エンジニアなのに○○○。あなたはどうです? 一緒に考えましょ!

プラスアルファで獲得したい16のスキル(1)~(4)

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 「なんでこいつが、評価されるんだ!」

 って感じたことありませんか?

 明らかに周りと比べると技術力もなく、周りへの気遣いもなく、しかもワガママ。なのに、会社やお客様から頼りにされている人。よーく分析してみると、その人には他より抜きんでているスキルがありました。

■プラスアルファで獲得したい16のスキル(1)「業務知識力」

Gyoumu

 

 IT業界に年功序列があるとしたら、この「業務知識力」の蓄積という観点でのみ存在します。

 「お客様の業務に関していかに精通しているか」

 数年前まではお客様のしかも団塊の世代でこのスキルを持った方が多くいました。

 しかし、現在は、システム提供者に求められる能力です。

 お客様で団塊の世代からの引き継ぎでうまくいっていないパターンが意外に多いようで、気が付いたら、その団塊の方は退職してしまっている、そのためです。

 ですが、システムの改修やサーバのリプレースは待ってくれません。どうすることもできずに困った発注側がシステム提供者側に求める大きな要素の1つが、「業務知識力」となります。

 提案時に、コスト、実績、技術力に並んで、いや、これら以上に現在重視されているのがお客様の「業務知識力」となっていまうんです。

 業界が同じでも業務内容(業務フロー)はまったく違うことが多いので、この「業務知識力」は短期的に身につけることがとても難しいるスキルです。

 ここをしっかり考慮しておかないと、リリース時に「こんなはずではなかった……」と両社で大トラブルになってしまいます。

 さらにいうと、その収拾も「業務知識力」があるかないかで大きな違いが出ます。

 業務知識は学ぶのにはとても難しいですが、絶対に裏切らない知識ですので、そこを押さえるのをくれぐれも忘れないようにしましょう。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 「何がいいたいのか、サッパリ分からん……」

 ってことありますよね?

 お客様でも社内のメンバーでも、そして一番多いのが社内の上司。いいたいことがまったく分からない場面は外国語よりも日本語において多くあります。でも、その場をうまく仕切ることができる人、その人には抜きんでているスキルがありました。

■プラスアルファで獲得したい16のスキル(2)「翻訳力」

Honyaku 

 

 英語の文章を和訳したければ、無料の翻訳サイトでコピペすれば大体の内容は分かります。また、日本語を英訳したければ、これまた無料の翻訳サイトで大体できます。

 例えば、こういったサイトがあります。 ⇒ エキサイト 翻訳

 これを使えば、英訳和訳、いずれ場合も、ちょっとした修正は必要ですが、一から辞書や参考書を開いてっていう学校のようなことを不要です。

 同じように、相手の話していることがわかりにくい場合も、翻訳サイトを使ったのと同じ感覚で、大体の意味は分かると思います。

 ですので、相手が文章の組み立てがきちんとできていない時や、よく分かっていない単語や誤解している用語を使っている会話で、

「は?」

と思うことがあっても、これは翻訳サイトの誤訳だと思えばいいのです。

 実際、このスキルに長ける人は、あまり細かい所を気にせずに、

 「いい考え方ですね。つまり、こういうことをいいたいんですよね?」

 とか、

 「へー、目の付け所がさすがです。それであれば、こういうこともありですよね?」

 といったように、大体の相手の言いたいことをつかんだうえで、さらに自分の落としどころにうまく持っていきます。

 ちょっとしたテクニックですが、相手が呼吸を吸う絶妙なタイミングで口を挟みます。ですが、中には本当に訳の分からないことをいう人もいます。そういう人は相手にしない方がいいようです。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 「なんで困っているのに誰も助けてくれないんだ!」

 ってことありませんか?

 IT業界では、上司がプレイングマネージャであり、固定のお客様を持っていて、部下のマネージメントがおろそかになっているケース、よくあります。

 本来は、マネージャ手当を会社から支給されて、部下のマネジメントはmust条件です。でも、このあたりでもめると、上司は、

「困ってるんだったら、お前、なんでいわないんだ!」

といい、部下は、

「困っているのを気付くのもあんたの仕事だろうが!」

と激しくぶつかります。

 まぁ、お互い社会人なので、現実はもっと丁寧な言い回しですけどね。

 この議論、実は両方とも間違っていないので、最終的には感情的なぶつかり合いになり、ほとんどの場合は部下が折れます(そのあとすぐに、部下は仕事を割り切るようになるか、異動するか、もしくは転職します)。お互いこのようにならないためのスキルが、今回のスキルです。

■プラスアルファで獲得したい16のスキル(3)「余裕力」

Yoyuu

 

 まず、上司。

 上司に必要なのは、「スケジュール的な余裕」を持つこと、特に会議の参加についてです。

 立場が上になると参加しなければいけない会議も多くなります。毎日ではないにしても、1週間に数日は、休みなくビッシリとスケジュールを入ってはいないでしょうか?

 席に戻ってきても、次の打ち合わせの資料を取ったら、すぐに次の会議に行ってしまいます。

 その状況で、部下に声をかけない方が悪いというのはあまりにも理不尽ではないでしょうか? また、いつの間にか会議に出ることが目的になっています。会議と会議の間にせめて30分ぐらいは次の会議の準備と休憩する余裕を持ちましょう。

 次に、部下。

 部下に必要なのも、「スケジュール的な余裕」を持つこと、特に進捗についてです。

 いつもギリギリのスケジュールで仕事を進めていると、トラブルが発生した時には自分ではどうしようもないことが多くなります。

 自分の裁量ではスケジュールを引けないかもしれませんが、それをカスタマイズさせることは可能だと思います。

 基本設計作成が5日と引かれていたら、4日で完成させてみる努力をします。

 どうしても5日かかるのであれば、上司と交渉して、5日と半日の余裕を持つか、もしくはスタートを前の仕事と並行させて少しでも早めるようにします。

 ちなみに、上司も部下も余裕があるチームは、コミュニケーションが多くなります。周りからみると、雑談に聞こえたりするかもしれませんが、その余裕こそが円滑な仕事と人間関係ができている証拠だったりします。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 「もうちょっと考えて話せよ」

 って言われたことありませんか?

 学校と違って、会社では解答がありません。

 正確にいうと答えは複数あり、それが正解かどうかはすぐに分かりません。正解だと思っていた答えが時間の経過と共に不正解だということも多くあります。そういう状況で、成長するかどうかの分かれ道のスキルがあります。

■プラスアルファで獲得したい16のスキル(4)「地頭力」

Diatama 

 

 「地頭力」というのは「じあたまりょく」と読みます。

 これに関しては、

@IT自分戦略研究所ブックシェルフ(4)『地頭力を鍛える』と頭が良くなる

で詳しく説明があるので、そちらをご一読いただいてから、またこちらに戻ってきてください。

・・・

・・

 はい、という訳で、地頭力に関しては理解できたと思います。

 例えば、「日本には電柱が何本あるか?」と聞かれたとき、インターネットで調べるのも1つの方法ですが、そうではなく、自分の頭で考えます。その考え方で、

 結論から、全体から、単純に考える

 っていうのが地頭力ということだそうです。

 この種の思考力を鍛える訓練をしておけば、ビジネスで突発的な出来事に遭遇しても大丈夫になりますので、変化が激しい今こそ、身につけておきましょう。

 最後に、いくつか「地頭力」の本を紹介しておきます。 

『いま、すぐはじめる地頭力』

『勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践』

『ビル・ゲイツの面接試験―富士山をどう動かしますか?』

 自分に合いそうな本を1冊は読むことをお薦めします。

Comment(2)

コメント

しっぱ

こんにちは。しっぱと申します。

>業務知識力

これ、大切ですよね。
SIerから離れて数年経ちますが、離職する辺りからキャリアローテーションが流行りだしてこの部分が欠けつつあるなと感じたものでした。

やはりクライアントとやり取りする回数が少なく相互理解が早い方が仕事は効率的ですからね。
ただ、それを打ち破る新しいアイデアも時には必要で。。。。

まあ、コラムでも書かれていた通り答えのない世界ですから一概にどちらってわけにはいきませんね。

>余裕力
これが一番難しいかもしれませんね・・・・。自分の仕事だけに没頭できる環境なんて存在しないと思いますし。
そのための余裕をもつと、スケジュールすら組めなくなることが^^;
(今、私はこの状態ですw営業部門からの質問が多すぎて^^;)

ここに関しては個人の力というよりもグループ全体で取り組まないとうまくいかないのかもしれませんね。

使い勝手の良いナレッジベースや教育体制の確立、必要書類のテンプレート化など言い出したらきりがないですが・・・・
(こっちだけで 余裕そのものがなくなりそうですね^^;)

>翻訳力
これも大事ですね。
周りを見て様子のおかしい人がいたら即、話を自然な形で途切れさせていただき「翻訳」すると、全体の理解度が上がるだけでなく、そこで仕切りなおされて新たなアイデアも出やすくなるように感じますね。

>地頭力
これ、個人的には今回のコラムの中では一番大事なんではないかと思います。
このスキルがあるとどこに行っても非常にうまく立ち回れます。
私自身火消屋として10か所以上(期間で最短1日というのもありましたがw)、クライアント様に行った経験から

「結論から、全体から、単純に考える」

これって大事で、物事を整理するのに(途中参画の場合ですが)

・クライアントの最終目的は何なのか
・どこまで本気なのか(結構ふっかけてる方が多いのでw)
 ⇒具体化されている部分と理想の部分の切り分けですね
・双方のモチベーションや感じている温度差

大体この三つで考えるようにしています。
それ以外のことは自席に戻ってからでも大抵事足りるように思います。

で、最後に「まとめ資料」これを必ず作ることですね。
資料も大体上の3つに対して自分なりの「現状分析」と「今後の想定」、「改善可能な部分の提案」の形でまとめています。

余裕力にもつながりますが、報告書等は自分の中でのテンプレートがあると楽ですよね。
形がある程度決まっていると形を決める力を内容に避けますので!

って・・・なんか偉そうですみませんでした。

逆転仕事術

しっぱさん、いやぁー深い、ふかいですよ!!
偉そうなんて、とんでもないです。
しかも、4つの内容に関してフォローいただき本当にありがとうございます。
地頭力は細谷功さんのお話を聞いたことがあるのですが、毎日意識すればどんなシチュエーションでも磨くことができます。その反面、磨かないとスキルが落ちていくという筋肉のような感じですよね。
私もこれがこの4つの中では一番重要だろうなぁって思っています。

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