町工場から大企業、そして派遣社員も経験した現役派遣社員の壮絶体験

本配属編!その8 給料明細の見せあいなんてするな!

»

話を戻すが一瞬ポカンとした顔で私の顔を覗き込むように見ていたが、私の汚いものを見るような目で見られていることに気づいたらしく、笑ってるのか驚いているのかよくわからない表情で私を数秒見つめて去って行ってしまった。その後、少しだがこの先輩は私に接する態度が柔らかくなったのだ。相変わらず帰り時間の間際に因縁をつけられることはあったが堂々と「やってませんよ!」と言い返して帰ってしまっても、次の日に何か文句を言われることもなかったしね。こういうことする人って、意外にも気が小さい人間がほとんどなんですよね。それで逆ギレすると大人しくなるか、更に逆ギレ返しでかなり激しくなって攻撃してくるかの二種類がほとんどでした。当然、逆ギレ返しする人間も気が小さかったですね。

そして、初めてのボーナス支給日がやってきた。ちなみにこの頃の私の給料は手取りでだいたい2123万位の間でした。その代わり残業は月平均すると4050時間前後、夏季休暇、冬季休暇、大型連休(GW)のときは7080時間に増えました。そして休みは月に23日くらいでした。その状況で2123万、19歳の私には多いと思える金額でした。そしてボーナス当日、定時後に全員詰所の一階に集合をかけられ係ごとに整列したところで課長が登場。一人ずつ名前を呼ばれて明細書を手渡しされる。さすがにこのときばかりは私もウキウキしました。

みんな貰ったその場で明細書を開封して見ている。そして若い先輩が見ている明細書を覗き込んで見ているベテランの人、もちろんベテランは自分の明細書は見せない。この光景には私は唖然とした。なんか見ていてみっともねえなぁって一人で感じていたのを今でも覚えている。そしてベテラン社員の何人かが私のとこへやってきて「いくらだった?」って笑顔で聞いてくる。「見てません」というと、「早く開けてみろよ」って・・・「僕は家で見ますので」。そしてリーダーも私のところへきて「いくらだった?」って周りと同じことを聞いてくる。同じように私も「見てません」「開けてみろよ」「家で見ます」って周りと同じやりとりで終了。そんなに見たいなら先におまえらが見せろよ!

読書が趣味だった私は学生のとき、「給料の見せ合いなんかするな!」と誰かの本に書いてあってその理由に感動したことを覚えていたんです。給料の見せっこなんてするもんじゃないよね。小学校の通信簿とはわけが違うのだ。アイ〇ン精機の元社長である〇藤氏は、入社時の初任給が同僚たちより少ないことに納得がいかず、すぐに人事に文句を言いに言ったそうです。家庭の事情で入社が同僚たちより遅かったのもあったのですが、それでも納得できずに人事に駆け込んだそうです。ところが人事では聞いてもらえない。怒りが爆発し、その場で明細書を破いてしまったという。場合によってはその場で懲戒免職もあり得る行動なんだろうけど、この元社長のようにそれを踏み台にして社長にまでなってしまう実力があればなにしても良いのでしょうけどね。ちなみにこの会社で初めて貰ったボーナスは30万ちょっとだったと記憶しています。今思えば、まあまあの金額ですかね。。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する