町工場から大企業、そして派遣社員も経験した現役派遣社員の壮絶体験

本配属編!その5  初めての仕事は団扇係

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このときは景気も良かったし、とにかく大した計画もなく増員!増員!って感じで人を雇っていたように思う。だって、自分なんかが休日出勤したところで何もやることない。先輩の後ろにくっついているだけ。先輩から何か指示をされるわけでもなく手伝いを頼まれるわけでもなく、ただくっついていくだけであった。現場のリーダーに「楽でいいな」なんて言われましたけど、これほど辛いものはない。何もせずにずっと立っているだけって物凄い時間が経つのが遅い。

そんな状態で休日出勤中は過ごしたのだが良いこともそれなりにあった。それは体力が強化されるのだ。どうしてかというと、なんでも屋なのでなんでも道具を持ち歩いている。その道具は腰にベルトで巻いて携帯しているのだが非常に重い。設備屋さんなどがよくしているやつです。私たちの部署で支給されている工具類は多種類あるので腰に巻くとだいたい10kg。その装備で歩き、階段を登り、場合によっては小走りすることもある。これによって私は相当足腰が強化された。そしてこの会社には綱引き部があり、私たちの部署の人たちがほとんどであった。テレビに出るほどだったので地域でも相当強かったのだ。

また、この部署の良いところは仕事のできない新人の私にも意外に親切にしてくれたのだ。どのようにかというと、休憩のとき私は使いっ走りで先輩たちのジュースを買いに行かされるのだが、そのとき私の分も買ってくれるのだ。午前、午後の休憩で必ず私の珈琲代なども出してくれていたのでこれがかなりの節約になったのだ。そんな使いっ走りの私に初めて仕事が回ってきた。隣で仕事をしている先輩に呼び出され「暑いから扇げ」って言われたのだ、ノートで先輩の顔めがけて扇ぐというもの。先輩の仕事が終わる間ずっと私は無言でノートで扇いでいたのだ。だいたい2時間くらい扇いでいたと思う。この当時は別になんとも思わなかったのだが今思うと凄いことやってたなって思いますね。

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