今、話題の人工知能(AI)などで人気のPython。初心者に優しいとか言われていますが、全然優しくない! という事を、つらつら、愚痴っていきます

124.課題解決力のテクニック

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初回:2021/1/20

1.本題に入る前に

P子「前回もそんな入り方してなかった?」(※1

 期せずして『問題解決』祭りみたいになっていますが、あくまで偶然です。マスター吹越さんの『問題解決しようぜ! 1:問題解決概説編』などは、きちんとした理論体系に基づいた問題解決手法を順番に解説していきます...みたいな感じですが、私のいう所の『課題解決手法』は、過去の勘と経験に基づいた個人ノウハウみたいなものですので、それぞれの良いところや向き不向きを考慮していただければよいと思います。

 もちろん、Horusさんの『誰も語らない残酷な問題解決』もご一読ください。ある意味ブレない論理展開ですので、楽しめると思います。

2.課題の分割

 前回の『123.技術力より課題解決力が重要』で、気が向いたら書きますと言っていました課題解決手法を書きたいと思います。

P子「思ったよりも早かったわね」

 せっかくのお祭りなので、便乗しようと思っただけです。

 さて、課題解決のテクニックは色々とあるかもしれませんが、まずはしっかり理解しておきたいのが、課題の『分割』と『置換』です。

 課題の分割については、比較的無意識にされていると思います。というのも、通常の課題はそのままでは大きすぎて手を付けられないからです。

 例えば『家族旅行に行く』という課題があったとしましょう。この課題をいきなり解決するというのは、実際に家族旅行に行くことですから、普通は分割するでしょう。例えば、お子さんが居られるなら夏休みに行くのか春休みに行くのか、働いている場合は有休を何日程度取るのか、手段はマイカーなのか公共機関(電車、飛行機)なのか、もちろん、どこに行くのか?などなど・・・課題を具体的に検討できるレベルに分割するでしょう。
 この辺りは、無意識でも行っているはずです。では、あえて『課題解決のテクニック』というには、それなりのテクニックがあるという事です。

 課題を分割する場合は『5W2H』を意識しましょう、というのがテクニックです。

P子「『5W2H』なんて当然じゃないの?」

 課題の分割は誰でも行っているのですが、体系立てて行っているかと問われると、案外ざっくりと行っていると思います。『5W2H』を利用すれば、分割時の漏れや抜けを見つけることが出来る可能性があります。

(1)Why(なぜ?)      目的や理由を明確にする
(2)What(何を?)      何を行うかを明確にする
(3)When(いつ?)      時間や時期、期間を明確にする
(4)Who(誰が?)      誰が行うか、誰と行うかを明確にする
(5)Wheree(どこで?)    場所を明確にする
(6)How(どうやって?)   方法や手段を明確にする
(7)How muchh(いくらで?) 費用を明確にする

 《参考資料》
  http://it-word.jp/term/5w2h.html
  5W2Hとは

 先ほどの『家族旅行に行く』という課題を分割してみましょう。

(1)Why(なぜ?)      楽しい思い出作り
(2)What(何を?)      家族そろって旅行に行く
(3)When(いつ?)      子供の夏休み期間中
(4)Who(誰が?)      自分、妻、子供たち
(5)Wheree(どこで?)    鹿児島近辺
(6)How(どうやって?)   飛行機+レンタカー
(7)How muchh(いくらで?) 20万円以内で

 そう、まだまだ分割が足りませんね。『いつ』を日程単位、時間単位に分割すれば、当然何をとか、どこでとかどうやってとかも変わってきます。

 1日目は、空港までマイカーで出向き、飛行機で鹿児島まで到着し、レンタカーを借りる。2日目は...という感じで、分割を重ねて抜けの無いように埋めていきます。

3.課題の置換

 課題の置換も、無意識に行う事があります。例えば、家族旅行で夏休みは子供たちのクラブ活動などで休みが取れない場合は、春休みに変更するとか、飛行機とレンタカーではなく新幹線とタクシーにするとか、基本的には目的をそのままに手段を変更する場合に使われます。

 実はここでのテクニックは、手段の置換ではなく目的の置換です。目的と言っても実際はさらに上位に目的があり、目の前の目的も単なる手段にすぎないケースがあります。

 『家族旅行に行く』という課題を細分化しても、休みの日程が合わないとか予算が足りないとか、桜島が噴火したとか、Go To トラベルが停止したとかで、どうしても目的を達成できない場合、その課題自体を別の課題に置き換えてしまうという事です。このケースでいえば、旅行はあきらめて、ひらパー(ひらかたパーク)にみんなで出かけるとか。

P子「せめてUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)にしてよ」

 『課題の置換』の例を挙げておきたいと思います。

 1)「このはし渡るべからず」の立て看板に対して、橋の真ん中を渡りきる。

P子「実際のお客様には使えないテクニックね」

 2)「屏風の虎が夜中に抜け出して困っておるから縛り上げてくれ」「判りました。ではその虎を屏風から追い出してください」

P子「確かにむちゃブリしてくるお客様には、有効なテクニックね」

 ほな、さいなら。

======= <<注釈>>=======

※1 P子「前回もそんな入り方してなかった?」
 P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。


スピンオフ:CIA京都支店『妖精の杜』

 ここはCIA京都支店のデバイス開発室。安らぎを求めて傷ついた戦士が立ち寄る憩いの場所、通称『妖精の杜』と呼ばれていた。

 P子:CIA京都支店の優秀なスパイ。早坂さんにはなぜか毒を吐く。
 早坂:デバイス開発室室長代理。みんなから『妖精さん』と呼ばれている。

 P子:「この間のリプレース案件で、社長さんが『既存のシステムと同じ機能で頼むよ』っていうご要望だったのよ」
 早坂:「そんな場合は『課題の置換』テクニックが役に立つよ」
 P子:「どういう事?」
 早坂:「『では、既存の業務手順を一字一句漏らさずに文書化しておいてください』って依頼するんだよ」
 P子:「そんな文書作れないわよ」
 早坂:「そう、一休さんの屏風の虎のお話のオマージュだよ」
 P子:「これじゃ失注するわね」

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