フリーランスで法人化はちょっと微妙かも
こんにちは、手塚規雄です。
最近、フリーランスのかたに法人化についての相談が続いてあったので、コラムの方でも改めて書こうと思いました。
以前のコラムと違うこと言います
「【35】フリーランスと法人と会社設立に関するあれこれ」(http://el.jibun.atmarkit.co.jp/noriwo_t/2015/02/post-3852.html)
数年前にこんなコラムを書きましたが、今では意見を変えています。ITエンジニアのフリーランスだけの仕事なら法人化しないほうがいいと思っています。その理由は3つあります。
・法人化して経費の幅を広くしてもトータル収支はマイナスになるケースが多い
・会社の解散という手続きが発生する
・法人の有無で個人の信用はかわらない
経費の幅が広くなっても節税効果はそれほどでもない
法人化のメリットとして大きいのは節税効果と言われています。でもITエンジニアの経費がそもそもありません。レンタルサーバや各種ハードウエア・ソフトウェア購入費、交通費、交際費、研修費ぐらいかな。それによる節税効果と赤字でも支払いが発生する法人税、東京の場合は7万円ですが、どっちが大きいのか?をしっかり考える必要があります。
それ以上に金銭面で辛いのは社会保険料です。健康保線や厚生年金加入の魅力はあるかもしれませんが、事業主分と従業員分とで支払うため、びっくりするぐらいの額を支払うことになります。もし手元に給与明細があれば、記載されている社会保険料、それを倍にしてください。嫌になるよう金額ですよね。
それを考えると個人事業主のほうが、金銭面だけ考えればよいのかもしれません。
法人は作るのも解散するのもお金がかかる
個人事業主の場合は所轄の税務署に開業届を1枚提出するだけです。でも法人の場合は、お金がかかります。もちろん少額で代行してくれるものもあります。私も現在の税理士事務所にサービスでやっていただきました。それは楽だったし、今でもお世話になっているので、今でも感謝しています。
じゃあフリーランスを辞めたくなった場合、個人事業主は廃業届のみですが、法人は解散の手続きが発生します。それはそれでやっぱりお金がかかります。
それも考える必要があるので、私のように二度と会社には就職したくない!と思う人だけが法人を作ったほうがよいと思います。相談する人はそこまでの意思がない方が多かったです。逆に私のような人はアドバイスを聞かないで猪突猛進で法人作る人多いですけどね。
仕事に関する信用は法人の有無じゃ変わらない
初対面の方とは法人を持っていたほうが印象は良い。やはり法人を持っている人の比率は少ないで、それだけに勝手に凄いと思われます。それはあくまで初対面の話。フリーランスは仕事の出来については個人の能力で判断されます。当たり前の話です。むしろ法人持っていて、能力がショボければ逆に悪印象にもなります。
あと法人持っているというと、次の話題は会社の規模や従業員の人数になります。私のように一人法人ですよと答えると相手の想像した「社長」というイメージとも違うことが多いようです。そのため「なんだ大したことないヤツじゃん」というオーラを発している人もよく見かけます。実際、普通の人なのでいいですけど、あからさまにガッカリされるとそれはそれでちょっとだけですが「イラッ」とします。
節税より法人化が怖い?
節税の事であれこれ聞かれますが、それ以上に実際にお仕事はどうなのかもついでに聞かれます。話を聞いていると、こっちのほうが本題のようで、どうも法人化に抵抗を感じているようです。そのもとはどこから来るのかわかりませんでしたが、自分自身で抵抗を感じることは辞めたほうがいいですね。
あくまで想像ですが、自分には法人化する資格がないと感じているのかもしれません。世間では経営者はこうあるべきだという意見もありますが、一人法人や家族法人であれば従業員も居ないし、そんなの知ったことではありません。他人に迷惑をかけないことも大事ですが、それ以上に自分にわがままに生きることも大事なことだと思っています。
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