20時間フルタイム労働
■いよいよ社会復帰
育児休業を終えての社会復帰……。
もし、あたなの周りに子育てエンジニア(いや、エンジニアに限りませんが)がいたら、少しだけ温かい気持ちで見守ってほしいと思います。
彼ら、彼女らには独身のころには分からなかった精神的プレッシャーが想像以上に重くのしかかっているのです。まさに、やってみて初めて分かることがあるのだとつくづく思いました。
独身のころ、子供の病気で休んだり早く帰っていったりする男性社員に対して、正直なところ「休めていいな」とか「早く帰れていいな」という感情を抱いたことがあります。ひどいときは、「本当に子供が病気なのかしら?」ぐらいに思ったりして。
今になって、ものすごく反省しています。ごめんなさい……。
「サボってるんじゃないか」「楽をしてるんじゃないか」と思われているんじゃないかと、一番神経をすり減らしているのは、実はその社員自身だということが今はよく分かります。
それは、実際そんな風に思われてはいないかもしれないけれど、本人にとってはものすごくプレッシャーなのです。
仕事に復帰してすぐは、子供も環境に慣れていないため、とにかく病気をしました。
1カ月のうち半分以上は子供の病気で休むことが数カ月続くと、休んでばかりで本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになり、会社で泣いたこともありました。
復帰したけど、休職しようかとか悩んだり……。
本当に復帰した数カ月は、茨の道どころか、針のムシロ。
前例がないだけに、周りの人の感じ方も想像できないし、相談する先輩もいない中、ひとりでプレッシャーと戦っていたのです。
■定時に帰るのもプレッシャー
定時に帰る。何の問題もないことです。定時に帰っても後ろめたく思う必要なんてないはずです。でも、やっぱりプレッシャー。
みんなはまだまだ働いているのに、わたしは保育園のお迎え時間があるため、定時と共に会社を出なければなりません。最寄り駅の電車を1本乗り遅れると、お迎え時間に間に合わないギリギリの時間なのです。
定時になった瞬間、席を立たなければ間に合わない。でもキッチリ定時に会社を出るなんて、なんだか分からないけど、いけないことのような気になってしまう。
自分で「これは仕方ないんだ~」と言い聞かせて重い腰を上げ、後ろめたさを感じながら帰っていく。
なんで、こんなに後ろめたく感じるのでしょうね。周りを気にしすぎる自分がいるのですが、とにかく神経をすり減らしていたのです。
幸い、直属の上司が「もう帰る時間だぞ。帰る用意しないと」と5分前くらいから促してもらえたので、なんとか帰ることができていました。
こういう言葉はとてもありがたいです。少し楽になれます。
■定時に帰れて、わたしは楽をしている?
会社にいる時間は8時間弱。早く帰っている子育てエンジニアは楽だと思いますか?
わたしは復帰して最初は、時間短縮勤務をしていませんでした。制度はあったのですが、前例がないだけに申請の仕方が分からず、なぜだか部長の猛烈な反対があったために、できなかったのです。
わたしの1日の生活はこうでした。
5:00 起床。朝ごはんの用意、洗濯、旦那の昼用の炊飯セット、夜用の炊飯予約
6:00 子供を起こして、朝ごはん・着替え・オムツ替え・検温・連絡ノート記入
7:00 出勤、ゴミ捨て
8:00 仕事始まり
17:30 仕事終り、と同時に退社
18:30 保育園に子供をお迎え
19:00 子供におやつを与えつつ、夕食の準備
19:30 夕食
20:00 お風呂掃除、子供と一緒にお風呂
21:00 子供を寝かしつけ
21:30 夕食の片付け、保育園の荷物片付けと明日の準備
23:00 旦那帰宅、旦那のご飯準備
24:00 洗濯の予約、片付け
25:00 就寝
わたしの旦那はエンジニアではなく別の仕事をしており、10:30~23:00というような勤務をしていました。朝の保育園への送りは旦那の仕事で、帰りはわたしの仕事です。わたしの通勤は約1時間かかるため、保育園のお迎えは保育園の閉園時刻ギリギリです。だから、帰宅途中に駅でトイレに寄る暇もないくらいなのです。
この生活を半年続けました。しかも、旦那の帰りが遅くなったりすると、寝るのは2時~3時です。睡眠時間が少なすぎて、まったく仕事になりません。
でも残業ができないため、勤務時間内に区切りのいいところまで仕事をしておかなければなりません。急に1週間休むかもしれないので、仕事を次の日に持ち越さないようにしなければならないのです。
肉体的にも精神的にも限界寸前になったので、時間短縮勤務を申請することを決断しました。
■ほんの少し……
この生活はほんの一例にすぎません。もっと大変な生活をしている人もたくさんいるでしょう。でも、決して楽な生活をしているわけではないのです。また、会社でも協力的な顔をしながら、迫害してくる人もいるのです(それについてはまた別の機会に書くつもりですが)。
いいわけや甘えと言われればそれまでなのですが、ほんの少しだけ理解してもらえたら、子育てして働くことに勇気を持てるようになれると思います。
コメント
第3バイオリン
友ぞうさん
はじめまして。第3バイオリンです。
私は現在独身の女性エンジニアです。
いつかは結婚、出産を経験するかもしれない立場として、友ぞうさんの
コラムを読ませていただいています。
私が働く部署では子供を持って働くママさんエンジニアが多く、
子育てしながら働くことに対して比較的理解がある職場ですが、
それでも実際のところはかなり大変そうです。
まだ小さい子供を自分の親に預けて遅くまで残業している人や、
離婚して一人で子育てしている人、熱を出した子供をやむなく
置いてきて出社し、トイレで泣いている人もいました。
私は何もできませんが、子供の病気やイベント(入学式とか)で
休んだり早退したりする人に「あとは私にお任せ下さい。」と言えるようになりたいですね。
仕事は代わってあげられますが、お母さんの役割は代わってあげられませんからね。
私が代わりにお子さんのところに行っても泣かれるのがオチでしょう(苦笑)。
まあ、「仕事は安心して任せた!」と言ってもらえる人間にもまだなりきれていないんですけどね(さらに苦笑)。
友ぞう
第3バイオリンさん、はじめまして。
子育てしながら働くことに対して理解ある職場はいいですね。
お互いに協力したり相談したり。
とくに相談できる環境というのはとても重要だと思います。
私の今の状況は相談相手がいないもので、
なかなか悩みをわかってもらいづらいところがありますね。
第3バイオリンさんのように理解してくださる人がいれば、
きっと心強いでしょうね。
いつかは自分も同じ立場になったときにきっと、その先輩方が
強い味方になってくれることでしょう。
ぜひ「あとは私にお任せください」と言ってあげてください。
まずは、この人は理解してくれているんだ、味方なんだということがわかることが
大切なんだと思いますよ。
かあちゃん
頑張ってはるな~と思い、思わずコメいれさせていただきました。
私は二歳児子育て中のエンジニア。秋には第二子出産予定の妊婦エンジニアでもあります。
とは言え、時短やモバイルワークを駆使してます(もちろんダンナの帰りを待たず娘と就寝も・・・)ので、友ぞうさんほど大変ではありませんが。
まだまだ長い道のりです、そして私のように二人目・・・なんてこともあります。
長い目で見て、とにかくお体を壊さないよう、ご自愛ください。
もちろん仕事には責任を持たないといけないので、時にはムリも必要ですが、
子育てと仕事の両立が普通に当たり前の社会になるよう、小さな力になれればと思っています。
友ぞう
かあちゃんさん、はじめまして。
二歳児子育て中のエンジニアということは、一緒ですね。
第二子もお腹にいながらエンジニアを続けているなんて、すごいです。
一人ぐらいで根をあげていたらダメですね(笑)
今現在は時間短縮勤務をしているのですが、それも5月で終了なので、
また今回のコラムのような生活に戻ることになりそうです。
子育てと仕事の両立が普通に当たり前の社会・・・
昔に比べれば恵まれていると言われますが、現状はまだまだですよね。
私もそういう社会になってくれることに貢献できるかしら?
とりあえずは自分の所属している会社から変えていくことが
私の第一歩です。