
それはおたくの会社が求めていることとマッチしていて、それを実現できると思ったから応募した。
そんなオレを雇ったら、おたくの会社にこんな風に役に立つはず。
オレを雇わないのはソンだよ、グズグズしてたらどっかいっちゃうよ、くらいの勢いがあっても全っ然いい。
※もちろんこれは「勢い」の話であって、実際にそんな漠連(ばくれん)な話し方したらNGですが。
こっちは「ハッタリ言いやがって」とも思うが、そういわれれば、食指が動く。
そして、それくらいの勢いを持つ方が採用されているという事実があります。
そして今の時代、よほどお堅い所はいざ知らず、通常の企業であれば、面接時は「何でもアリ」のようです。
逆に、従来の、職務経歴書を見せてひたすら説明するというのは、平凡すぎる。
こちらがヘッドハンティングしているなら別だけど、どこの誰だかわからない、20年、30年に渡る他人の職務経歴書なんて、10分も聞いたら飽きてしまう。
職務経歴書が公文書かどうか知らないけれど、仮に公文書だとしても追跡調査なんてやらない(実質できない)から、事実上、なんとでも書けてしまうことを、応募者も採用者も、お互い知っている。
だから、まったくのウソはNGだが、誤解を恐れずに言えば、少々の目くらましをかけても、職務経歴書に書いてあることが「価値あること」だと、少しでも採用側に思わせられるかがキーになると思う。
■モノは言いよう
面接に立ち会っていると、「モノは言いよう」だと、つくづく感じます。
※このセクションは、開発者の視点というより、ほとんど個人的見解です。
というのも、特に年配の方は、会社でやってきたことを、良くも悪くもそのままいってしまうのだ。
例えばリストラにあって、最後は会社の資料室に回されて依願退職、という方の場合、それをそのままいっては、どうしたって印象が悪い。
そんな後ろ向きな表現をするくらいなら、「会社資料データベースの管理」と僕なら言う。
データベースは、狭義にはコンピュータで構築されたものを指すが、広義・原義としては、電子的である必要はない。資料が探しやすく配置された書棚群と、それを管理するノートが1冊あったら、それで立派なデータベースだ。
決して嘘ではナイ。
そこでさらに突っ込んで聞かれることもあるだろうけど、その時はその時。
それに備えて、「ああ、それは広義のデータベースの話です」と、悪びれず、堂々といえる腹づもりをあらかじめ持っていれば、それでよいのではないか、別の展開も出てきうるのではないかと、僕は思う。
■実例
さて、先日、採用に結びつき、印象に残った53歳の方の面接の話を1つ紹介します。
実際には30年近い職歴があるわけですが、こちらの要望にマッチする職務経歴の話を7~8分した後、おもむろに2台のノートPCをカバンから出して、自作のプログラムとPowerPointを併用して、プレゼンを始めました。
1台はプログラム動作用、もう1台はプレゼン用。
ずうずうしい気もしたが、そういうアクションを取られると、こちらも思わず身を乗り出す。
※プログラム内容も紹介したいのですが、個人が特定される恐れがあるので、あえて伏せます。
応募者は自分の実力を存分に示し、採用側も、応募者の実力を目前にしながら、聞きたいことを存分に確かめられる。
職務経歴書は一部しか見てないけど、これだけのプログラムを自作し、わかりやすくプレゼンできるのなら、職務経歴書に書いてあることは大方信じていいだろうと、こちらは思う。
ここで双方の利害・思惑の大きな不一致がなければ、流れは「採用」に向けて動き出します。
ここまでくると、応募者側はほとんど勝ったようなもので、待遇(給与)交渉でこじれなければ、採用が決定する。
不況だからと、かしこまって四角四面な面接をするよりも、むしろ、信念や目標等を思い切りアピールした方が、採用に結びついていると、僕は感じています。
コメント
インドリ
>いい換えると、何でもやります、頑張ります、というのはダメということ。これを知らない方が、意外と多い。
思い当たる節があります。私もこれで損した事が何でもあります。
といっても私はフリーなので、自分の足で会社へ行って本当に何でも作ってきたので、「何でもやります」となってしまいます。
それで現在は自分でも職業が分からないので、システム構築屋と名乗っています。
※一見アーキテクトのようだけど、全工程を自分ひとりでしてしまうのはアーキテクトじゃないそうです。
私の様に生きるために、本当に何でもやってきた人はどのようにいえばいいと思いますか?
ちょっと主題から外れているかもしれませんが、好奇心が疼いて聞いてみたくなりました。
ヨギ
インドリさん、こんにちは。
> ...自分の足で会社へ行って本当に何でも作ってきたので、「何でもやります」となってしまいます。
それはもう、次元が違うと思います。
ご自分の足で営業もされてるということでしょうから、
一人で営業取って来るって、面接で採用されるよりよほど難しいと思います。
仮に、営業はエージェントに任されているとしても、そこまで(のレベル)でしたら、
「何でもできるし、頑張れます。アーキテクトが専門さ。」だと、
ゴロもよくていいのではないでしょうか。マジで。
余談ですが、(これはインドリさんを指すのでないことは言うまでもないですが)、
私は今までアーキテクトを名乗る人間に10人は会ってきましたが、
ロクなのに会ったことありません。
現場を無視した(ヘタすると現場を知らない)、理論理屈を振り回して、
「アーキテクト検証」なる、ごく単純なテストだけ成功させて、
大きな顔して去っていってしまいます。
そして設計が始まってから、大変なことになります。
引退するまでに、一度、なるほどおおおお!さすが!、
というアーキテクトに会ってみたいと思っています。
インドリ
ヨギさん返信有難うございます。
>「何でもできるし、頑張れます。アーキテクトが専門さ。」
これいいと思います。今度営業した時タイミングよく使ってみます。
>アーキテクトについて
一度生アーキテクトを見てみたいとか、サイン貰いたいとか、技術的な話題で盛り上がりたいと思っていたのに・・・SEと同じく偽者?いるんですね。
きっと真のアーキテクトは凄い技術者だと思いますので、私も是非会ってみたいです。
そして、サインとメルアドを貰います!
ヨギ
インドリさん。
あまり適切なたとえじゃないかもしれませんが、
どんな野球監督も、どんな水泳コーチも、一度は選手時代を送っているように、
どんなアーキテクトも、現場を送った上でなるべきだし、自称すべきと思います。
そうでないと、溺れかかって水をたくさん呑んでもがいている者に、
「オイオイ、もっと身体の力を抜かないと水に浮かないよ」
みたいなことを、平気で言うアーキテクト。。。そういうのしか見たこと無いですが。。。になってしまうと思います。
私も、納得できるアーキテクトと会えたら、Tシャツにサインもらたいです。
ははは。
ukeyama
こんにちは。
会社の資料室での仕事を、
会社資料データベースの管理と言い切ってしまうところに笑ってしまいました。
脱帽です。
私は、派遣で、ある客先で集団面接を受けたことがあり、
その中で何人かを採用するわけですが、
確かに、無礼ギリギリくらいの方が、採用されてました。
ゲーム関係の仕事だったんですが、おたくの会社のゲームは全部持ってて、
やり尽くして、裏ワザも知り尽くしてて(笑)、
もう、やる気まんまんで、採用者がタジタジしてました。
採用者がその人を試すために、自社のゲームのことについて、
ちょっと意地悪な質問をしたのですが、
それにもバンバン答えてて、
逆に、ああした方がいい、こうした方がいい、なんてことまで言ってましたから。
たぶん、ヨギさんがいいたいことって、そういうことも含むのですよね。
ヨギ
ukeyamaさん。
ははは。笑ってしまいましたか。
記事が長くなるので省きましたが、実際には、
そう答えるからには、MySQLあたりを少しは勉強して、
ある程度は電子ベースデータベース管理を知ってから、
面接に臨むのが望ましいでしょうけどね。
ええ、ukeyamaさんが書かれたことを含むというか、
まさに、そのものと言っていいと思います。
ukeyamaさんは、どちらのタイプでしょう。