町工場から大企業、そして派遣社員も経験した現役派遣社員の壮絶体験

ホワイトな大手企業へ転職!その57 全員大会!

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とにかくここの企業は組合活動が盛んであったためしょっちゅう組合の集まりや全員集会などがあった。これがまた面倒くさい。早出させられて会社の門の前でビラ配りさせられたり、賃上げや賞与などの会社との交渉のときなどは毎日のように集合をかけられて「エイエイ オ~~~!」って感じで一致団結をするのだ。〇〇大会、〇〇集会、などといった名目ですぐに集合をかけられ、組合のお偉いさんたちが交代で長々と話をする。しかもこれらの集会は組合員は強制参加。せっかく定時間で仕事が終わるのに、その後に全員集合させられてつまらない話を聞かされる。

こんな状態が頻繁にあると、当然、集会をバックレる人が出てくる。このバックレるときの言い訳が、だいたいの人が「医者だから」「歯医者だから」「子供が熱を出したから」って内容の言い訳でバックレる。しかし、このバックれ方法があまりにも多くなってきたため、「当日の歯科医、医者などの予約は避けてください」という社内報が組合から出されてしまった。すると、今度は組合員たちは強制行動に出るようになった。要するに組合の集まりがあっても、黙って帰ってしまうのだ。定時のチャイムが鳴ると、バックレる人たちは普通に帰ってしまう。これが堂々としているので逆にバックレるようには見えない。だから帰れてしまうのだ。

なんか見ているほうは清々しいんですけどね。しかし、こうなってしまうと組合側も黙ってはいない。どんな策を出したかと言うと、定時後に門の前に見張りを立てたのだ。集会の時に帰ろうとする人が居ると、門の前でとっ捕まえて強制で集会所に戻される。しかし、更にその上手をいく組合員も居た。組合幹部が門に見張りに来る前にダッシュで帰ってしまうのだ。終業のチャイムが鳴るとダッシュで更衣室へ向かい、さっと着替えて組合幹部が門に見張りに来る前にダッシュで出て行くのだ。しかし、それも対策がとられてしまう。今度は組合幹部が終業前に既に門の前で見張りをするようになったのだ。こうなるとダッシュは通用しない。

しかし、また別の手を組合員は考える。それは、組合幹部が見張りをしている正門の横に従業員の更衣室があるのだけど、そこの裏へ行くとフェンスがあり、そこをよじ登って外へ脱出してしまうのだ。まるで、脱獄者と刑務官のイタチごっこなんだけど、こんなやりとりを上階の休憩室から眺めている私たちは爆笑しながら「容疑者確保!」「容疑者逃走!」などと言い合っていた。

また頭脳プレーで堂々と正門から脱出する者も居た。それは、正門で組合幹部に問い詰められると「私は〇〇(下請け業者の会社名)の者です」と言って誤魔化して正門から堂々と帰っていくのだ。当時は複数の下請会社や派遣会社が入り乱れていたので身分を偽ってもバレなかったのだ。そこまでして参加したくないのか?ってのも疑問なんだけどね。だって一時間程度で終わるんだから。こんな組合の集会でほとんどの社員が嫌がっていたが、喜んでいる社員もいたのだ。それは技術部たちである、技術部は毎日遅くまで残業なので、組合の集会に参加すれば早く帰れるからだ。

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