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エンジニアに役職は要らない

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どこのソースかは忘れましたが、一人の人がまとめられる組織の人数はおおよそ十人くらいらしいです。そう考えると、百人くらいの会社なら十数名役職者がいれば十分な気がします。役職の種類も、大ボスが一人、中ボスみたいな人が十人くらいが丁度いいのかもしれません。こういう視点から見ると、日本の一般的な組織は役職者の数も多すぎるし、役職の種類も多すぎます。

役職者には、役職に応じて権限が与えられます。無駄に役職者が多いと、やるべき仕事とメンバーに対して権限のバランスがとれなくなります。その結果、一人のメンバーに対して数人のリーダーが指示を出すような状況に陥ってしまいます。また、役職の種類が多いと、組織のピラミッドが縦長になります。ハンコリレーのハンコの数が増えたり、会議に出席する人数が無駄に増えるのもこのためでしょう。

役職をうまく運用すれば、組織の権限はピラミッド構造になります。日本の一般的な組織では、年功序列の影響か、役職をうまく運用できていません。その結果、ピラミッド構造ではなく、東京ビックサイトみたいな、逆三角形の組織を、ピラミッドとは別の柱で支える構造になっています。つまり、派遣社員やBPなど外部の人にいびつなピラミッドを支えてもらう構造です。

大規模なITの案件では、だいたい東京ビックサイト型の組織構造になっています。一人のエンジニアに対してその他大勢が多すぎます。その他大勢を構成する人たちも、役職や立場があるだけで、ITの知見すら怪しい人も多いです。一人のエンジニアが何か一つのことをやるのに、越えなければならない壁が多すぎます。その結果、無駄な労力がかかりすぎて疲弊する上に、動きが鈍くなります。

このような組織の構造を見直さないと、労働時間の短縮はおろか、今後の業務の継続も困難ではないかと思います。そのためには、対等の立場でもビジネスとしての行動がとれるメンタルが必要です。学生の部活みたいに、上下関係に依存した組織の運用は、これからの世の中では通用しなくなるでしょう。対等の立場で話をしてこそ、エンジニアの真価は発揮されます。組織の技術力を高めたければ、まず対等な立場と権限のバランスをとることが大事ではないでしょうか。

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