町工場から大企業、そして派遣社員も経験した現役派遣社員の壮絶体験

本配属編!その14 期待外れな飲み会

»

飲み会なんかまったく参加しない私がこんなときだけ喜ぶってのも都合が良すぎるのだが、なにせ男子校、そして男だけの職場へ配属して生きている私には女性と触れ合うというのがまったくなかったしね。数週間前からみんなが忘年会の話題で盛り上がっていた理由がようやくわかった。私も宴会前から「今か!今か!」と待ち遠しかった。そして宴会が始まった。幹事の「〇時に到着するからさ!」っていう言葉にみんなが「おぉ~~~!」って盛り上がる。「去年はピンクのミニスカートだったよな?」「おまえ触ってただろ?」「おまえなんかキスしてたもんな!」こんな話題で超盛り上がっている。来てよかったと自分でも思った。

と思ったら突然室内が真っ暗になった。「お?」「なんだ?」「こんなときに停電かよ!」などと騒いでいると暗闇の中から「お待たせしました!」って幹事の言葉に続き「初めまして!モモです!」「マキです!」「レイカです!」「ルミ子です!」って、女の子の声が聞こえた。凄い粋な演出!。「おおおおおおおお~~~~~~~~!」暗闇の中で一斉に拍手が鳴り響く。いいから早く灯りをつけろよ!パッと部屋が明かるくなり部屋の入り口に4人のコンパニオンが並んでいた。更に拍手が鳴り響く。これがコンパニオン?ってのが私のファーストインスピレーションであった。オフクロみたいな連中が立っていたのだ。

それでもって全員ピンクのドレス。顔は御婆さんよりちょっと手前くらいだったと思う。ちょっとだけ若いんじゃないか?っていうのが一人だけ居たのだが、残りの3人は私のオフクロよりも年上だったと思う。そしてみんな、ちょっとでも動けば顔から粉がポロポロ落ちるんじゃないか?って感じのうどん粉に顔を突っ込んだような真っ白な厚化粧であった。それでピンクのドレスだもん。しかし、先輩社員たちはマジでこのおばさんコンパニオン達にキスしたり触ったりしてたのか?男子校、男だけの職場経験しかない私でも触る気すら起きなかった。しかし周りは大喜びしてる。そして、永遠の疑問なのだが、男って、どうしてこういうときになると筋肉を見せたがるんだろう?こんな御婆さんたちに筋肉見せて何が嬉しいんだろう。これはここの職場だけでなくキャバでバイトしていたときも同じようなことがいつも起きていた。

そこへ一人の御婆さんコンパニオンが私に近寄ってきた「お兄ちゃん、初めて?」「そうです」「いくつなの?」「19です」「あら、うちの息子より年下ね」「・・・・・・」「これも勉強よ」って言われてビールを注がれてしまった。別にそれだけなら良かったのだが、私の隣にくっついたまま離れない。酌をするわけでもないし、話をするわけでもない。これはほんとに気持ち悪かった。まだ昭和の名残があった平成初期、だれでも簡単にコンパニオンになれる時代だったのだろう。ちなみにこのときのコンパニオンの料金だが、4人分で2時間/1万6000千円って聞いた。私の給料を時間給に換算すれば、コンパニオンのほうが遥かに高かった。今も御健在であれば80歳前後だろう、モモさん!マキさん!レイカさん!ルミ子さん!元気にしてますか?私も当時のあなた達と同じ年齢になりましたよ。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する