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2月2日 月曜日、心臓を切った(1) えっ? 僧帽弁閉鎖不全症?

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Murave

 手術を受けたので、切ったというより切られたわけですが。

 そんなわけで、実は現在休職中の村部@ランカードコムです。なかなかない(したくもないですよね)体験ですのでネタにしちゃおうかと思います。

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■風邪かな?

 昨年のクリスマス、体調不良で会社を早退しました。残念なことにデートのための仮病などということもなく、吐き気、頭痛に「こりゃ風邪かな?」

 仕事に一区切りついた日でしたので、「気がぬけて体調を崩す、いつものパターンかねぇ」などと思いつつ帰宅。熱はありませんでしたし、正直出かける元気もなかったので、自宅で安静にしておりました。

 翌日、26日の金曜日にはほぼ回復。弊社の年内最終営業日でしたので、大掃除して夜は忘年会(飲酒は避けましたが)と普通に過ごし、そのまま年末年始のお休みに入ったのでした。

 休みの間はずっと安静にしていたのですが、断続的に軽い頭痛、吐き気が来るのが治まらず、「なかなか全快しないなぁ」といった感じでした。

■何かが違う

 正月があけてすぐに近くのクリニックへ。診療を受けに病院へ行くのは数年ぶりです(仕事ではよく伺うのですが)。面倒なんですよねー、通うのが。しかし今回は「いつもと何かが違う」と感じたので、急いで行ったのでした。

 診察の結果、やはり風邪ではあったのですが、意外なところに異常が見つかりました。心臓に雑音があるというのです。

 かなりハッキリとした異音らしく、健康診断などで指摘を受けたことがないかと何度も訊かれました。医療関係の会社のシステムエンジニアだった2年前までは定期的に健康診断を受けていましたが、そのような指摘を受けたことはありませんでした。初めてのことです。

 施設的に心臓の検査はできないとのことで、心臓専門医がいらっしゃる病院を紹介していただくことになりました。

 心臓に雑音と言われても「何かの間違いじゃないの?」って思っていました、この時は。ドクターに対して失礼な考えではありますが、信じられなかったのです。

■僧帽弁閉鎖不全症?

 1月13日、紹介していただいた病院で受診、検査で『僧帽弁閉鎖不全症』と判明しました。この病気は左心室の入り口の弁、僧帽弁が正しく閉じず血液が逆流するという病気です。心エコーの映像を見せていただきながら説明を受けましたが、わたしの場合、弁が正常に閉じずに反対側まで落ち込んでしまっている状態でした。原因の可能性としては「弁をひっぱって止めるはずの腱策(けんさく)が切れているのではないか?」とのことでした。

 「最近強く胸を打ったことは?」

 「感染で切れることもあって、その場合、高熱が出たりするんだけど。何かなかった?」

 まったくもって覚えがありません。

 より詳しく検査する必要があるとのことで、心臓外科のある病院を紹介していただき、その場で検査入院の予約までしていただきました。早いにこしたことはありませんが、1日猶予をとって15日からの入院にしていただきました。社内への報告と相談をしておかなければなりません。

 まだ手術になると決まったわけではありませんが、そうなった場合、数カ月間は仕事ができないことが予想されます。影響を受ける可能性がある方々にはなるべく早くお話しする必要がありました。

 そして、手術になる可能性が低くはない、と感じていました(電話で検査入院の相談をドクター同士がされていた際に、「今までに聞いたことないような音がしてるんですよ」なんて聞こえてきてましたから)。

■そんなにひどいんですか?

 検査入院し、心臓カテーテル検査を受けました。心臓カテーテル検査はザックリ言うと、血管からカテーテル(管)を挿入して心臓を調べる検査です。私の場合、右腕の動脈と静脈から2本を挿入しての検査でした。

 検査そのものはそんなに大変ということもなく、腕からの挿入だったこともあって検査後も比較的ラクでした(太腿からの心臓カテーテル経験者である父によると、検査後に動けないのは相当辛かったそうです)。でも、できることならもう受けたくない検査ではあります。完全に安全ってわけでもありませんし。

 検査後、家族を交え、ドクターから説明を受けました。重度の僧帽弁閉鎖不全症であり(ドクター曰く、「長くやってるけど、ここまでひどいのは自分も数例しかみたことがない」)、すでに心臓の肥大も始まっている。あまり自覚症状がないのが不思議。放っておけば命に関わる病気が引き起こされることが予想される

■手術、受けます。でも……

 まだ若いことだし早めの手術を勧める、とのこと。若いこともあり、幸い、手術の成功率は98~99%(さっきから若い々々と言ってますが、37歳。一般的には若いといえる歳じゃないです。心臓を患うのは高齢の方が多いので比較すればって話)、先のことを考えれば手術以外の選択肢はありません。

 1カ月以内なら心臓カテーテル検査をやり直さなくても済むということもあり、早い時期に手術を受ける意向をお伝えしました。

 そのまま手術入院という提案もいただきましたが、そういうわけにもいかないのが社会人。仕事の調整や引継ぎが必要です。それに3日間の検査入院のつもりで来たのに、そのまま長期入院ってのは辛い。

 「準備の時間をください」

■□■

 確かに「妙にダルイなぁ」と思ってはいたのですけど、歳とったせいかと。まさか、マサカの急展開。人生、何があるかわかったもんじゃありませんよ、まったく。

 あと、これは言っておきたい。

 「体調悪いときは病院にいこうぜ!」

 過去のオレ、聞いてっかー?

■□■

 実は僧帽弁閉鎖不全症と判明する直前、温泉旅行に行っておりました。

 酒、飲みました。露天風呂に入りまくりました。

 一緒に行った方から後に「心臓には最悪だったんじゃ?」とのお言葉をいただきました。

 まったくですね。

Comment(3)

コメント

ヨギ

こんにちは。コラムニストのヨギです。

オペ、ご成功おめでとうございます。
現在休職中とあり、安静の日々を送られているため、
落ち着いて記事を書けるのかもしれませんが、

それにしても、ご自分の命に関わること(しかも心臓!)を、
よくここまで淡々と書けますね。

内面の苦悩などが殆ど書かれていませんが、
その辺りは、「重くなる」ため、敢えて省略されたのでしょうか?

その辺りが知りたいです。
コメントというよりも、質問になってしまいましたが....

※恐らく(1)があるからには(2)があると思うので、
(2)でその辺りが明らかになるのでしたら、レス頂かなくても結構です。

村部@ランカードコム

ヨギさん、こんにちは。村部@ランカードコムです。

苦悩といいますか、心情的には普通に「まだ死にたくないなぁ」というのが当然基本にあります。
でも語尾に「なぁ」なんてついている。 ちょっとぼんやりしてるんですね。
現実逃避も入っていたのだと思います。

気持ちの流れとしては、こんな感じでした。

・心臓に雑音があるといわれる。
 「なにかの間違いであってほしいなぁ」
 「よりによって心臓か。まいったなぁ」
 「いやな予感がする」

・僧帽弁閉鎖不全症と判明。
 「なんで?原因は?」
 「しょうがない。早めに対処するべき」
 「手術になりそうな予感。仕事、調整しなきゃ」
 「それにしても心臓。親父も手術した。愛犬も心臓病もってた。呪われてるのか?」

もっとも気分が落ち込んでいたのは検査入院前のこの時期ですね。
病気について調べる。病状によって手術後の生存率が大きく変わるらしい。
でも正確な病状はまだわからない。軽いってことはなさそう、みたいな。

・心臓カテーテル検査前
 同意書にサインしながら「この検査で死ぬ可能性だってあるんだよなぁ」

・ドクターからの説明
 「手術、受けるしかない。受ける。なるべく早く」
 「この忙しい時期に長期離脱か。みんな、ごめん」
 「重度だけど、手術の成功率99%弱ということは発見、遅くはなかったんだ。ラッキーと考えよう」
 「しかし99%でも100人に1人は亡くなるんだよなぁ」

手術を受ける決断をしてからあとはいわゆる「まな板の上の鯉」状態。
気分的にはラクになりました。時間ができていろいろと考えたりもしましたが、
やりたいことが浮かんでくる感じで、どちらかというとポジティブでしたよ。

ヨギ

うーん....何度読んでも、
気持ちの動きは伝わってくるけど、淡々としている。

決して楽観的なのでも、何も考えてないわけでもない。
いや、周囲のことをよく見てるし、考えてる。でも......うーん...
※責めてるのではありませんから! 念のため。

イヤ実は私、昨秋、タバコも吸わないのに、
肺にはっきりした影があると言われて、肺ガンを疑われたんですよ。
精密検査もいろいろやりましてね。

結果、全くのシロだったんですが、検査そのもの、結果を待つ時間.....

あー家族を置いて、死ぬのかもしれないと思うと、ホント悲惨な心境で、
それに比べると村部さんの記事があまりに取り乱してないので、
フシギでフシギで........

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