テストエンジニア時代の悲喜こもごもが今のわたしを作った

テストエンジニアのキャリアを考える(その3)――わたしの行く道

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 こんにちは、第3バイオリンです。

 今回は、(その1)(その2)をまとめて、今のわたしの目標と、目標を達成したその先のことを考えていきたいと思います。

■当面の目標

 今、わたしには目標が3つあります。

  1. 応用情報技術者試験に合格する
  2. テストリーダーになる
  3. 主任に昇格する

 目標があるのはいいのですが……。早くて今年中、遅くても2~3年後ぐらいには達成してしまいそうな目標ばかりですね。5年、10年先の目標はないの? と思う方もいらっしゃるでしょう。そういう中長期的な目標はというと……今のところ、ありません。

■中長期的な目標って必須ですか?

 よく、「エンジニアなら目先の目標だけでなく、5年、10年先のことも考えなくちゃダメだよ」という人がいます。わたし自身、先輩や上司からよく言われてきました。もちろん正論だと思います。

 それでは、5年、10年先の目標がない人はエンジニア失格なのでしょうか? 以前のわたしは目先の目標しか持てない自分をダメ人間だと思っていました。でも、今はそうは思いません。

 なぜなら、先のことは分からないのが当然だからです。誤解しないでほしいのは、分からないから目標を持っても仕方ない、と開き直っているわけではないということです。考えても先のことが分からないときには、とりあえず目先の目標に全力投球すればいいのです。それで、その目標が達成されたときには、また次の目先の目標を見つければいいのです。そう思えるようになって、気持ちがずいぶん楽になりました。

 わたしは、目標とは旅に持っていく地図のようなものだと思っています。5年、10年かけて世界旅行をするなら、世界地図が必要でしょう。でも、今のわたしには自分の住む町と、その周辺の地図があれば十分です。それで隣の町に着いたら、今度はその町の地図を手に入れる。しばらくはそうして、少しずつ進んでいけばいいのではないかと思っています。

■わたしの前に道はない

 しかし、地図さえ持てば100%安心とは限りません。現地に行ってみないと分からないこともあります。実際にその土地を歩いてみると、地図には載っていない石ころにつまずいたり、ドブに落ちたりすることがあるかもしれません。時にはアクシデントが起こって、進路変更するはめになるかもしれません。結局のところ道はあってないようなものです。

 だからわたしは、後から来る後輩たちのために、地図にない情報を残して歩きやすい道を作りたいと思っています。わたしが石につまずき、ドブに落ちたりしながら歩く姿を見て、後輩たちが石やドブを避けてくれると嬉しいですね。もちろん中には、あえて石やドブのあるところに突っ込んでいく人もいるでしょう。一度、痛い目に遭っているわたしとしては止めたいところですが、それでも行くというのであれば無理に引きとめはしません。もしかしたらその人は、わたしがつまずいた石をうまくよけて、わたしが落ちたドブを見事に飛び越えるかもしれないのですから。

■わたしの後に道はできる……とは限らない

 後輩たちに道を残したいという想いはあります。しかし、わたしの歩いた道を後輩が同じようにたどるとは限りません。

 中国の作家、魯迅の「故郷」という小説にこんな一節があります。

 「もともと地上に道はない。歩く人が多くなればそれが道になるのだ」

 わたしの足跡は、誰かがたどることで「道」に変わっていくのでしょうか? それとも誰も通ることなく草に埋もれて忘れ去られていくのでしょうか? どちらになるのかはわたし自身にも分かりません。でも、どちらになっても構わないと思っています。道を残したいという想いとは矛盾しているかもしれませんが、それはわたしの意志だけでは決まらないことなのですから。

 ただ、自分が行く道について後悔はしたくないと思っています。目標を達成しても、達成前に予想していた利益や効果が得られるとは限りません。それでも、自分が選んだ道なのだからこれでよかったのだと思えるようにしたいです。28歳にして、自分の選択に責任を持つという大人の道をようやく歩き出しました。

 今回でわたしのキャリアに対する考察はひとまず終わりです。歳を重ね、地位やライフスタイルが変化すれば考え方が変わるかもしれません。もしかしたら、世界地図を持って旅立つ日が来るかもしれません。

 今は小さな地図を携え、いつか自分の足跡が道になることを信じて歩いています。

Comment(3)

コメント

組長

私も29歳にして初めて、キャリアパスというものを考え始めました・・・。でも、相変わらず5年先、10年先のことは具体的には考えられないです。

コラムの執筆が進む前に目標とするヘルプデスクの姿が見えてしまったので、とりあえず今は「いつ」そうなるかを考えて停滞するよりも、先に「いかにして」目標へ到達するのか、何が自分に足りないのかを考えることにしました。少しずつ、進みましょう★

第3バイオリン

組長さん

>私も29歳にして初めて、キャリアパスというものを考え始めました・・・。
>でも、相変わらず5年先、10年先のことは具体的には考えられないです。
キャリアパスっていうのは案外そういうものかもしれませんね。
私にいろいろ言ってきた先輩方も、本当に10年先のことまで考えているのか、
ちょっと怪しいなと最近では思うようになってきました(苦笑)。

結局のところ、遠い未来がどうなるかは誰にもわかりませんが、
見える範囲で自分のやりたいことや、なりたい姿を見つけて実現させていきたいですね。
私は、自分がなりたい姿が見えている組長さんを素敵だと思います。

悩める組長さんのために、ここで小ネタをひとつ。
西洋占星術では、29歳っていうのは転機の歳らしいです。
人が生まれて29年たつと、土星がぐるりと一回りして最初の位置に戻ってきます。
だから29歳前後の時期を「サターンリターン」といいます。
土星というのは破壊と再生の神様の星なので、サターンリターンの時期に
今までの自分から新しい自分に脱皮して一段上のステージにあがる人が多いそうです。
この時期は本人の意思とは関係なく劇的に成長し、良くも悪くも自分が何者がわかってしまう時期なので結構キツイです。
成長のために乗り越えるべき試練がやってくる上に、今までの考え方ややり方がことごとく通用しなくなる時期です。

私自身、結構キツくなってきました。
組長さんも同じか、それ以上にキツイと思っているのではないでしょうか。
でも、この時期を乗り越えれば新しい世界が待っているはずです。
(占いを盲信する気はありませんが、こう思えばたとえ辛くても必要以上に落ち込んだりしなくてすみます)
今は道半ば、お互いに乗り越えていきましょう!

組長

第3バイオリンさん

>私は、自分がなりたい姿が見えている組長さんを素敵だと思います。
ありがとうございます★うるうる。

私、占い大好きなんです!自分のサターンリターンについて調べてみました。私が生まれたとき、土星はおとめ座にありました。土星がしし座からおとめ座に入った2007年9月頃にサターンリターンが始まり、おとめ座から抜ける2009年10月の終わり頃まで続くみたいです。おぉ、そういえば、何となく思い当たるフシがいろいろと!!まだ半年ぐらいあるみたいなんで、頑張りまっせー★

占いに関係なく、28歳、29歳を経て30歳に至るまでの数年間って、これまで許されてきた甘えが許されないというか、やはり1段階上のレベルを要求されるようになる時期ですよね。まさに「大人の階段 登る~♪」ですね。フフフ。大人の階段とやらを駆け登ってやろうじゃあーりませんかっ!

>今は道半ば、お互いに乗り越えていきましょう!
はいっ!頑張りましょうっ!!

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