町工場から大企業、そして派遣社員も経験した現役派遣社員の壮絶体験

本配属編!その7  ワザと帰らせない先輩

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そして、ここは設備関係の部署なので時間通りに帰れるというわけではない。不思議なもんで、こういう仕事は忙しいときってその日に物凄く仕事が集中したり、ないときはほんとに暇なのだ。そんな状態で終了時間直前に他部署から連絡が入り、直してくれってことで帰り間際の土壇場に仕事が入ってしまい遅くまで残されるってことが何度もあった。これがほんとに恐ろしいのだ。今日は定時で帰れる!ってソワソワしながら終了のチャイムを待っているといきなり連絡がくる。これはほんとに腹が立つ。自分が残っても何もするわけではなく先輩の後ろでずっと突っ立って見ているだけなんだから。23時間、ずっと立ちっぱなしで何もせずにボーっとしていることもあった。一刻も早く修繕しなければいけないので先輩たちは私にかまっている暇などないのだ。

こんな私の心理状態を見抜いていたのかは不明だが中には故意に私を帰らせなくする先輩も居た。定時の日、終了のチャイムが鳴っても他部署からの緊急連絡はない、よし帰ろう!事務所の扉を開け外に一歩踏み出した瞬間、「田中!○○してねえだろ。」って絶妙なタイミングで呼び止められる。「やってませんけど」「クックック」と、先輩の不気味な笑い。残ってやれってことである。あるときなどは2.5時間の残業がシフトに組まれていてその先輩と居残りだったのだが、時間になったので帰ろうとしたら「おい!20時までだぞ!」「シフト表には2.5時間になってるじゃないですか!」「いや、俺もそう思ったんだけどさ、そうもいかねえんだよ!クックック」明らかに故意な嫌がらせだ。結局、残業が伸びてもその時間は何もせず時間が経つのを待っていただけなんだから。だからこの先輩と一緒にローテーションを組まされるときは朝からモヤモヤ感があった。

また、いつものように憂鬱な休日出勤のとき更衣室から事務所へ向かって歩いていたらこの先輩に出くわしてしまい、挨拶だけしてさっさと行こうと思ったのだが「随分な荷物だな?」って言うので「これはクリーニングに出す着替えです」と言ったら「なに?」と言って聞き返してきた。その聞き方がすごく気持ち悪かった。なんと、慣れ慣れしく私の肩に顎を乗せてきたのだ。メロドラマなんかで若いカップルの女の子が彼氏に甘えて肩に寄り掛かるシーン。40歳近いおっさんにやられたのだ!19歳の私の肩に顎を乗せる。これはほんとに気持ち悪かった。「着替えです」と再度言い返したら「着替えなんかするほど仕事してんのか?クックック」って言われた瞬間、遂に我慢できなくなり「してねえよ!」と怒鳴ってしまった。今で言えば逆ギレってやつですね。ちなみに逆ギレはドリフターズの荒井注がピアノが上手く弾けずにそれを加藤茶に笑われて「なんだバカ野郎!」と言い返したのが始まりとう説もあるそうです。

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