町工場から大企業、そして派遣社員も経験した現役派遣社員の壮絶体験

ホワイトな大手企業へ転職!その48  一カ月レンタルの約束だったのに。。

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毎日毎日、試作品の寸法測定の繰り返し。そして深夜までの残業。しかし、そろそろ約束の一カ月が経とうとしていた時、私の製造現場の杉沼課長から呼び出された。これでようやく現場に戻れる!上機嫌で事務所に入った。課長が「おう、田中!おまえもう一カ月技術部に延長な!」「え?」「広沢課長から話がきてな、おまえはかなり戦力になっているしもうちょっと技術のほうで手伝って欲しいってことだからさ、もう一カ月技術延長だ。広沢課長が褒めていたぞ!」って。杉沼課長にしてみれば自分の部下が他部署でそれなりの評価をされたのだから良い気分なんだろうけど、私はそれどころではない。

ということで技術部であと一カ月仕事をすることになってしまったのだ。もちろん私は嫌だったけど、嫌とは言えない。そして私と一緒に現場から応援に来ていた島崎先輩は一カ月で終了となり現場へ戻って行った。その代わり現場から一人作業者を貸してほしいと広沢課長からの要望で新しく技術部へ応援に来たのが私と同期の山田君、彼は歳も同じで小学校も一緒だったので友達感覚で仕事もやりやすかった。こうして技術部での仕事が再スタートしたのだ。

そして仕事の内容もかなり変わってきた。私は実験用の材料を調合して作成する仕事を任されるようになったのだ。私が調合して機械で完成した材料を、高橋さん、木内さんの両名が試作品の装置にセットして稼働させる、そして完成して装置から出てきた製品をいつものように寸法測定してデータ収集。こんな流れであった。

これが意外にも私にとって実力を発揮した。製造現場での作業が本業であるので機械で材料をセットして製品を完成させるってやりかたは製造現場とさほど変わらなかったのでかなりの速度で仕事をこなしていったのだ。気がつけば高橋さん、木内さんの二人よりも私の方がしごとが早くなっていたので私一人が任されるようになって、両名は別の仕事ができるようになったのである。

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