テストエンジニア時代の悲喜こもごもが今のわたしを作った

好奇心は仕事の合間に食べるお菓子みたいなもの

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 こんにちは、第3バイオリンです。

 わたしは昔から好奇心が強く、しかも本来の問題とは関係ないことばかりが気になる性格です。

 まだ新人だった頃、配属されたプロジェクトのリーダーに開発しているモジュールのコードを渡され「これ見てわからないことがあったら質問して」と言われたので「この変数名にcolourって単語が使われてますが、どうしてイギリス英語なんですか?」と尋ねてあきれられたことがあります。

 そんな性格なので、テストに携わるようになった今でも担当作業と直接関係ないことが気になって仕方ないことがあります。しかしそういうときに湧いた疑問を調べてみると、面白いことがわかることがあります。

 今回はわたしの好奇心が生み出す、ちょっとした楽しみについて書きたいと思います。

■さまざまな用紙サイズとの格闘

 わたしが評価部署に異動したばかりのころ、ドキュメント編集・印刷用アプリケーションのテストをする機会がありました。そのときのテスト対象はメジャーバージョンアップだったので、新規機能はもちろん、既存機能もひととおりチェックすることになりました。その中には用紙サイズのチェック項目もあり、サポートされるサイズのほぼすべてを実際に印刷して確認する必要がありました。

 テスト対象となる用紙サイズの種類は日本の規格だけでなく、欧米のレターやリーガル、Office系まで多岐にわたりました。今まで見たこともないようなサイズの用紙と格闘しながら、わたしは「もう、どうして紙ってこんなにサイズの種類が多いのよ!」と思わず心の中でキレてしまいました。

■日本の用紙サイズはなぜAとBの2種類あるの?

 しかし、キレた瞬間「そういえばどうしてこんなに種類があるんだろう?」と冷静な疑問が浮かんできました。

 「日本と欧米で規格が違うのはまだわかるけど、そもそも日本の規格にA版とB版の2種類があるのはなぜだろう?」

 別に用紙サイズの意味や由来なんか知らなくてもテストはできます。しかし、わたしは気になりだすと調べずにはいられない性分なので、その日帰宅してからすぐに調べてみました。その結果、なかなか面白いことがわかりました。

 A版のほうは明治時代にドイツの規格を取り入れたサイズで、B版というのは江戸時代に公用紙として使用されていた美濃紙という紙のサイズなのです。だからB版というのは日本独自のサイズ規格なんですね。明治時代に欧米に合わせるためにドイツの規格を取り入れたものの、日本人が長い間なじんできた美濃紙もそう簡単には捨てられない、というわけで2種類の規格が残ったのでしょうか。

 たぶん印刷関係の仕事をしている人にとっては常識だと思いますが、わたしにとっては新たな発見でした。

■知るを楽しむ

 こうして、またひとつ雑学の知識が増えました。繰り返しますが、こういうことは別に知らなくても仕事に支障が出るわけではありません。むしろ、「そんなこと気にする暇があったらもっと仕事しろ」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

 しかし、わたしは「知らなくてもいいけれど、知っていた方が楽しい」と思います。それこそお菓子みたいなもので、なくても生きてはいけるけど、あった方が楽しくて生活に彩りが出るというものです。もちろん、お菓子を食べてばかりで仕事が進まないなんてことはあってはいけません。そこはわきまえて、ほどほどに楽しんでいます。

 わたしは知るということ、それ自体が単純に楽しいのです。おそらく死ぬまで退屈している暇はないでしょうね。

Comment(8)

コメント

にゃん太郎

おはようございます、第3バイオリンさん。

> わたしは「もう、どうして紙ってこんなにサイズの種類が多いのよ!」と思わず
> 心の中でキレてしまいました。

 私は今、ドキュメント作成・編集のソフトを作っているのでこれはよーく分かります。ドキュメント関係のテストの場合、出来上がりを目視しないとダメなので自動化出来ませんよね…これが結構悩みのタネでテストするには結構な時間と人手が必要です。開発ですら充分な人手がないのに(涙)

# そんな理由もあってなかなかコラム書けないのが悩みです。
# 今月末には展示会もあるし…

インドリ

仲間発見♪

> わたしは知るということ、それ自体が単純に楽しいのです。おそらく死ぬまで退屈している暇はないでしょうね。

そうそう♪楽しいですよね♪
私も物心ついた時から好奇心が旺盛で、その知的好奇心を満たしてくれそうなのが情報処理技術だったので技術者になりました。

saki1208

第3バイオリンさん、こんばんは。

何となく分かる気がします。

私も新しい技術や言語なんかを調べたり試してみたりするのが非常に好きです。
同じ内容(お客様/言語)の仕事を繰り返し続けることについて非常に苦痛に感じ
ます。
# 選り好みしてたらご飯が食べられませんけど。
# というか選択権はありませんのでorz

技術者としては好奇心旺盛ってのは大事だと思います。しかし、往々にして余
計な場合も...
# 関係ない案件に首を突っ込んでみたりとか

ガジェット大好きですし...
# iPod touch(1G) やiPhone 3G は速攻で買ってしまった。ついでにアプリも
# 作ってみようとMac まで買ってしまいました。去年の7月はエラい出費でし
# た。
# 3GSはパスしましたが...

お父さんのお小遣いは少ないのに...

第3バイオリン

にゃん太郎さん

こんばんは、コメントありがとうございます。

>ドキュメント関係のテストの場合、出来上がりを目視しないとダメなので自動化出来ませんよね…

そうなんですよね。
一番面倒なのが「ユーザー定義用紙」だと思います。
紙を切るところから始めなくちゃいけませんから。

># そんな理由もあってなかなかコラム書けないのが悩みです。
># 今月末には展示会もあるし…

あら、お忙しいんですね。
コラムは無理せず続けてください。
楽しみにしています。

第3バイオリン

インドリさん

こんばんは、コメントありがとうございます。

>仲間発見♪

わー、そう言ってもらえると嬉しいです。

>私も物心ついた時から好奇心が旺盛で、その知的好奇心を満たしてくれそうなのが情報処理技術だったので技術者になりました。

私も小学生のころから科学大好きっ子で(学研の「○年の科学」が愛読書でした)
いつも世界の謎と不思議を追いかけていました。
そのまま技術者になって今も追いかけ続けています。

少しでも世界のことを知りたくて学んできましたが、いくつになっても世界は謎と不思議に満ちています。

第3バイオリン

saki1208さん

こんばんは、コメントありがとうございます。

>私も新しい技術や言語なんかを調べたり試してみたりするのが非常に好きです。

技術者というのはこの世にまだ存在していないものを考え出して作り出す仕事ですから。
新しいことを学ぶのを楽しめないとキツイですよね。

>技術者としては好奇心旺盛ってのは大事だと思います。しかし、往々にして余
計な場合も...
># 関係ない案件に首を突っ込んでみたりとか

確かに、いらんことに首を突っ込んで痛い目に遭う、ってのはたまにあります(苦笑)。

>お父さんのお小遣いは少ないのに...

ありゃま。大変ですね。
がんばってやりくりして下さい。

友ぞう

第3バイオリンさんこんにちは。

ああ、わかりますよ。
気になりだしたら調べないと気がすまないっていう気持ち。
でも、こういうことって意外と後々役に立つこともよくありますよね。
(役に立たないどーでもいいことの場合が多いですけど・・・)
プログラム書いてて、わからないことがあるときにヘルプ調べてると
ついでに余計なことまで調べていったりすることもあるし。

ちなみに、わたしの中でものすごく気になって調べたことは
「たらこ」と「めんたいこ」の違いって何?
とか、「こんにちは」の「は」は何だ?とかでした。

ほーら、これでまた調べたくなったでしょ(笑)

第3バイオリン

友ぞうさん

こんばんは、コメントありがとうございます。

>でも、こういうことって意外と後々役に立つこともよくありますよね。
>(役に立たないどーでもいいことの場合が多いですけど・・・)

雑学クイズを家族で見ていて、先に答えを言うと「よく知ってるね」と感心されます。
ただし調子に乗りすぎると「ウザい!黙って見ろ!」と叱られてしまいます(苦笑)。

>プログラム書いてて、わからないことがあるときにヘルプ調べてると
>ついでに余計なことまで調べていったりすることもあるし。

これもよくありますね。
辞書や百科事典で調べ物をしている最中に、同じページに気になる言葉や物があるとつい熟読してしまいます。
(普通、辞書や百科事典って「読む」ものではないような・・・)

>ちなみに、わたしの中でものすごく気になって調べたことは
>「たらこ」と「めんたいこ」の違いって何?
>とか、「こんにちは」の「は」は何だ?とかでした。

>ほーら、これでまた調べたくなったでしょ(笑)

ああっ!そういえばそうだ!
どうして今まで気がつかなかったんだろう!
ちょっと調べてみます!

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