本配属編!その6 執念の有休取得
そして別の休日出勤のときもやることがなかったので先輩たちに言われるまえに扇いでやろうかなと思ってたら、「時計係ね」って突然言われたのだ。「は?」って思わず言い返してしまったのだが「10分毎に時間教えてくれりゃいいからさ」って。さすがにここまでくると新入社員の私でもおかしいなって思ったよ!時報みたいに「今〇時〇分です」って言うだけ、言ったところで仕事中の先輩たちから何か反応があるわけでもない、これは屈辱でした。
そして、夏季休暇中の休日出勤ということもあり人が少ないし偉い人も出勤していないので先輩連中は昼食のときに隠し持ってきたビールを飲むのだ。自分はアルコールはまったく飲めなかったので問題ないのだが、酔いが回って心地よくなると寝込んでしまう者も何人か出てくる。午後の始業チャイムが鳴ってようやく起きるのだが「体調悪いから帰る」と言って帰ってしまう。目の前でこんな光景を見ている自分は、「どうして自分は帰れないんだ!!」ってこれにはほんとに腹が立った。
そして休日出勤したわけだから当然、代休または有休の取得が認められるのだがここの会社はちょっと違っていた。先輩社員たちは休日出勤した分だけ有休を取るのだ。普通なら代休になるんだけど新参者の自分は最初疑問に思っていた。「今月は相当手当てがつくぜ!」先輩社員たちがそう叫んで喜んでいる。休日手当ってことをこのときに初めて理解した。代休にすると手当ては支給されなくなる。それなら俺も!ってことで先輩たちの真似をして勤務表に二日連続で「有休」と書いておいた。
と思ったら、次の日その勤務表を見てみると私のところだけ「代休」に書き直されていたのだ。先輩たちのところはそのまま「有休」になっている。何かの間違えかと思い再度、「有休」と書き直した。昼休みに食堂へ行って詰所に戻ってきたらまた「代休」と書き換えられていたのだ。新人の俺だけ休日出勤手当を出さないつもりか。しかも本人に伝えず黙って書き直してしまうところがブラックだ。それならこっちも意地になって今度は書き直せないようにボールペンで強く「有休」と書いた。次の日、詰所に張り出されている勤務表を見てみると「有休」のままになっていた、よかった。そして次月の給料明細を見たら「有休」になっており、休日出勤手当も付いていた。