今、話題の人工知能(AI)などで人気のPython。初心者に優しいとか言われていますが、全然優しくない! という事を、つらつら、愚痴っていきます

067.憲法改正の何が問題なのか(3)

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初回:2020/03/18

1.災害対策に緊急事態条項は必要か?

P子「忘れた頃にやってくるって感じ?」(※1

 https://el.jibun.atmarkit.co.jp/pythonlove/2019/11/0521.html
 052.憲法改正の何が問題なのか(1)

 https://el.jibun.atmarkit.co.jp/pythonlove/2020/01/0592.html
 059.憲法改正の何が問題なのか(2)

 不定期でも何でも、とりあえず忘れないようにしたいです。

 本題に入る前に、最近はやりの新型コロナウイルスの動きについて、少しだけ述べたいと思います。

 https://news.infoseek.co.jp/article/joseijishin_1839310/
 内閣が異例の名指し批判...モーニングショーは何を伝えたのか
 WEB女性自身 / 2020年3月7日 11時0分

 《3月5日のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」で、「総理が法律改正にこだわる理由は、『後手後手』批判を払しょくするため総理主導で進んでいるとアピールしたい」というコメントが紹介されています》

 現行の新型インフルエンザ等対策特別措置法でなぜ対応できないのか?
 それは、安倍政権が新型コロナウイルスを「特措法」の対象外の"指定感染症"に定めたためで、もう一度「改正しなくても新感染症に定めて、特措法の対象とすることが可能だ」という事です。

 https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200306-00070891-gendaibiz-soci&p=1
 厚労省が新型コロナ検査を「この状況でも広げたくない」ウラの思惑
 3/6(金) 7:01配信

 《そもそも厚労省と国立感染研究所(以下、感染研)が患者の治療よりも、疫学調査を優先したからだ。彼らがデータを集めるためには、保健所や各地の地方衛生研究所を通したほうが都合が良かったのである。》

 この期に及んで、まだ、こんな駆け引きが行われていると思うと、残念でなりません。

 結局は、可決・成立しちゃうんですよね。

 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200313/k10012330031000.html
 新型コロナウイルス対策の特措法 成立 「緊急事態宣言」可能に
 2020年3月13日 18時36分

 所で、安倍さんは9条改憲に本気みたいなので、このシリーズもまだまだ続きそうです。

 https://www.jiji.com/jc/article?k=2020011601215&g=pol
 安倍首相、9条改憲訴え
 時事通信 / 2020年1月16日 20時36分

 今回の『あべこべ憲法カルタ・第3回』(※2)は、現行憲法にはない「国家緊急権」についての解説です。

 これは、2012年の自民改憲案と2018年の自民党「改憲4項目」に盛り込まれた「緊急事態条項」に規定されている新たな項目だそうです。4項目とは、「9条改正」「緊急事態条項」「参院選合区の解消」「教育制度の充実」で、自民党が現実的な改憲のやりやすさを考慮し選び出した項目です。

 国家緊急権とは、戦争、内乱、恐慌や大規模な自然災害などの非常事態が起こったとき、政府に権力を集中させ、非常措置を取る権限をいいます。

 緊急事態なので、仕方ない...と思われるかもしれませんが、

 ひとたび濫用されると、これを覆すことが極めて難しい危険な権限であり、世界中で濫用されてきた歴史がある。特に日本では、戦時下で国家緊急権が濫用されてきた苦い経験を踏まえ、日本国憲法では国家緊急権をあえて設けていない。「緊急時の対応は事前に厳重な要件で法律を整備しておくことで対処すべき」というのが現行憲法の考え方だ。

 だそうです。

 毎回そうですが、一般社会で暮らしている範囲では「のほほん」としていても構いませんが、憲法改正の草案を読む場合、言葉の『裏』をきちんと理解する必要があります。

 2012年に発表された自民党の改憲草案の中の「緊急事態」の中には「我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱」の場合も含まれていたため、戦争を前提とした憲法改正だとして多くの批判が上がったので、2018年の改憲4項目たたき台素案では、「大地震その他の異常かつ大規模な災害」と書かれ、武力攻撃を受けた場合や内乱が起きた場合を明示されなくなりました。

 この『大規模な災害』は自然災害と限定されていませんので、当然武力攻撃や内乱も含まれます。

 この憲法カルタでは『自然災害のみを前提とした場合においても、緊急事態条項は、憲法に必要なのか?という疑問が残る』とのことです。

 憲法の目的は、国家権力を法で縛るために存在しており、あえて権力を立法・行政・司法に分けています。

 所が国家緊急権は、権力を一極集中させ、非常時の混乱状況を乗り越える強力な手段であるものの、強度の基本的人権の制約を許すリスクを孕んだ危険なものです。

 ワイマール憲法下のナチスは、国家緊急権である大統領緊急令を発動させることで革命もクーデターも経ず、合法的に独裁を確立した。そして、国会の立法権をすべて政府に委ねるという全権委任法(「民族および国家の危難を除去するための法律」)を強行採決し、緊急措置を固定した。これによって、「人身の自由」、「政治活動の自由」などの重要な人権が過度に制約され、ナチスによる独裁は敗戦まで続いた。

 は、有名なお話です。

 日本でも明治憲法下で4つの国家緊急権が用意されていた。(1)緊急勅令制定権、(2)戒厳宣告の大権、(3)非常大権、(4)緊急財政処分だ。「治安維持法の刑罰の上限を死刑にする」という法案が議会に提出されて審議未了で廃案になったにもかかわらず、緊急勅令で法案通りに成立したという濫用事例もある。

 ここから先は、オリジナルの『あべこべ憲法カルタ・第3回』を読んでいただければいいのですが『災害対策基本法をはじめとして、緊急事態に対応するための多くの法律が既に存在している』のです。

 つまり、あえて自然災害発生時に国家緊急権を発動させる必要はない...にもかかわらず、大変大変、憲法の制約で動けない...とか騒いでいる訳です。

 「災害対策の原則は『準備していないことはできない』ということで、過去の災害を検証し、これに基づいて将来の災害に備えて効果的な対策を準備するのが重要で、非常事態条項さえあれば何でも解決するように誘導されていますが、いざ災害が発生した後に、権力を集中させても何もできないない...というのが、ここでの主張です。

 結論で言うと、災害対策に緊急事態条項は不要であり、重要なのは憲法の改正ではなく、将来の災害に備えて効果的な対策を準備することです。

 となると、なぜ、憲法改正に自然災害を持ち出して緊急事態条項を入れたいのか? 裏の顔が透けて見える気がしませんか?

ほな、さいなら

======= <<注釈>>=======

※1 P子「忘れた頃にやってくるって感じ?」
 P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。

※2 <あべこべ憲法カルタ・第3回>
 https://hbol.jp/201370
 災害対策に緊急事態条項は必要か?
 2019.09.10

Comment(9)

コメント

ラリー

裏の顔ではなく、貴方の政治的偏りと無知が透けて見えますね。

熊猫

>現行の新型インフルエンザ等対策特別措置法でなぜ対応できないのか?~
>"指定感染症"に定めたためで、もう一度「改正しなくても新感染症に定めて、特措法の対象とすることが可能だ」
以下を考えると、法律の厳密適用・運用してるだけでは?
・COVID-19は、「新型インフルエンザ等」の定義から外れているため、特措法の対象にならない
・SARS、MERSと同じ系列で「既知」にあたり「未知」ではないので、新感染症に定められない
後から法改正を行って、限定して対象に含めるという手順は、民主主義的かと思います。
法改正有無を問わず既知の感染症を「新感染症」に定め直すことはできないと考えます。「既知を否定し未知である」と論文等の報告が成され、正しいとされれれば別ですが。
ちゃとらんさんは、解釈による法の恣意的運用を求めているのでしょうか。
>~患者の治療よりも、疫学調査を優先した~
元記事の筆者は、PCRやウィルス研究、危機管理の認識違いがあるかと。
・PCRは、検体増幅の鋳型作成に一苦労があるため、即座に鋳型を配りたくとも配れない。
・検査としては、明確に検査結果を判断できない方式です。原理的に偽陽性、偽陰性が出やすい。PCR機器の余裕があっても、判断する人の余裕はないのかもしれない。精度向上のため、検体を選別せざるを得ないということかと思います。AIの学習と似ています。
・治療の観点なら、確実な検体を用いる方が治療法開発は捗ります。
・危機管理の観点なら、全体の死者数抑制、爆発的感染の抑止の段階で、ただの感染拡大防止にのみ注力の段階は過ぎていると考えているのだと思います。やみくもに検査数を増やし、大量の擬陽性を処置するよりも、確実な制圧をとっているものと思います。
・疫学調査や感染拡大防止を優先ならば、全検査を受け入れ行動調査を行う方が捗ると思います。ただし、他の病気を含めた重症者へのリソースからもかなり多く回すことになるでしょうし、検査を受けてから確実な陰性が出るまで、必ず行動制限(自宅待機・入院措置)をセットで運用しないと感染防止の効果は出ないでしょう。
厚労省と保健所は知らんですが、少なくとも感染研は努力しているのではないでしょうか。足りないのは、一般人にも理解してしてもらう努力(=安心の提供)だと思います。
なお、両方の元記事は、事実ではないと公的機関が報道に反論することを問題視している節がありますが、報道に事実でないことを反論することは重要なのではないでしょうか。言論の自由の点でも、扇動に負けないためにも。

熊猫

>緊急事態条項
・憲法にある基本的人権を守るために緊急事態条項が必要という考えがありますよ。
・災害対策の原則に従ってどんなに準備しても、現行の法律で対応できない事態が起こったときは、法律制定まで待って動くということでしょうか。それとも準備のために緊急事態条項を含む法律作り続けろ、というのであれば、準備のため、すでに緊急事態条項が法律にいくつもある規定を、憲法に反映させてもよいのではないでしょうか。
・個別自衛権のみを主張するならば、必須条項になりませんか?
>ワイマール憲法下のナチス~
ワイマール憲法は「大統領緊急令」に対して「用途が明文化されていない」、「議会による制限が明文化されていない」ことが問題だったはずです。加えて、憲法も議会も無視して良いと定めた法律「全権委任法」と一緒に議論するのは、論点がずれ印象操作に見えてしまいます。
指摘するのであれば、改憲案には、この点について制限が甘いため、制限を加えるべきだ、だと思います。
>憲法の目的は、国家権力を法で縛るために存在しており、あえて権力を立法・行政・司法に分けています。
憲法を宗教化する方々がよく掲げている文句ですが、本来は国の在り方や法律の大方針が原義で、国を法で治めることだと考えます。国家「権力」を法で縛ることは、その条文による副作用だと思います。
ジャーナリズムの原義が「事実の流布」であり、「権力のチェック機構」はその副作用であることと同じように。
>憲法改正に自然災害を持ち出して緊急事態条項を入れたいのか? 裏の顔が透けて見える気がしませんか?
ちゃとらんさんからすると、ドイツをはじめとする欧米諸国は、そのような裏の顔を持っている、ということでしょうか?

熊猫

>前提部分の確認を行ってください。
「憲法の目的」という前提に対して投げた石を受け取って頂き、ありがとうございます。
〇「憲法の目的は、国家権力を法で縛るために存在」?
中華人民共和国、および北朝鮮朝鮮民主主義共和国における憲法は独裁を是と規定し、国家権力が法であると規定しているに近く、国家権力を法で縛るとは、かけ離れているかと存じます。
宗教国家においては宗教という一種の権力に、これを憲法に規定することで権力を強く与えているとしていると思います。
上記の例が「憲法の目的は、国家権力を法で縛るために存在」に対する反証になり、「国家「権力」を法で縛ることは、その条文による副作用」の論拠としています。言い方が雑で極端だった部分は反省しています。
例に挙げたものは憲法ではないので反証にならない、というのであれば、ここで前提が食い違うのかもしれません。そうであるならば、ちゃとらんさんは憲法というものを非常に狭い意味で使う主義だと考えられますし、主義が先立って、憲法の条文に対する議論をしているつもりで、していないのではないかという疑念が生じます。
〇「条文による副作用」の説明
憲法は国の在り方や法律の大方針、言い換えれば、統治のための基本ルールの明文化が目的です。
基本ルールであるから、国はこうあるべきという基本ルールを明文(条文)化して、国民や行政などに「権力」を与えたり、「権力」によって権利を保障したり、「権力」だけでなく「国民」「多数の国民」にも人権や公共の利益による制限を持たせたり、国民に義務を課したり、改正が可能であったりするわけです。国家権力が法であるべしというルールならば、例に挙げた独裁を是し制限をしないとする条文が記された憲法になります。
憲法に条文が規定された結果の作用ということで、条文による副作用と記述しました。
#なお、私は、憲法によって国家権力に対して制限を加えるな、と主張しません。
##食い違いのもとは、言葉の定義の問題だったりするんですかね。。。

熊猫

>『しっかりと国家権力に制限を掛けた条文を憲法には書くべき』『国家権力の制限が骨抜きにならないように、きちんと条文を解釈し精査すべき』
意見を形式的意味の形への変換していただきありがとうございます。
憲法には、形式的意味と立憲的意味の両方の側面を持ちます。憲法改正や条文の議論の際は、条文つまり形式を議論しないといけないのですが、日本の憲法議論においては、特に「護憲派」と称される政治家や憲法学者の方々が、別の目的や改正阻止そのものを目的とし、立憲的意味のみで語り、形式的意味を無視する場合が多く、議論がかみ合わない要因となっています。
ちゃとらんさんのコメントのように両側面を同時に認めていただければ、議論が進みます。
私の主張は、立憲的意味の形へ変換するならば、日本の憲法は「基本的人権を確保し、国と国民を法の下に置くため、権利を規定しを与え、権力を制限することが目的」となります。
こう言いかえると、ちゃとらんさんと主張は重なる部分もあるかと思います。大きく違うのは権利を与える対象は国民だけでなく国家を含み、権力には国家だけでなく主権者つまり権利を与えられた人も含むというところでしょうか。なお、ここでの法は、憲法、法律、国際法です。
そのうえで、改正案は、制限は甘いのかもしれないが、ボン基本法と同じくワイマール憲法の血管の改善は反映しているというのが、私の意見になります。
>「国家権力を法で縛るために存在」は日弁連~日本の(または民主主義を標榜する国の)憲法は、という前提~
民主主義を標榜する国の憲法に限れば、その通りだと思います。
ですが、日本においては、「立憲主義派」や「護憲派」と称される政治家、日弁連、マスコミ、憲法学者、活動家の方々が、自らの権益の拡大と確保、および国際法から逃れる目的のために、「国家権力を法で縛るため」の憲法を振り回して他の国民をたたいたり、改正阻止したりと、その目的を実現していた歴史的文脈があります。
#上記の方々は本来の意味での立憲的意義の目的ではないため、憲法についての議論が成立しません。憲法を宗教化するのも、この目的のためです。
おそらく、本コラムでは「憲法は国家権力を法で縛る目的」としたために、歴史的文脈が想起され、政治的偏りが透けて見える、と言われたのかと思います。

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