修羅の派遣会社へ転職!その9 出張は人間の本性が出る!
出張が長引くと、人間関係にも変化が出てくる。仲の悪い者同士が仲良くなってしまったり、派遣社員と正社員の境界線みたいなものも薄くなってくるのだ。無人島に残された少人数みたいな感じになる。派遣社員はこれを機会に必死で正社員にゴマを擦るようになる。そうすることによって、派遣社員の立場もランクが上がるからだ。正社員たちも、家族と離れて時間が経つと目の前の人間に親近を抱くようになる。ストックホルム症候群てやつですかね。こうして正社員と派遣社員は仲良くなるんだけど、それも長くは続かない。出張が終わり、本社へ戻ると、また正社員と派遣社員の境界線は復活する。
正社員も、派遣社員も、さびしいときだけお互いを友人のように利用しているだけのような感じを受けた。これは国内出張でも同じことが起きていた。でもこれによって、正社員たちは特定の派遣社員だけには挨拶をするようになる。ちなみに自分は挨拶はされなかった。自分から大きな声で挨拶しても横を通り過ぎるだけだったり、顔を向けずに頭を動かすくらいの反応しかしてくれなかった。このとき自分は35歳、正社員たちは自分よりも5~10歳若い人たち。大手企業の正社員時代、研修で仕事で大切なことは挨拶と教わっていたので自分より若いとか、そういうのは関係なしに誰に対しても私はしっかりと挨拶はしていた。「礼に始まり、礼に納め、礼に終わる」。大手企業で教わった教訓である。
でも、こんなことは常識なんだけどね。そして、正社員から挨拶をされるようになった派遣社員にも変化が起きる。それは、正社員と同じように派遣社員には挨拶をしなくなってしまうのだ。私は正社員からは挨拶されていなかったので、正社員と仲の良い派遣社員からは挨拶されなくなり、こちらから挨拶しても正社員と同じように横を通り過ぎるだけだったり、顔を向けずに頭を動かすだけの対応をされるようになってしまった。「バックには正社員がついているんだぞ!」って、言わんばかりの態度。虎の威を借りる狐である。その派遣社員たちは、みんな私より年下。そんな状態でも私は挨拶はしっかりとしていた。今思えば、ほとんど意地みたいになっていたのかもしれない。ア〇バック株式会社、すごいところだったな。。。