子育てエンジニアは苦労も多いけど、時に楽しい。

ちょっと横道にそれてみる

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 ずっとコラムを書くのを休んでいたので、久しぶりです。

 実はここ最近、コラムを書くことの意味が見出せなくなっていて、ちょっと書くのをやめてました。

 長い夏休みというところでしょうか。

 その間、他のコラムニストの方々のところにちょこちょこお邪魔しながらふらふらと過ごしていたのですが、一度原点に返ってみようかと思い立ちました。

 ということで、今回は「横道にそれて原点に返る」てところでしょうか。

■このコラムを始めようと思ったのは……

 原点といえば、コラムニストに応募しようと思ったきっかけ。

 きっかけは2つありました。

 1つは、自分のやってきたことを書くことによって、自分自身を見直したかったからです。もう1つは、今後同じような経験をするであろう人に経験談を残したかったからです。

 育児休業制度が機能していないこの会社で(誰も使ったことないので)かなり四苦八苦しているのだから、せめてやってきたことを記録として残しておきたいよ。もったいないじゃん。
てのが本音のところですが。

■自分自身を見直したい

 以前にも書いているのですが、実はわたし、若干病んでいます。

 今は回復しつつあるのですが、このコラムを始めたころはけっこう病んでました。仕事も家事も子育ても何か思うようにいかず、ただひたすらに毎日をなんとかこなす日々。

 そんなころエンジニアライフで色んな人のコラムを見て、こんな経験をしたとか、こういう考えを持ってるとか、自由に(?)書いているのをなんだかうらやましく思いました。そして、自分だって復帰して約1年本当にただ日々のワークをこなしていただけなのだろうか、と考えるようになったのです。

 だったら、やってきたことを具体的に書いてみて自分の現状を改めて見つめなおしてみよう! せっかくなら、このエンジニアライフで経験談の1つとして書けば客観的事実として見直すことができるのではないか。

 こうして、コラムニストに申し込みました。

 現在、この目的については密かに達成されていて、ちょっと回復傾向なんですよ。ときには厳しいコメントもあったりしますが、それはそれでじっくり考えるきっかけをもらえるのでありがたいことです。

■経験談を残したい

 これは、自分の経験談が誰かのためになるんだ! というような崇高な(?)思いではないんです(だから、こうしたらいいですよというようなノウハウも何もありません……)。

 育児休業中、やっぱり会社に復帰するのが不安でした。

 初めての経験は誰しも不安になります。まして、社内で誰も経験していないことならなおさらです。

 だったら事前にさまざまな事態を想定して準備をしておきたいと思うのですが、とにかく情報収集は楽ではありませんでした。

 社会的な制度についてはもちろん、実際にどのような生活が待っているのか想像できるようなものが見つからなかったのです。

 インターネットとか育児雑誌とか見れば経験談とか載ってるじゃん、と思いました? もちろん載ってますよ、経験談とか。でも、雑誌に載るようなのはなんとかこうやって両立できてます、って内容です。

 ある意味、成功例は載ってます。それは、色んな条件がたまたま(もしくはものすごく努力して)揃っているのです。だって、うまくいかなかった人はワーキングママをあきらめて、普通にママになっているから、こういう体験談には登場しません。

 本当はそこに、本来解決すべき問題が潜んでいると思うのですが……。

 どの情報をみても、自分に重ね合わせても、まったく実感がわかないんです。

 もちろん、同じような条件下で参考になる人もいるとは思います。そういう経験談自体の数も決して多くないのでなかなかフィットしなかったりします。

 そこで、自分もせめてやってきたことを残しておけないかと考えました。成功も失敗も含めて、次に育児休暇をとる人のために、少しでもヒントにならないかと。

 もしくは、周りに育児休暇をとろうとしている人がいたときに、何か感じてくれるきっかけにならないだろうかと。

 仕事と育児の両立はきれいごとだけではやれません。人に甘えることもあれば、ある意味手を抜く部分もあります。そして、他人に感謝することもあれば、自画自賛することもあります。

 すべてがうまくいくわけではありません。でも、全てうまくいかないわけでもありません。あきらめなければならない部分もありますし、新しくやれることもあります(多分……)。

 そういう泥臭い部分も含めた経験談として書くほうが実感しやすいのではないかと。それは思惑通りいってるかどうかはわかりませんが……。

■結局、コラムを続けていけるのか

 こうして、自分自身のために、そして、次に続く誰かのために、あとは、社会制度がもっと現場に目を向けてくれないかなという期待をこめて小さな一歩としてコラムニストに手を挙げました。

 そして、今、本当に今まで書いたことに意味があったのか、これから書くことに意味があるのか、ということについて考えているところですが、実はあまり結論はでていません(結論出てから書けって?)。

 でも、ちょっとペースを落として細々と書いていこうかと思っている次第です。

Comment(8)

コメント

インドリ

友ぞうさんこんばんわ。

>、本当に今まで書いたことに意味があったのか、これから書くことに意味があるのか、ということについて考えているところですが、実はあまり結論はでていません(結論出てから書けって?)。

少なくとも私は友ぞうさんが書いたことに意味があると考えています。
社会制度のバグ報告をする事は良い事です。
それを怠っていたから日本には色々な悪習などが存在するのだと私は考えております。
これからも頑張って下さい。
応援しています。

第3バイオリン

友ぞうさん

こんばんは、お久しぶりです。

>どの情報をみても、自分に重ね合わせても、まったく実感がわかないんです。
それ私も同じです。
女性エンジニアとしてだけではなく、20代後半のワーキングウーマンとしても
雑誌に載っているようなワークスタイル、ライフスタイルってスマートすぎて
「ホントかよ?」と疑うことばかりです。

>そういう泥臭い部分も含めた経験談として書くほうが実感しやすいのではないかと。
私もそのつもりで書いています。
失敗したこと、みじめな思いをしたことも正直に書いているので
「こんなところにコラムなんて書いてるけど、間抜けな失敗しちゃって」
と思っている読者もいらっしゃるかもしれません。

でも、それでいいんです。
そう思う人がいるかもしれないけれど、失敗して落ち込んでいる人が、「失敗したりみじめになったしてるのは自分だけじゃないんだ」と前向きにとらえてくれたらそれで十分だと思っています。

私は将来、子供が生まれても働きたいと思っていますが(その前に結婚か)
友ぞうさんのコラムを読んで、オシャレ系雑誌の上っ面だけの文句からはわからない、ワーキングマザーのリアルな現状について考えさせられました。

同時に、小さい子供を持つエンジニアに対して今の私ができることって何だろうと考えるきっかけにもなりました。
(できることといっても、子供さんが熱出したときに「後は私に任せてお子さんのところへ!」と親指上げて送り出すくらいですが)

ゆっくりのペースで構わないので、コラムはこれからも続けてほしいなと思っています。

にゃん太郎

友ぞうさん、おはようございます。

 私には子供がいませんが、友ぞうさんのコラムを読んで大変だなぁと思っていま
す。子育てが大変と言うよりは子育てをするための環境がなかなか整わなくて大変
なんだろうと思います。

 世の中には@ITさんの記事になるようなスーパーエンジニアの方もいらっしゃい
ますが、大多数は私も含めてそうではないと思います。でも、今のIT業界を支えて
いるのは間違いなく平凡な1人1人のエンジニアだと思っています。そういう人たち
にもっと頑張って欲しいと思い、コラムを書いています。

 うちの奥さんは結構神経質なので、細かい事も気にしながら家事や仕事をしてい
るようです。私は家事に関しては出来る人がやれば良いと言う考えなので、奥さん
よりも先に帰ればご飯の準備(準備だけですが・・・)や洗濯やお風呂の準備などして
います。家庭にしろ仕事にしろ、うまく負荷分散が出来ないとそこがストレスにな
ると思います。特に子供は何があってもお構いなしなのでやはり周りは気にかける
べきと思います。

 少子高齢化、医療費、年金、非正規雇用など、それぞれが少しずつ絡み合いなが
ら問題化しています。どれもうまく回すには本来、すべてについて見直す必要があ
るのですが、利権や思惑もありなかなか進まないのが現状です。会社も確かに大変
な時期ですが、そういう時こそ率先して子育てしながら働ける環境を整えるべきな
んでしょうね。

 個人的には、子供は健やかに育ってくれるのがいいな、と思うだけですが。

 コラムの方は無理せず続けて下さい。男性の私からすると気づかされる事が多々
あって楽しみだったりします。

大局

友ぞうさんこんばんは

私は20年以上仕事を続けている均等法一期生世代の
おばさんです。
会社ではPLの立場で仕事をしています。
私は実家が近所だったので綱渡りのような育児と仕事の両立が
可能でしたが本当に大変ですよね。

女性雑誌の働く素敵なワーキングマザーは同じ人が何度も
登場していますね
やりがいのある仕事と素敵なファッションに可愛い子ども
おまけに稼ぎの良い旦那
珍しいから雑誌の記事になるのでしょうけど
全く何の参考にもなりません

私も会社初の育児休業制度利用者でしたので
友ぞうさんが後に続く人の為にと頑張る気持ちは解ります。
数十年前の自分を見ているようです。
おせっかいな忠告ですが少し肩の力を抜いて
頑張り過ぎないで、お母さんが倒れちゃったら大変ですから
今は大変だけど、子供は成長します。(私の娘は大学生です)
いずれ楽になる時が来ます。

コラムは無理せず、友ぞうさんのペースで続けてください。
現在の子育て事情を知ることができるので楽しみにしています。

友ぞう

インドリさん、こんにちは。

意味があると言ってもらえて、ありがたいです。

エンジニアライフというだけあって、ここのコラムの話題は
技術的なことが当然多いですよね。
その中でちょっと系統の違う話題だったりするので
結構、悩むところが多いんです。
個人的な内容になりがちですし・・・

でも、応援していただける続けていこうという気になれました。

友ぞう

第3バイオリンさん、こんにちは。

>女性エンジニアとしてだけではなく、20代後半のワーキングウーマンとしても
>雑誌に載っているようなワークスタイル、ライフスタイルってスマートすぎて
>「ホントかよ?」と疑うことばかりです。
わかります~。
ワーキングウーマンてかっこいい響きで、バリバリ仕事して何でもスマートにこなして・・・
というイメージを抱くんですけど、実際自分がやってると、そーんなでもないじゃんと思ってしまいます。
ほんとにこんな人いるんだー、とうらやましく思う反面、私とは別の次元の話な気がします。

>そう思う人がいるかもしれないけれど、失敗して落ち込んでいる人が、「失敗したりみじめになったしてるのは自分だけじゃないんだ」と前向きにとらえてくれたらそれで十分だと思っています。
そうですよね。確かにそう思います。
自分が失敗したときとか自分だけじゃないって思うとちょっと楽になれますもん。

>オシャレ系雑誌の上っ面だけの文句からはわからない、ワーキングマザーのリアルな現状について考えさせられました。
リアルすぎて、嫌にならないでくださいね(汗)
辛いことばっかじゃないですし(たぶん・・・)

友ぞう

にゃん太郎さん、こんにちは。

>世の中には@ITさんの記事になるようなスーパーエンジニアの方もいらっしゃい
>ますが、大多数は私も含めてそうではないと思います。でも、今のIT業界を支えて
>いるのは間違いなく平凡な1人1人のエンジニアだと思っています。そういう人たち
>にもっと頑張って欲しいと思い、コラムを書いています。
そうですね。私もごく平凡なエンジニアとして働いているから、
記事として紹介されている内容も役に立ちますが、やっぱりこのコラムの内容が
ある意味リアルなんですよね。
そうそうと共感したり、え~それは違うんじゃないと反感を持ったり、
でも自分のいる環境だけではわからないような話をたくさん知ることができます。

わたしもその1つを担えるといいなと思います。

友ぞう

大局さん、こんにちは。

ワーキングマザーの大先輩ですね。
今は昔より仕事と子育ての両立がしやすくなっていると聞きますから
私なんかよりずっと大変だったんじゃないですか?

>私も会社初の育児休業制度利用者でしたので
>友ぞうさんが後に続く人の為にと頑張る気持ちは解ります。
>数十年前の自分を見ているようです。
なんだか、うれしいです。
うれしいってのも変ですけど、同じような経験の方に初めてであったので。
初めてって加減がわからないし、聞ける先輩がいなくて手探りで。
当たり前だけど、同じ経験の人がいるっていうことを
うれしく感じてしまいました。

>おせっかいな忠告ですが少し肩の力を抜いて
>頑張り過ぎないで、お母さんが倒れちゃったら大変ですから
いえいえ、おせっかいだなんて。
この言葉は身にしみます。
というか、最近になってこういう言葉が実感としてわかるようになってきました。
頑張り過ぎは体によくないんだなと。

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