町工場から大企業、そして派遣社員も経験した現役派遣社員の壮絶体験

本配属編!その11 昼休みは給料貰ってませんから!

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だが、これとは逆のパターンもあった。演説側の人間がやる気を無くしてしまったのだ。それは「交通安全強化期間」とか、題名はあまり記憶にないのだが警察署から偉い人を招いて交通安全に関する演説会を開催するというものであった。これは組合には関係ないのだが社員は全員強制参加であった。でも残業は付かない。いつものように仕事終了後に社員が集められダラダラと体育館に集まりさっそく警察の偉い人の話が始まった。とうぜん誰も聞いてないし、途中で休憩が設けられたのだがそのときにゾロゾロと体育館から社員たちが抜け出して行った。帰ってしまったのである。

私もそうしたかったのだが何せ周りの人はあぐらかいて座り込んで座談会しちゃってたので身動きがとれなかったのだ。そして後半に入り、数分話したところで「これ以上話しても聞いてくれないので・・・」と警察の偉い人が放った一言で演説は終了してしまったのだ。私にしてみれば早く終わって良かったんですけどね。その後、このような後援会などがあるときは体育館の出入り口に組合の偉い人たちが見張って途中退社ができないように対策がとられたのである。

しかし、このような集会を隠れて欠席する人も居た。部署は違うのだが同期入社で顔見知りだった山本君(仮名)だ。彼は隣の部署に居たのだが昼休みの組合の集会などになると事務所の最上階にある部品管理室というところに逃げて、そこで寝て居たのだ。そこはクーラーも効いていたし、机と椅子もあったのでそれらを並べてその上で寝ていた。大人数なので誰が欠席していようがわからないしね。みんながぞろぞろと集会場へ向かうときに山本君も一緒についていくのだが、途中にあるトイレに入ってそのまま数分待って人の流れが無くなったのを見計らって隠れ家へ向かうというやり方だった。

しかし、同じ部署の上司にバレてしまったということを聞かされた。当然、上司からは集会に参加するように注意されたそうなのだが、彼はこう答えたと言う。「昼休みは給料貰ってませんので!」。私もそうだったけど、新入社員てまだまだ世間知らずだから怖いもの無しなんだよね。今のゆとり世代と言われる人たちなら堂々と言えてしまうのかな。

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