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駆け出しエンジニアに必要なのは戦略ではなく戦法

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よく「キャリア」や「戦略」という言葉を聞きますが、スキルを磨かない人がそれを考えても無意味だと思います。体を鍛えないで、通信教育の「喧嘩殺法」みたいなもので一生懸命勉強したとして、実際の喧嘩では勝てません。もし、スキルの無い状態で「キャリア」や「戦略」ばかりが気になるのであれば、ずばり、エンジニアに向いていません。というより、何をやってもうだつが上がらないか、無能なまま高い立場に立つ「害悪」にしかなれないでしょう。結局のところ、戦い方も知らないのに軍師みたいな立場に立ちたがるのは、周りに迷惑をかけるだけです。また、立場を失った時の落ちる速度は凄まじいものがあります。

エンジニアとしての戦法とは、ずばりスキルです。ただ、駆け出しエンジニアが目指すべきところは「平均よりちょっと上レベル」で十分です。このレベルに満たない状態で戦略を考えても、考えるネタが無いので妄想に終始することになります。戦略を考えるのであれば、まずは、「平均よりちょっと上レベル」のスキルを目標にしましょう。どちらにせよ、スキルを上げるアプローチをしないと経験が詰めず、考えるためのネタが揃いません。「平均よりちょっと上」が達成できないにしても、経験があるか無いかで、考えることができる内容には大きな差がでます。そこに大きなメリットがあります。

戦略を駆使することで、スキルが無くてもエンジニアとして振舞っている人なんていくらでもいます。ただ、そういう低いスキルで高い収入や立場を望むようになっては、どこの業界に行ったとしても苦労することでしょう。高い収入や立場に対する対価は「何ができるか」に限ります。スキルというのは、高い収入や立場を得るための大事な交渉材料です。その他、交渉材料になるとすれば、いろいろな業界の経験でしょうか。ただこれも、相応の努力をしなければ身に着けることができません。戦略を努力を避けるための手段にするようでは、さんざんな結果にしかなりません。

戦略を立てるためには、物事の裏付けの取り方、仮説の立て方、データの読み方など色々と必要なものがたくさんあります。ただ、どれをとっても「自分で考える訓練」をしないと身に付きません。低いままのスキルで上の高い収入や立場を得ようとすると、どうしても戦略に依存します。また、少ない手札で戦略を立てることになるため、難易度とリスクは高くなります。スキルが低くても高い収入や立場を得られれば「美味しい」と思う人も多いかと思いますが、実質は借金です。わざわざ苦労して戦略を立ててリスキーな道を選ぶことになります。

個人的には、戦略を考えるまえに戦法を確立すべきかと思います。理由は、戦略ではできることが増えないからです。まず戦法を確立して、できることの手札を増やしましょう。手札が無ければ、戦略を考えても浮かばないでしょう。駆け出しの勢いに任せて戦略を立てると、感情が先走りがちになります。心理的に非常にスキが多い状態になります。うまい儲け話や悪徳なスクールなどの絶好のカモにされます。そういうリスクが高いので、地味ですが、スキルを高める方向に視点を向けることをお勧めします。

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