コボラーからITコンサルタントへ(3) 転勤1回目:基本はExcel
エンジニアライフをご覧の皆さま、こんにちは!
本業はITコンサルタント、副業は産業カウンセラー。
TKT48プロデューサー&SE女子部部長の奥田美和です。
前回COBOLの開発を行っていた頃の記事を書きましたが、最近のCOBOL求人案件はどんな感じだろう?と調べてみました。金融系では未だにCOBOLが現役で、求人案件もあるんですね。若い技術者はCOBOLを学んだりはしないので、他言語の技術者に比べると年齢制限もなさそうです。
さて、前回の「コボラーからITコンサルタントへ(2) 結婚前:基礎はCOBOL」の続きです。
■「転勤族の妻」そして「転職人生」の始まり
結婚して最初の転勤先は、新潟県N市でした。
結婚してしばらくは、初めての料理に、初めての家事。何もかもが新鮮で、ワクワクしながら日々を過ごしていました。
でも、1か月くらいすると「今日も夫としか話していない」ことに気が付きます。
見知らぬ土地で、友人もまだおらず、顔見知りは隣の家の人くらい。
子どもがいれば子育て広場に行って顔見知りくらいはできますが、子どもがいないと、カルチャースクールに行っても年配の方ばかりだし、同世代と出会う場がありません。
だから、子どもがいない転勤族の妻は、転勤してすぐ仕事を探すことも多いです。
結婚して3か月経った8月、以前から興味があった派遣に登録してみることにしました。
N市にある大手派遣会社はP社とT社。ただし「P社は実務経験3年以上」だったので、正社員歴2年の私はT社にお世話になることにしました。
「時給はおいくらぐらいでしょうか?」と聞くと、「プログラマーは事務より高いから、1200円からかな」とのこと。えっ!?東京なら1800円~なのに!?
――東京と地方の給料水準の差を思い知らされたのでした。
それでも、連絡が来るのを待ちました。
1か月経っても連絡が無いのでこちらから連絡してみると、そもそもN市ではシステム開発の案件自体がほとんど無いそう。後になって知ったのですが、新潟のIT企業が社員を東京に転勤(出稼ぎ)させて仕事を請けているくらいなので、地元で派遣のシステム開発の仕事は最初から無かったのです。
■SEから、PCインストラクターへ
しょうがないので新聞の日曜求人折込チラシをあれこれ見て、パソコンスクールのPCインストラクターに応募してみました。
試験を受けて、1週間後に採用の電話を頂いたものの……。
担当者:「Wordはいまいちでしたね」
私:「そうですね(汗)」
担当者:「Excelは、情報処理の資格を持っている割には……。ブランクが空いているからかな?」
私:「そうかもしれません(冷汗)」
コボラー時代は、進捗管理でExcelを使っていたくらいで、Wordは実務では1・2回触ったくらいです。採用試験の前に本を買って基本操作は覚えたものの、採用の電話ではダメ出しの嵐でした。
それでも採用になったのは、「東京の生保のシステム会社出身」「第一種情報処理技術者の資格」のおかげです。これから先の転職でも、「正社員歴たった2年のコボラー」であっても、この2点セットが水戸黄門の印籠のように効果を発揮してくれました。
入社して2週間はチーフインストラクターにマンツーマンの特訓を受けました。
Windows98とWord98・Excel97、それにOutlookとインターネット。
大学時代に家庭教師のアルバイトをしていたし、何より自分がWordもExcelもできなかったので「全くわからない人への教え方」を理解するのは早く、2週間後にはPCインストラクターデビューできました。
下は中学生から、上は70代のおじいさんまで教えました。中には高齢の中小企業の経営者もいました。
この時鍛えられた「生徒さんの世代や興味によって、話し方・教え方を変える」スキルが、後々、派遣先の新人・協力会社SEの教育時や、自治体の職員研修の時に役に立つのでした。
人に教えるには、まずは、自分の知識を確実なものにすることから。
WordとExcelの基本・応用と勉強し教えられるようになったところで、独学でExcelのマクロやVBAを勉強するようになりました。
この時VBAを勉強しておいたことが、後のSE人生を大きく左右することになります。
■そして、東京転勤
インストラクターの仕事もようやく慣れてきた3月上旬、夫に東京転勤辞令が出ました。
最初は週3日・4時間だった仕事も、生徒さんが増えて週5日・7時間ほど働くようになっていました。職場の方も生徒さんも皆さんいい方ばかりで、退社の挨拶したときに「来たのが昨日のよう」とか「半年だっけ?ずっといるみたい」と言われて、泣きそうになりました。
長い転勤生活を楽しめるかどうかは、「最初の転勤先で、いい人に出会えたかどうか、転勤生活は楽しいものだと思えたかどうか」によります。私の場合は、プライベートでも仕事でも、転勤族だとわかっても優しく仲良くしてくれる、素敵な地元の方に出会えました。
もし、最初の転勤先の仕事の面接で「転勤族だから」と断られていたら、「転勤族は仕事ができないんだ……」と落ち込んでいたことでしょう。
そもそも、PCインストラクターの仕事が見つかっていなければ、事務の仕事に進んでいれば、今この記事を書いている私はいなかったでしょう。
だからこそ、東京転勤辞令が出た時に決意したのです。
――東京に戻ったら、真っ先に仕事を探し、SEのキャリアを増やす!と。
次回、「コボラーからITコンサルタントへ(4) 転勤2回目:再度COBOL」に続きます。
次回もお楽しみに!
■本日のまとめ:転職の時に必要なこと(新人SE編)
1.「応用情報技術者」(旧・第一種情報処理技術者)は早めに取りましょう。
2.将来転職を考えている場合は、「IT業界以外の人も知っている」会社、または、そのグループ会社に入社しておきましょう。地方にU・Iターンした時に便利です。
3.面接は、1にやる気、2にやる気です。