言語の歴史は人類の歴史。そして人類はコンピュータを言語で動かすようになった。

もしかして私たちは、人を選ぶことができなくなっているんじゃないだろうか。

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ITの求人を見ていると、「コミュニケーション力が高い」「技術力がある」「実績がある」「設計できる」・・・・etc.と、条件がたくさん付いているなぁと感じます。なんかこれ、どこかで見たことあるなと思ったら、婚活サイトのアピール欄です。字数がもったえないので詳細には書きませんが、ドン引きするような条件を提示する人がたくさん見受けられるのは周知のとおりかと思います。ITの求人でも、中にいて実情の分かっている人から見ると「うちの会社でこんな条件で募集するのかよ(笑)」な事案も多々あります。ITの募集でも、婚活サイトでも、良いものを得ようとすると背伸びしてしまうのは人の性(さが)かもしれません。

そういうことから、良いものを得ようとすればするほど、不相応な条件で選ぶようになるという傾向があるように思います。また、無茶な条件をかなえるための無駄な努力も増えます。こちらが条件を満たしていないのに、相手が条件を満たすことばかり求めるというのも、いささが図々しい考え方ではないでしょうか。求人であれば、高い条件で人を募るのであれば、こちらもそれに応えられる条件を提示する必要があります。「より安く、より良いものを!」と、買い物をする感覚で人を募ると、アンマッチやら早期退職に繋がり易くなります。自分の要望につっぱしらない、ある種の冷静さが問われるところです。

私たちが人やものを選ぶとき、おおよそ「条件」を決めます。それをすることで「理論的」「計画的」と評価されます。ゆえに、条件を過剰に固める方向に流れやすくなります。簡単な話ですが、条件が厳しくなるほどマッチする人は少なくなります。つまり、苦労することになります。結果として、レアキャラ探しになります。ことあるごとにレアキャラ探しをしていたら、いくら時間と労力があっても足りません。選ぶ時点でリソースを使い果たして、活用のしかたがノープランだったなんてケースもよく見ます。選ぶのにも労力がかかっているということは、よく念頭においておくべきかと思います。

良い人を得るためには、こちらが選ぶのも大事ですが、相手を観察して見抜くのも大事です。相手が、自分が提示した条件とは違う長所を持ち合わせていることもあります。想定外は良い意味でも起きるのです。硬すぎる計画は、想定外のチャンスを粉々に砕きます。ビジネスのような計画至上主義に凝り固まっていると、規格外の好人材を逃してしまいます。良い人を得るためには相手を見極める力が必要です。それを疎かにすることで、私たちの人を見る目は大きく衰えているのではないでしょうか。

世の中には、条件が揃うことで驚異的な能力を発揮する人というのが一定数います。おそらく、私たちの想像するより、その数は多いと思います。企業が本当に欲しているのは、こういう人なのではないかと思います。実際に会ってみたり、いろいろなアクションに対しての反応を見てみないと、こういう人は見抜けません。事前に条件を決めてふるい分けという方法では、こういう人に辿りつけません。これからの時代に必要ななのは、観察力です。観察力を磨くことで、素晴らしい人と巡り合い、関係を構築できるのではないでしょうか。

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