炎上プロジェクトで共通していたデータのまとめ方
データを読めない人がプロジェクトの頭に立つと必ず炎上します。データが読めない人には、おおよそ以下のような特徴があります。
- Excelの機能を使いこなせない
- もらったファイルをそのまま使いたがる
- なんでも一つのファイルで管理したがる
要約すると、自分でデータを読んだり書いたりしません。傾向として、Excelの機能を活用せずにレイアウトが複雑で大きな表を書き、とにかく何でもかんでも情報を詰め込みます。確認や更新を目視と手作業に頼るため、多くの労力がかかります。工数が押すのもその影響です。
こういう人が進捗の管理表を書いたとします。進捗管理といっても、予定、成果物のリスト、実績と色々な要素があります。これらの一つ一つであれば簡単な構造な表にまとまるのですが、いきなり全部をごちゃ混ぜにして一つの表にまとめます。複数の表で書くべき内容をいきなり一つの表にまとめるので、当然内容は複雑になります。そういう表を使って会議を行うと、当然、話も複雑になります。また、表が複雑なので情報の確認や更新にも手間がかかります。そのせいで、抜け漏れがあっても気づけません。手作業や目視に頼るのも問題ですが、それ以前にデータを整理するという概念すらありません。
プロジェクトが炎上した後に振り返りをしてみると、さほど複雑なことをやっている訳でもないのに炎上するケースがよくあります。携わっていた当時は、すごく込み入ったことをやっていた気がしていたのですが、後から内容をまとめるとすごく単純な話だったりします。何が原因だったか突き詰めると、いつも複雑な構成の表に行きつきます。確かに、印刷すると模造紙一枚分くらいになりそうな表を見て物事を判断するのは大変です。また、ちょっとした確認をとるにしても、返答するのに手間がかかるので渋られます。自信を持って返答できないので、返答も曖昧になります。確かにプロジェクトが炎上しても不思議はありません。
複雑な構成の表を書くとしたら、セル結合を多用することになります。そういう表をドキュメントに入れ込むとなると、Excel方眼紙は必須になります。ただ、表の構造が複雑になっているということは、ドキュメントとして破綻していることに気づくべきでしょう。こういう事態を防ぐには、ドキュメントの書き方やデータのまとめ方を根本から改める必要があります。このコラムに書ききれるような簡単なことではありません。また、Excelの機能を使いこなせているか否かによっても、行きつく結論は大きく違ってきます。結局のところ、できない人はどれだけ議論したとしても炎上するようなやり方しかできません。諦めて焼かれ続けるか、その場を退くかを選ぶことになります。
だからといって絶望的かというと、個人アプローチでできることは多ので、そうでもないです。ぐしゃぐしゃになった表でも、基本的なルールをしっかり身に着けていれば、そこそこ簡単にまとめ直すことができます。その経過で、どこに問題があるのかを洗い出すことができます。これをやるのに必要になるのが、自分で判断する勇気と地味なExcelの使いこなしです。自分が独自に導きだしたデータを信じるのは凄く勇気が要ります。Excelの操作にしても、単に「知っている」レベルでは対応できません。たかがExcelといえど、確実な操作ができていなければ、自分の出したデータを信じることはできません。自分でデータを出すというのは勇気が要ります。それをリスクと勘違いして避けるから、データを整理できなくなって炎上するのが定石のようです。