ふつーのプログラマです。主に企業内Webシステムの要件定義から保守まで何でもやってる、ふつーのプログラマです。

レインメーカー (19) 慣らし期間と功績

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 19 時35 分。イズミは羨望のまなざしをTV に注いでいた。
 アリマツが受電する最後の特選通販コーナーが放映されている。今回のピックアップ商品は、老舗すき焼き店のA5 ランク黒毛和牛セットだ。7 種類のミートギフトから、最大3 つまでを組み合わせて申込できる。
 TV 画面の中では、来年の大河ドラマに出演が決まっている女優と、バラエティに多く出演しているお笑い芸人が、もも肉のすき焼きと、ロース肉のレアステーキに舌鼓を打っている。イズミの胃が空腹メッセージを発し始めた。普段なら夕食を食べている時刻なのに、立ち会いという業務中のため、席を立つことができない。
 入電が一段落した18 時過ぎに、三喜羅(さんきら)というお菓子とお茶が出された。根津副部長がOP たちをねぎらうために名古屋駅まで買いに行かせたということだった。初めて聞く名前だったが、関東地方で見かけたことがないのは、賞味期限が極端に短い銘菓だからだとわかった。一口食べてみたイズミは、生麩とこし餡の絶妙なマリアージュに、思わず気が遠くなるほどの衝撃を受けた。これまで知らなかったのが心底悔やまれる。
 ただ、いかに美味なお菓子でも、夕食の代わりにはならない。OP たちは交代で休憩に出ていたが、イズミたちは座ったままだ。手を動かす作業があれば、まだ気が紛れただろうが、ここ数時間はそれもない。田代の提案を明らかに渋々ながら宇都が了承したため、受電処理は順調に進んでいて、二人のシステム要員は手持ち無沙汰だったのだ。それでも<コールくん>の担当である伊賀利には、たまにOP から質問の手が挙がっていた。対するNARICS は、DX 推進ユニットの全員が毎晩、夜遅くまでテスト繰り返したかいがあって、これまでのところページ上の表記に2 点ミスがあった他は問題なく稼働している。開発担当の一員としては喜ぶべきことだが、やることがないのは苦痛だった。ここでもスマートフォンの持ち込みは厳禁だし、作業用として用意されたPC は、ネットへの接続が許可されていない。紫吹の配慮で、しるこサンドが何枚か配られたので、イズミはそれをチビチビかじって空腹をなだめていた。
 番組で注文コードが表示されたので、イズミはやっと待機時間が終わる、と密かに喜んだ。すぐに注文の入電が入り始める。イズミは席を立つと、またNARICS を使っているOP 席の後ろに移動した。今回の商品では外部API は使用しないが、ギフトの組み合わせと発送先によって、クール便になったり、配達日指定の可/不可が変わったりする。そのロジックが正常に動作するかを確認するためだ。
 全てのギフト種類と、それぞれの組み合わせ条件が決定するのは、おそらく放送前日の夜になる、ということが、あらかじめQQS から連絡されていた。そのため、当初はOP に組み合わせパターンのプリントアウトを配付し、申込内容によって、発送条件を指定する、という方法で受電することが決まりかけていた。紫吹たちSV も、その想定でOP のトレーニングを行っていた。ところが、その話を聞いた根津が「何のためのCRM システムだ」と顔をしかめ、自動で発送条件を決定できるようにしろ、と命じたのだった。
 その対応として、<コールくん>とNARICS は、それぞれ異なる方法を選択した。NARICS は仮の商品マスタを作り、発送先住所と組み合わせた発送条件を算出できるようにロジックを組んだ。これならギフト種類が決定した時点で、商品マスタを入れ替えれば済む。
 一方、アイカワ製作所は、商品の属性をロジックに組み込んでおく、という方法を採った。肉の種類は、もも肉、肩肉、ロース肉、ヒレ肉の4 種類、料理種類は、すき焼き、しゃぶしゃぶ、焼肉、ステーキの4 種類なのは決まっているので、合計16 パターンとなる。そして組み合わせと配送先都道府県名を条件にした、大量のif とelse によって、発送条件を記述しておくのだ。もも肉すき焼き+東京都なら通常便、配送日指定可能、(ヒレ肉しゃぶしゃぶ)+(もも肉ステーキ)+沖縄県ならクール便、配送日指定不可という具合だ。
 進捗報告会議の席で、そのロジックが明らかになったとき、イズミは果たしてうまくいくのか、と疑問を抱かずにはいられなかった。カバレッジ率を高くするためには、比例してテスト工数が増大する。使える日数が潤沢とは言えないのに、全てをテストできるのだろうか。
 DX 推進ユニット内のミーティングで報告すると、田代、倉田、山下は一斉に呆れた顔になった。
 「どうやら」田代はメガネを拭きながら言った。「1 日しかない業務だから、とにかくこなせばいい、という考えみたいだな。再利用するアテもないのに、面倒なロジックを組みたくないわけだ」
 「私、CC の人に聞いたんですけど」山下が言った。「どうやら<コールくん>って、業務を最終テストにしてるような感じなんですよね」
 「どういう意味ですか?」
 イズミが訊くと、山下は、想像なんですけど、と前置きして続けた。
 「スケジュール内ではテストが完了しないのに、業務開始は延期できないから、とにかく強引にスタートしますよね。当然、ボロボロ不具合が出る。それを次の日までに修正する。またバグが出るから、次の日までに修正。これが最初の何日か続くのが通例で、CC の人たちは、CRM システムってそういうものだ、って思ってるみたいですねえ、どうも」
 「似たような話は私も聞きました」倉田も言った。「前に、どっかのCC のSV が文句を言ったらしいんです。まともにテストもやってないのか、みたいな。そしたらアイカワだったか、宇都さんだったかが、Windows だって数千人体制でテストやって、数倍のベータテスターがテストやって、それでもバグが取り切れない。ソフトウェアっていうのはそういうものなんです、と答えたんだとか。新しいタイヤの慣らし期間みたいなものだと」
 「そもそも、これまで今回のように1 日だけのスポット案件って、ほとんどなかったらしいな」田代が腕を組んだ。「短くても一週間とかで、その場合は<コールくん>を使わず、Excel に入力してたみたいだ」
 「だから冗長になっても、if とelse でしのごうとしてるんですか」
 「一概に間違っているとは言い切れませんよ」倉田が考えながら言った。「よく、ユニットテストは泥臭く作れ、と言うじゃないですか。ユニットテスト内に複雑なロジックを入れると、テストのテストが必要になる、ってジョークですけど」
 「でも今回のやり方は、さすがに論外な気がしますね」イズミは呟いた。「アイカワはちゃんとテストやるから問題ないって豪語していましたが」
 「ふん」田代が鼻で笑った。「どうせ何か不具合が出るに決まってる。10 対1 で賭けてもいいよ」
 田代の言葉には、おそらく根拠以上に偏見が混入していたのだろうが、<コールくん>に何らかの不具合が発生するだろうとの予想に反対するメンバーはいなかった......
 その予想は当たり、黒毛和牛セットの申込についても、当然のように問題が発生した。入電が入り<コールくん>使用のOP が受電処理を開始した直後、すぐに数本の手が挙がったのだ。もはや二人のSV は驚きも怒りもしなかった。またか、と言いたげな表情を浮かべただけだった。
 「伊賀利さーん」紫吹がうんざりしたように呼んだ。「これ、東京都なのに配送日指定不可になってるんですけどね」
 呼ばれた伊賀利も、そろそろ感覚が麻痺してきたのか、狼狽することなく状況を確認すると、すぐに横浜CC へ連絡した。待つほどのこともなく「今日中には修正できない」という回答を得て、そのままSV たちに伝えた。
 「それで」紫吹は醒めた声で訊いた。「受電処理は、どう対応すればいいんですか」
 「えーと......あ、はい」伊賀利は受話器を差し出した。「御社の宇都さんです」
 紫吹は受話器を受け取るとスピーカーモードに切り替え、改めて対応方法を質問した。
 『当初の予定通り』宇都の太い声が答えた。『最終の組み合わせパターン表を印刷して、OP さんたちに配付して対応してもらえればと』
 答える前に紫吹は大きく深呼吸した。
 「ふざけてるんですか」
 『え?』
 「納品物のチェックはシステム課の責任じゃないんですか。中身の確認をしたんですか」
 『まあ、それなりに』
 「それなり?」軽蔑を隠そうともせず紫吹は訊いた。「1 日限定のスポット業務だってこと、理解してるんですか。明日の業務開始までに修正すればいいって問題じゃないんですよ。そんなことを改めて説明しないとわからないんですか。今日一日、まともに動いてないのはどういうことなんですか」
 『いや、そう言われてもねえ』内心はどうあれ、宇都は動揺を見せようとはしなかった。『ソフトっていうのは必ずバグがあるもので......』
 「ボーッと生きてんじゃねえよ」紫吹は吐き捨てた。「もういいです。DX の田代さんに代わってください」
 『......』
 しばらくして田代が代わった。紫吹が何か対応方法がありませんか、と訊いたところ、「こんなこともあろうかと」発送条件取得を行う簡易ページを用意してあるので、そちらを併用するようにしてください、と答えが返ってきた。
 すぐにURL がメールで伝えられ、紫吹はOP 全員にそれを共有した。止まっていた受電業務が動き出すのを見て、イズミは安堵した。今回の受電業務は、21 時までだ。SV たちはその後も残作業があるが、システムの立ち会いは必要ないので撤退できる。NARICS は胸を張って成功と言える成果を出せたので、久しぶりに何の憂いもなくぐっすりと眠れそうだ。
 手を挙げるOP が減ってきたのを見て、紫吹がイズミの席にやってきた。
 「もう<コールくん>はダメですね」紫吹は囁いた。「うちの営業は、今後もQQS の案件は取っていく方針なんですけど、今日みたいな1 日とか2 日ぐらいのスポットが多いようなんで。たぶん、次からは<コールくん>は採用しないことになると思いますよ」
 「そうですか」イズミは横浜と通話をしている伊賀利を横目で見ながら答えた。「とにかくNARICS が役に立つことを証明できてよかったです」
 「今日、何とか乗り切れたのも朝比奈さんのおかげです」紫吹は頭を下げた。「ありがとうございました」
 「いえいえ」イズミは慌てて手を振った。「仕事ですから。それに私は何も。田代さんのおかげですよ」
 謙遜しているわけではなかった。簡易ページの作成を山下に指示したのはイズミだが、それが可能だったのは、田代がほとんどの主要なロジックを、Teeda に依存しない形のAPI として準備しておいてくれたからだ。田代はしばしば「ヤバそうなところは、先回りしてトラップしとくのが常道だ」と口にしていた。実装経験の未熟なイズミには、少しピンと来なかった言葉だが、ようやくその意味が実感できた。
 「技術的なことはそうなのかもしれませんけど」紫吹は悪戯っぽい笑みを浮かべた。「朝比奈さんが進言しなかったら、田代さんは<コールくん>のトラブルに手を差し伸べようとはしなかったんじゃないですか?」
 思わず紫吹を見たが、その目には真剣な光が宿っていた。
 「そんなことは......」
 「そうですか? 私、こうみえて、人を見る目はちょっとばかりあるんです。もしかすると田代さんは、新システムの優位性を知らしめるため、というより、<コールくん>の評価を落とすことができるなら、今回のQQS 業務が失敗に終わることを許容していたんじゃないかな、と思うんですよね」
 「......」
 考え込んでしまったイズミを見て、紫吹は表情を和らげた。
 「ごめんなさい。別に田代さんを非難してるんじゃないんですよ。早めに<コールくん>を駆逐してNARICS に置き換えた方が、長い目で見れば会社の利益になる、という考え方なのかもしれませんし、それが正しいのかもしれません。私たちCC の人間は、どうしても目先の業務をこなすことだけを考えてしまうので、広い視野で見るということが難しいんです。忘れてください」
 紫吹は一礼すると、OP 席に行ってしまった。入電は落ち着いてきていて、OP たちの受電処理にも余裕が見られるようになっていた。まだ気を抜くことはできないが、それでもこのまま業務終了まで順調に受電をこなせるだろう、と楽観的な空気がユニット内に広がっているようだ。そんなOP たちをぼんやりと眺めながら、イズミは紫吹の言葉を考え続けていた。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 11 月1 日。
 9 時に名古屋駅を出たイズミは、11 時過ぎに会社に着いた。田代からは午後からの出社でいい、と言われていて、一度自宅に荷物を置きに戻る予定だったのだが、イズミは新横浜駅からブルーラインで桜木町駅に直行した。田代と話がしたかったからだ。
 DX 推進ユニットにいたのは倉田だけだった。山下は前日の振替休日で、新人たちは何度目かのオンラインJava プログラミング研修で会議室にいるはずだ。
 「おつかれさまです」イズミの姿を見て倉田が笑った。「大変だったみたいですね」
 「おつかれさまです」イズミは室内を見回した。「田代さんは?」
 「昨日の件で、報告会議に呼ばれてます」
 「トラブルのことですか」
 「聞いたところだと、トラブルの釈明をしなければならないのは、宇都さんのようですね。田代さんは迅速に対応策を打ち出したということで、むしろ賞賛されているようです。少なくとも椋本副部長はそう言っていました」
 「それはよかった」イズミは自席に座るとPC を起動した。「とにかく土砂降りにならなかっただけで私はホッとしてます」
 「は?」
 「あ、いえ」イズミは慌てて顔の前で手を振った。「なんでもありません」
 「社内でも昨日のQQS 業務は話題になってるみたいですよ。アリマツ通信、見てみてください」
 イズミはOutlook を開いた。いつものように9 時ちょうどにアリマツ通信が届いている。土井も今日は振替休日だったはずなので、昨日の夜、書き上げて配信設定したのだろう。

◆アリマツ通信 2021.11.1
 QQS 業務終了
 昨日、QQS 業務が予定通り行われました。
 途中で一部、受電システムの不具合が発生したものの、DX 推進室田代さんの指揮の元で、新システムNARICS の機能を流用することで無事に終了しています。
 業務終了後、名古屋CC の根津副部長からは「全社を挙げての協力体制のおかげで無事に乗り切ることができました。感謝します。特に突発したトラブルに対して、担当外のシステムであるにも関わらず、素晴らしい対応をしてくれたDX 推進ユニット田代さんには、感謝してもしきれません」とのお言葉を頂いています。
 またQQS ユニットの紫吹SV からもNARICS の品質に対する賞賛と、田代さんへの感謝の言葉が届いています。
 営業担当の話では、QQS 社もアリマツの応答率には満足していただけたようで、継続して受注できる見込みがかなり高い、とのことでした。これを機に、新たな販路が開けるといいですね。


 文 総務課 土井

 

 「いいんですか、これで?」
 倉田の意味ありげな言葉に、昨日の苦労を思い出していたイズミは顔を上げた。
 「何がですか」
 「功績がみんな田代さんのものになってるじゃないですか」
 「事実ですから」
 「でも、朝比奈さんや山下さんの努力に全く触れないのもどうかと思います。今朝の田代さんを見せたかったですよ。椋本さんに対して、全部自分が指示した、みたいな言い方をしてたんです」
 「結果的に業務が成功したんだからいいじゃないですか」
 倉田は呆れたように首を横に振った。
 「私だったら、自分がやったことはちゃんと主張するし、評価もしてもらいたいと思うんですけどね。エンジニアなら当然のことです」
 「そういう自己主張をしたいとはあまり思わないので」
 「そういう問題じゃないんですよ」
 いつになく倉田の口調が厳しかったので、イズミは座り直した。
 「何が言いたいんでしょうか」
 「仮にですよ、昨日、山下さんではなく私が出勤していたら、田代さんも私の名前を出したんではないか、ってことです」
 「......それはつまり、山下さんが女性だから、という意味ですか」
 倉田は頷いた。
 「以前にもそんなことを言ってましたね。私、それから、それとなく田代さんを注意して見ていたんですが、そんなあからさまに男女差別をするような人ではないと思います」
 「意識して差別しているとは思いません」倉田は冷静に答えた。「無意識のうちに、女性の功績をフィルタリングしてるんじゃないかってことです。私に言わせれば、そっちの方がたちが悪いですね」
 「それにですね、田代さん、どうも朝比奈さんに対しては、何というか壁を作っているような気がします。いい面だけを見せているような。理由はよくわかりませんが」
 イズミはさりげなく目を逸らした。
 「なんでこんなことを言うんだ、って顔してますね。以前、3 年ぐらい常駐してた会社で、実装部門のリーダーだった人が、そういうタイプだったんです。今どき、こんな人が淘汰されずに生き残ってるんだ、と進化論に逆行するような人で。クライアントとの打ち合わせに連れて行くのは、絶対に男性社員。女性社員はどんなに優秀でも、データ入力とかドキュメント作成とか、はっきり言えば代わりがきく業務ばかり。実装で女性社員がロジックを提案しても薄笑いを浮かべながら話を聞くだけ聞いて、結局なんだかんだ理由つけて却下。逆に男性社員の提案は、真剣に聞いて検討するしアドバイスもする。そんなのばっかりでした」
 「それだとパワハラ認定は難しいでしょうね」
 「難しいですね」倉田は認めた。「仕事上の成果はしっかり残す人だったので、仮に女性社員が訴え出ても、単に能力の差だと言われればそれまでです。私がいた期間だけでも、女性プログラマが二人、退職しました」
 「昨日、田代さんは、私の提案をちゃんと受け入れてくれましたよ」
 「それだって田代さんの中では、朝比奈さんの得点ではなく、俺の得点に自動変換されたりしてますよ」
 「そんな......」
 「ま、私や山下さんはいいですよ」倉田は頭の後ろで手を組み、身体をオフィスチェアに預けた。「契約社員だし、そこまでこの会社に思い入れがあるわけじゃないので。イヤになったら次の契約更新時に解約を申し入れればいいだけです。でも朝比奈さんは、そうじゃないんでしょう? それに新人にも女性がいるし、なんと言ってもこの会社の8 割は女性です。後々、トラブルの種にならないといいんですが」
 「トラブルですか」
 「はい。心の中は知らず知らずのうちに表に出るものだし、私の経験だと、女性の方が得てしてそういう空気には敏感なものです。田代さんは女性の意見は聞かない人だ、なんて評判が立ったら、せっかく軌道に乗り出したDX 推進ユニットの先行きも怪しくなります。私の完璧な職務経歴書に傷が付くような事態は避けたいんですよ。それには朝比奈さんに何とかしてもらわないと」
 イズミは笑った。
 「私に何を期待してるんですか。プログラマとしての経験なら、倉田さんの方が豊富じゃないですか。それに」イズミは付け加えた。「男性だし」
 「それは私の職務範囲の外ですね」倉田は素っ気なく答えると、スマートフォンを持って立ち上がった。「すいません。午後イチで、打ち合わせが入ってるので、早めにランチ行ってきます」
 「ちょっと」イズミは慌てて引き留めた。「私にどうしろと......いえ、どうすればいいと思いますか?」
 「田代さんと話をしてみるしかないんじゃないですか。それができるのは、今のところ、朝比奈さんだけです」
 倉田が出ていってしまうと、イズミは思わずため息をついた。田代と話をしなければならない項目が増えてしまった。

 (続)

 この物語はフィクションです。実在する団体名、個人とは一切関係ありません。また、特定の技術や製品の優位性などを主張するものではありません。

Comment(8)

コメント

匿名

餡麩三喜羅!

yupika

DX 推進ユニット田村!w
いいんですか?これでで笑ってしまった。

ここでアリマツ通信が真ん中でくるのいい構成だわ

匿名

五歳児に叱責される宇都

とおりすがり

アリマツ通信内の「田村さん」はどたばたぶりを表現するため、"査読しないままに土曜日時点で予約投稿した"かったんですよ、きっと(違。

匿名

さんきら、美味しいですよね
あんこ苦手な父もあれだけはうまいと言ってました
(愛知県三河地方出身)

リーベルG

yupikaさん、ありがとうございます。
なぜ「田村」になったのか(笑)

匿名D

ふと、宇都氏と田代氏を共倒れに追い込んで、
イズミ嬢が天下を取ればいいじゃん、という考えが脳ミソをよぎった。
野沢女史とのパイプもある、プラットフォームはもう手に入っているんだし。

匿名

当地で手に入りそうなのは、しるこサンドくらいか…

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