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新卒カードの価値 (コメントに答えてみるシリーズ1)

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大学の新卒のカードは、就職から仕事を軌道にのせるまで、非常に強力な武器になります。ただ、この新卒カードの価値を実感している人は多いですが、これが何なのか説明できる人は少ないと思います。新卒カードを別の言葉で言うなら、社会のレールに乗るための切符です。このカードを上手く使うことで、社会のレールに乗って楽々と人生を歩むことができます。特に、大企業の年功序列にのるためには、新卒カードは必須アイテムとなるでしょう。

この新卒カードも期間限定で一、二回程度であれば繰り返し利用できます。これが第二新卒といわれるカードです。新卒で企業に入る最大の利点は、波にさえ乗れば人間関係だけで仕事ができるようになるということです。本当に実力本位の人は起業します。そういう人には新卒カードは不要です。新卒から会社に上手くなじめれば、あまり努力しなくても安定した生活が送れること。これが、新卒カードを最大限利用したときに得られる恩恵です。

実力本位のIT企業は、専門的に勉強して即戦力になれる人でもなければ新卒を採用しません。求人で求められるのは、実力と実績のある中途です。あまり学歴も問われませんし、人間関係ではなく能力本位で見てくれます。ただし、継続的な努力が求められるため、悠々自適な生活とはいきません。なので、実力本位で仕事がしたい人にとっては、新卒カードを活用できる機会は最初の踏み台くらいでしょう。生涯にわたって、新卒カードの恩恵を受けることはないでしょう。

ちなみにこの新卒カードを金銭的な値段に換算すると非常に高価です。大学四年分の学費と、それに受かるために要した予備校や教材の代金ということになります。これが、社会の最も安穏と過ごせるであろうレールに乗るための代金です。多分、大学に行く理由の九割五分が就職に有利になるからでしょう。ただ、安穏とした生活の対価にしては、あまりにも高すぎないでしょうか。努力をしたくない人には、努力をしなくてもそれなりに暮らせるルートがあるべきかと思います。

もし、エンジニアを生業としたいのであれば、新卒カードは決め手にはなりません。必要になるのは安穏とした生活のための手段ではなく、継続的な成長です。一つの会社に留まってスキルを磨くのもいいです。ブラックな企業なら辞めるという選択肢もありだと思います。現実的に辞めざるを得ないケースもあるかもしれません。ただ、どういう道を選んだとしても、三年は技術と向き合ってスキルを身に付けなければ、エンジニアとしては自立できません。

これが、「石の上にも三年」の本当の意味かと思います。

Comment(2)

コメント

a

この前コメントしたaです。
記事まで作ってくださりありがとうございます。
数日前から見てましたがコメント遅れました。
すべての文章にうんうんと頷きながら読んでいました。本当にその通りだなと。
私自身、IT業界をよく知らないままにWeb系のイケイケなベンチャー企業を想像して入社しました。文系の私はWeb製作しかITのイメージがありませんでした。
研修を受けると言語やらコーディングやら訳のわからないまま急ピッチで進んでいきました。研修の時点で私は向いてないかもと密かに思ってましたがすぐ辞めるわけにはいかないと思い仕事をし続けました。
ここ一週間はやたら大事があり決心がつきました。
私が学んだことはIT企業は文系新卒がエンジニア、プログラミングの知識もなく入るところではないと言うこと、またIT企業といっても業態が様々であるということです。新卒カードも効かないということ(寧ろ新人と現場で面倒くさがられる)、入社してから身に染みました。
自分語り&長文すみません。失礼しました。

Horus

> a さん
「IT企業は文系新卒がエンジニア、プログラミングの知識もなく入るところではない」というのは事実かもしれません。ただ、いくばくかの期間でも、分からないものに挑み続けたことは素晴らしいことです。


一般的な仕事で学んだ知識を生かすという選択肢もありますし、再チャレンジという選択肢もあります。個人的な願いとしては、せっかく勉強したのだし、ITは好きでい続けて欲しいと思います。

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