東海地区で地場のSE業をやりつつ地元を盛り上げたいと画策

働き蜂は利益に貢献する?

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■どこまででも働ける人は報われるべき?

 企業からみて、その他の能力がまったく同一なら、月300時間労働可能な人とそうでない人、都合がいいのはどちらでしょうか?

 それは当然、可能な人の方でしょう。短期的には、無理がきいて後からそれがたたるかもしれないとか、世の中そう単純ではないですが、でも、できるできないで比べれば「できる」のは資本主義的に言えばある意味、能力の一種です。

 実際に、同じ仕事をしていて、メンバー増員が果たせない時に、同じようなポジションで同じようなスキルのメンバーが2人いたとします。一方は過残業で仕事を乗り切った。一方は健康上の問題でほぼ残業しなかった。とすると、残業代支払いという待遇の差が出るのを考慮に入れても、会社が過残業した方を高く評価する、ということ自体は批判できないと思います。また、やった当人からしても、評価してほしいという心情を抱くのはごくごく自然なことです。

■運も能力のうち? 選択も能力のうち?

 労働可能時間に自由が利きやすいかどうかといった観点では、本人の肉体的・精神的問題もありますが、それ以外の周辺事情もたくさん関連してきます。例えば、自分の親族の事情。家族の世話との両立などの事情がある人は、仕事と両立できる度合いが、本人の「運」次第といえます。

 また、結婚して家庭をもった場合には、配偶者や子どもとの問題が発生します。男性側の視点で見てみましょう。そもそも共働きしないで暮らせるだけ稼げているかどうかで大きく事情が違ってきますが、「妻」の体の強さも影響してしまいます。家庭をどれくらい犠牲にしても仕事が可能か、というのは、誰を「妻」にするかで変わってしまうのです。もっと言えば、子育てを考えた場合、自分もしくは相手の両親の協力を得られるかどうかは、仕事との両立に大きく影響してきます。双方の実家から離れた場合や、一方の実家と折り合いが悪い場合など、仕事に影響する場合があるのです。

 結婚における「配偶者の選択」というのも、仕事のパフォーマンスに影響してしまうのですが、それも待遇の差になってしまうかもしれないのです。

■ワークライフバランス

 上に書いてきたことは、また一面の事実ですが、「通常以上に働ける人」を優遇して会社を運営すると、人材の確保という点で結局は損をするという主張も見かけます。何につけてもバランスですよね。といっても、「最適」なバランスなんてものは単純じゃなくて、色々な企業があっていいのだと思います。お互い競争して、働く方にも選択肢があるというのがいいのではないでしょうか。

 「過重労働で大丈夫だと思っていたけど、その人が倒れてしまった」という話は、IT業界で長く働いていれば、残念ながら身近に実例を知っているのがごく普通の話です。「よく会社から『これ以上やらせたら倒れる、という限界の手前を教えて欲しい』と言われるけれど、それがわかったら医者は要らない」と健康管理業務に携わる人が言っていたのを聞いたことがありますが、これが企業の本音かもしれません。でも、実際に「限界」なんて誰にもわからないものです。家庭との両立でも、「熟年離婚」という単語が話題の昨今です。

■人生の選択肢

 過重労働云々は極端な例かもしれませんが、家庭の事情での早退・休暇の取りやすさ等々、仕事と自分の生活との両立がしやすい企業とそうでない企業とあります。同じ企業でも部署や上司で変わってきたりもします。

 どちらかというと現在の問題は、どの企業がワークライフバランスの観点でどういった現状にあるか、入社前にはなかなかわからない、ということかもしれません。選ぶ側も、自分の体や家庭環境といったものがどれだけ仕事に影響するかをどこまで予測して人生の選択をしているのでしょうか?

■女性の社会進出

 男性の場合だけで書いてきましたが、女性の場合で言えば、入社時には結婚後も仕事を続けたいと思っていたとしても、現実に結婚・出産・子どもの成長というターニングポイントでは退職を選択してしまうケースが少なくありません。家庭との両立という観点で、世の中で割を食うのは大抵、女性側です。そういう現実の中では、やはり雇う側が女性の処遇を平等にしないということが起きてきます。それが長期的によいことかどうかは別にして、現実に存在します。

 そして、女性が企業を選ぶ段階で、どれだけ理解があるかは事前にはなかなかわからないものです。また、女性が結婚する前に、男性がどの程度自分の人生を尊重できるのかというのも、案外わからないものです。結婚前の口約束がどれほどあてになるか。行動してなんぼですが、私の見聞きする中では、行動が伴っている男性というのは、そう多くないように思います。

 さて、あなたはどんな選択をしていますか? これからどんな選択をしますか?

Comment(1)

コメント

evergreen

わたしなんか、集中力が続かないので、
どこまでも働くなんて不可能なので、
どこまでも働ける人が評価されるのはかまわないですけど、
結局一定期間の中で見ると、成果が同じような物だったりするので、
不条理を感じてしまいます。
極論を言うと、プログラマーなんか、出来た物にお金を払ってくれればいいので、
労働時間で賃金が決まるのはおかしくないか・・・と思ったり。

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