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Mozilla Japanともじら組って何が違うの?

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■Mozilla Japanともじら組の関係

 Mozilla Japanともじら組って何が違うの? と聞かれることがよくあります。まずは、教科書的な定義から。

 Mozilla JapanはMozilla Foundationの日本支部(アフィリエイト)として、2004年7月に設立された非営利法人(有限責任中間法人)です。Mozilla FoundationがFirefoxの開発元であり、マーケティングの総責任を負っています。Mozilla Japanはその日本支部です。マーケティング活動を行っている他、 Firefox日本語化の責任を負っていたり、日本向けの機能対応(バグ修正)、企業向けの導入の支援等を行ったりしています。

 もじら組は2000年12月頃に設立されたコミュニティで、当時のmozilla.org製品の応援を広範に行っていました。現在はFirefoxの普及の支援のためにイベントを企画したり、日本ではユーザーサポートの存在しないFirefoxのために、互助コミュニティとしてメーリングリストや掲示板の運営を行ったりしています。

 さて、この2つの団体の関係はどうなっているのでしょう?

 良好です。

 ……では答えになっていないでしょうか。実際の所、Mozilla Japanももじら組も、設立当初とはメンバーがだいぶ入れ替わっていますし、設立当初とは外部状況がまったく変わっています。この2つの団体の間には、過去にいろんなことがありました。ですが、まぁ昔話は後日に回しておきましょう。

 もじら組設立当初、日本におけるMozilla製品にまつわる活動は、ほぼ、もじら組とその周辺に集中していました。もじら組界隈をウォッチしていれば、日本語圏でのMozillaを取り巻く動きは大体見えたのです。しかし、現在は「最大のコミュニティの1つ」でしかありません。

 Mozilla Japanにとってのもじら組って何なんでしょう。多分、組織としての統一見解はないと思います。ただ、Mozilla Japanの代表理事で、世間的に言えば実質NPO日本支社長格の瀧田さんは「英語圏においても、コミュニティあってのMozilla」ということを幾度も強調しています。もちろん、日本でもMozilla Japanの活動上、マーケティング面でも、開発支援的の面でも、ユーザーサポートの場を作り上げるという意味でも、コミュニティは重要です。Mozilla Japanとしては、既存のコミュニティと協力しながら、コミュニティに限らず支援者を増やしていき、ボランティア的に応援する人を増やす、というのが活動の一部です。

 その中でMozilla Japanは、日本最大のMozillaコミュニティの1つであるもじら組を支援してくれています。もちろん、Mozilla Japanが支援しているコミュニティ活動はもじら組だけではありません。mozillazine.jpも支援していますし、その他の団体を名乗っていないコミュニティ貢献者への個別の支援も行っています。

■Mozilla Japanともじら組の違い

 さて、何のためにMozilla Japanがあり、何のためにもじら組があるのでしょうか。

 一番の違いは、前者が法人として社員を抱えているのに対して、後者はボランティアという点でしょうか。法人格を取得して活動する団体がいてこそ、企業対応が円滑な部分というのはどうしてもあります。全世界マーケティングをする上で、期日までに日本で確実に仕事をしていく部隊は世界戦略としても重要です(ボランティアベースだと、どうしても、活動の納期が「ベストエフォート」になってしまう部分が否めません……)。一方で、コミュニティなくしてMozilla製品のようなものは成り立ちません。コミュニティの中で、もじら組は単に老舗というだけの、その一部でしかないわけですが、広報活動を頑張っています。「IEに資金勝負しても勝てるわけがない。コミュニティの支援があってこそ」のMozillaです。マイクロソフトも(日本においてはIEに限定したコミュニティ活動支援という動きはあまり耳に入ってきませんが)会社自体は他のプロダクトに関してのコミュニティ活動支援をある程度行っています。他のブラウザ競合ベンダも、うまくいっているか否かは別として、Opera、Safariなどがコミュニティ活動に力を入れています(Google Chromeについてどうなのかはまだ未知数ですが)。

 いずれにしろ、Mozilla Japanも、もじら組も、現在進行形です。存在意義に「正解」はありません。オープンソース製品の開発・広報・利用といった世界のなかの、ある一例に過ぎません。むしろ、Mozilla Japanももじら組も共通して、存在意義を提案できるような人材が現れてくればむしろ歓迎といったところでしょうか。

 さて、この記事がどれほどお役に立てたでしょうか。Mozilla Japanやもじら組にまつわる疑問や質問を歓迎します。Mozilla Japan社員でない私には必ずしも答えかねる場合もありますが、できる限りこのコラムの中でお答えしていきたいと思います。

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