客先常駐ITエンジニアが客先や自社内で起きた出来事を綴ります。もっぱら悲しいことがメインです。

若手が資格をとる意味

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 3回目、ケーワイケーです。

 わたしは資格をいくつか取得しています。それは体系だった学習をして、自分の能力を高め、その成果を目に見える形で確認したいということももちろんありますが、もう1つ大きな理由があります。

 それは、うちの会社のような中小企業で、しかも経験年数が少ない若手の場合、資格を持っていないと面接までこぎつけられる確率が下がってしまうからです。

 昨今のような不景気の時代、1つの案件に募集されたものに応募される履歴書の数は、相当数になります。そんな中、資格もなく、特筆すべき経験がある可能性も極めて低い若手が、書類選考を突破することは極めて難しいことです。

 経歴だけでアピールできるベテランならともかく、若手は資格を取ることで自分を「売り」やすくするのは中小独立システムインテグレータで客先常駐が売上の大半を占める会社に勤めるものにとってある種、義務であるとわたしは考えます。

 目の前の仕事をただ一生懸命やることで、経験値は増え、その現場の信用も得られるでしょう。

 実践的な知識も身につくと思います。

 しかし、その現場にずっといれるとは限りません。別の現場に行くときに、書類選考を高確率で突破する力は必要になってきます。

 現場での信用も、実践的な知識も書類上で表現することは困難です(経験年数が長くなれば、1つの現場で長期間いることで信用を得られていたことを証明することはもちろん可能だと思います)。

 若手は、経験年数が少ないため、スキルシート上は特に目立つところは作りにくいですが、資格はそれを可能にします。

 「資格に意味はない」ということを言われることもある業界ではありますが、上記に挙げた理由から、資格を取得することに意味があることは明白です。

 正直な気持ちで言うと、「資格はいらない」とか言う人に限って、なんの資格も持ってなかったりするので、負け犬の遠吠えかな、とも思ってます。

 もちろん、資格をもっている上で、「資格も大事だけど、それプラス経験が大事」という意見には、わたしも同意しますけど。

 まあ、「資格取得は必須」というわたしの意見は、あくまで若手に限定した話であって、経験年数が多く、経歴だけで充分にアピールできる人が、資格を取得することが必須とは思いません。

 しかし、わたしは経験年数が増えてベテランと呼ばれるようになっても、きっと資格を取得するでしょう。最初に書いたように、自分の学習の成果を目に見える結果として確認したいので。目に見える結果は、書類の審査をする方にも評価していただきやすいと思います。

 わたしは、自分自身も含め、人間の目ほど信用できない評価基準はないと思っています。だから、目に見える結果を求めていきます。

 次回は、「上司の責任」を題材に書いてみたいと思います。それではまた。

Comment(14)

コメント

こんにちは。

確かに資格を多く持っていると(モノにもよりますが)、「とりあえず会ってみるか」というステージに進める確立がかなり上がる気がしますね(体験談として)

後は、面接時にも新しいことを勉強しているという印象を持ってくれる方が多かったようです。

実際問題として、職場の経験値だけでは、スキルが偏りがちになる場合が多いので、
補完するための手段として、資格は有効だと自分も思います。

cains

同感です。
でも現実って逆だと思います。
資格を取らなくても会社のネームバリューで楽に客先常駐出来る準大手や、
有力企業ほど、社員が資格を取ることを強く推奨していると感じています。
中小企業の社員ほど、資格取得に興味がなく、ただ目の前の仕事をこなしている社員が多い気がします。
私の経験則なので、別の意見があるかもしれませんが・・・。

ゆりぽん

人の目だけで目に見えないもの、結果が出ていない努力や日々の作業で判断すると、好き嫌いが入ったり、自分に甘くなったりしがちですから、明らかに目に見える結果を求めてそれで判断するというのは、わかりやすくて公平な価値基準だと思います

よく資格とか勉強とかで評価決めたら勉強好きじゃない人がかわいそうとか言う人がいますが、勉強が好きじゃない時点でエンジニア失格だと思います

forseti

はじめまして。forsetiと申します。
「これまでに**の資格を取りました。現在この資格に向けて努力しています。」
等、実績を元にアピールできる時点で説得力がまるで違うと思います。
私自身転職活動中に資格のお陰で多くの方とお話する機会を得る事ができましたので、より上位の資格が欲しいと今も勉強しています。

ただ、試験日も仕事漬けで資格どころではないというところも見た事がありますので、「資格に意味は無い」という言葉が出てくるのも分かる気がします。

ケーワイケー

>>blauerbergさん

コメントありがとうございます。

>確かに資格を多く持っていると(モノにもよりますが)、「とりあえず会ってみるか」というステージに進める確立がかなり上がる気がしますね(体験談として)

私の実体験としても、書類審査で落とされることはかなり少なくなりました。

>後は、面接時にも新しいことを勉強しているという印象を持ってくれる方が多かったようです。

興味を持って質問していただいたり、勉強熱心と思ってもらえることが多いですね。
そういった意味でもプラスに働くことが多いと思います。

>実際問題として、職場の経験値だけでは、スキルが偏りがちになる場合が多いので、
>補完するための手段として、資格は有効だと自分も思います。

現場での経験も大事だと思いますが、現場での知識はその現場でしか通用しないものも多く含まれているため、体系的かつ汎用的な知識を得るため、資格受験を通して勉強していくのはプラスになると思います。
それをすることで、現場での経験もより効果的に自分のものに出来ると思いますし。

ケーワイケー

>>cainsさん

コメント有難うございます。

>中小企業の社員ほど、資格取得に興味がなく、ただ目の前の仕事をこなしている社員が多い気がします。

確かに、私の会社でもそういった社員が多いですね。

後輩には、「会社として強制しないとむずかしい」という人もいますが、
私は強制しないと勉強も出来ないというのは、情けないと思っています。

自分から進んで新しいものやより深いものを学んで自分のものにしていきたい、と思うのがエンジニアだと思っているんですが・・・。

ケーワイケー

>>ゆりぽんさん

コメント有難うございます。

>勉強が好きじゃない時点でエンジニア失格だと思います

私も同じように思っていますが、
それを周囲に言うと、引かれるんですよね・・・。
「勉強好きなことが当たり前だと思うな」とか言われたこともありますし・・・。

学生でも勉強したら取れる資格に何度も落ちている人から、
技術者とはなんぞやなんて語られると、悲しくなります。
勉強する時間がないといいますが、毎月350時間オーバーで働いているわけではなく、プライベートの時間を削れば勉強する時間はあるはずの人です。
時間を言い訳に勉強しない人は、単に時間管理能力が低いだけだと思っています。

ケーワイケー

>>forsetiさん

コメント有難うございます。

>ただ、試験日も仕事漬けで資格どころではないというところも見た事がありますので、「資格に意味は無い」という言葉が出てくるのも分かる気がします。

1年中常に全く勉強する暇がないほど仕事が忙しいのであれば、仕方ないかと思いますが、そうでないのであれば時間を言い訳にしているだけだと私は思います。
それに、ベンダー系の資格であれば勉強しなくても取れる資格はありますよ。業務で使用している製品の資格があればそれを受けるのにそこまで勉強する必要はないと思います。
私は業務でMS製品を使用することが多いので、MCP関係はほとんど業務で得た知識+通勤中に読んでいる本だけで合格してます。
通勤中本も読めない、業務でも何も得ていない、遊びにいく暇はあるけど勉強する暇はない、という人が「時間がない」ということが多いので、悲しいことだなと思っています。

もちろん、本当に1年中多忙で、全くプライベートもなく仕事に追われている人もいますので、そういう人は、勉強する暇がなくても当然だと思いますが・・・。

onpa

勉強し続け無くてはならないことそのとおりだと思います。

ただ、いわゆる資格マニアといわれるような人のように多大なコストを
資格取得を目的に費やしてしまう罠に陥ってしまうのはどうかと。
目的はスキルを手に入れる事であって、勉強したいことと
資格の範囲が一部しか重ならなかったり、体系だった勉強=資格と完全に
一致するわけでもない場合があったりして資格取得という行為そのものが
純粋に好きでないと厳しいのではないでしょうか?
僕の場合は資格をとるのはこれらがたまたま一致した場合だけになります。
資格の種類にもよるので一概には言えないのかもしれませんが。。。

面接までにこぎつける確率を上げるためには資格よりも
書類アピールスキルや、コネといったところを真剣に研究してみる方が
費用対効果が高い気がしますがいかがでしょうか?

ケーワイケー

>>onpaさん

コメント有難うございます。

>ただ、いわゆる資格マニアといわれるような人のように多大なコストを
資格取得を目的に費やしてしまう罠に陥ってしまうのはどうかと。

資格を取ることが目的になってしまっては駄目ですね。
資格はあくまで目的を達成するための手段に過ぎません。
私が資格をとる目的は本文中にも書いていますので割愛します。

>目的はスキルを手に入れる事であって、勉強したいことと
資格の範囲が一部しか重ならなかったり、体系だった勉強=資格と完全に
一致するわけでもない場合があったりして資格取得という行為そのものが
純粋に好きでないと厳しいのではないでしょうか?


体系だった勉強をきちんとしていれば資格は取れます。
これは断言します。
取れなければ勉強の仕方が悪いか、頭が悪いだけです。
後、資格を取るとらないは好き嫌いではなく、自分の勉強の結果を公的に証明できるものを得たいと思うか、自分が満足すればいいかどうかです。


>僕の場合は資格をとるのはこれらがたまたま一致した場合だけになります。
資格の種類にもよるので一概には言えないのかもしれませんが。。。
面接までにこぎつける確率を上げるためには資格よりも
書類アピールスキルや、コネといったところを真剣に研究してみる方が
費用対効果が高い気がしますがいかがでしょうか?

本文中にも書いていますが、面接というのは客先常駐先での面接です。
客先常駐先に提出する書類はスキルシートだけですが、
そのスキルシートは各会社で決められた書式内で、経歴を羅列し、
資格などの情報を書くだけです。
書類アピールスキルは関係ありませんし、客先常駐をしているエンジニアで
しかも若手がそこまでコネを作ることが出来るでしょうか?

本文中にもあるように、資格取得を必須と考えているのは、
「客先常駐をメインの業務としている会社の若手社員」です。

若手には、書類の書き方やコネを作るより先に、
基礎的な力を身につけて、その結果として、第三者にも評価してもらえる形のあるもの=資格をとり、会社の業務に貢献すべき、ということです。
それが客先常駐を業務とし、いかに切れ目なく客先にいってお金をもらうかが大事な会社に就職したものの最低限の勤めだと私は思っています。

forseti

ケーワイケーさん、レス有難う御座います。

> それに、ベンダー系の資格であれば勉強しなくても取れる資格はありますよ。業務で使用している製品の資格があればそれを受けるのにそこまで勉強する必要はないと思います。

私が持っている、また今後も受けようと思っているのは国家資格ですね。
応用技術者までは年2回ありますが、それ以上になると年1回しかありませんので、
そこに休日出勤等が入った場合その年で資格を取る事はできません。
(ベンダー系は受験料が高い物が多く、若年層の私としてはあまり受ける気にはなりませんでした。)

1回目の受験料は会社が負担する、資格取得のために業務の調整をする等、チャレンジする環境が整えるのも大事だとは思います。

ケーワイケー

>>forsetiさん

>応用技術者までは年2回ありますが、それ以上になると年1回しかありませんので、
そこに休日出勤等が入った場合その年で資格を取る事はできません。

国家試験は、体系的な学習は必要ですが、難易度自体はベンダーとそこまで変わらないと思います。
ちゃんと日々勉強していれば受かりますし、していなければ受からないでしょう。
日々の勉強とは、寝る前30分、通勤中など、毎日少しずつやるだけで充分です。
毎日しっかりとやることが重要だと思います。
試験日に勤務が入ってしまうことについては、やむをえない場合もあると思いますが、調整可能にも関わらず、怠慢で休日出勤せざるを得なくなったりするひとも結構いますね。
前後に仕事を割り振ったり、スケジュールを前倒しで進めたりして、その日1日空ける事は、責任のある立場にない若手には、難易度の高いこととは思えません。


>1回目の受験料は会社が負担する、資格取得のために業務の調整をする等、チャレンジする環境が整えるのも大事だとは思います。

その通りだと思います。
ただ、弊社は難易度によって違いますが、低難度の資格については受験料支給、高難度の資格については報奨金を支給していますが、受験者はほとんどいない状況です。
会社として、若手に資格を受験させることを強く推奨していることを、上層部が態度に出さないと、若手は資格を受験しようとは思わないようですね。
人間はメリットだけでは動きません。デメリットがないと・・・。
資格を受験しないことでデメリットがある状況にならないと、きっと受けないのでしょうね。

ケーワイケー

>>watanabe8760さん

コメント有難うございます。

ご報告ありがとうございます。
ブログも見させていただきました。

非常に論理的な文章構成で勉強になりました。
ありがとうございます。

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