言語の歴史は人類の歴史。そして人類はコンピュータを言語で動かすようになった。

ひでぶ

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皆さんは「ひでぶ」をご存じでしょうか。昔、「北斗の拳」という漫画で、敵が死ぬときに上げた悲鳴です。しかも、その悲鳴を上げた敵が散々大きな風呂敷を広げておいて、爽快なまでに主人公に一方的に叩きのめされます。最終的には頭部が爆発するという、非常にインパクトの強い臨終でした。その語呂の良さとセンセーショナルな響きは、一世を風靡したそうです。IT業界で働いていると、「爆死」という言葉を耳にすることがあります。もしかしたら、「爆死」の語源はこの「ひでぶ」の人だったのかもしれません。

この「北斗の拳」という漫画ですが、主人公の胸には北斗七星をかたどった7つの傷があります。7と言えば、名前に7を冠していたサービスが最近までありました。ただし、北斗の拳の主人公のように弱きを助ける最強のヒーローとは似ても似つかない無様さでした。我々、ITに携わる立場としては、「最強」というより「最凶」なサービスでした。システムとしての欠陥、内情、対応などをみていても、ただ胃袋がキリキリと締め付けられる思いでした。

少年漫画では、悪役が際立っていると物語も際立つと言われています。ことIT業界では、際立つ悪役に事欠きません。ただ漫画と違うのが、悪役をこらしめる正義の味方がいないことです。実際のところ、少年漫画の正義の味方はたくさん人を殺します。実社会で実行したら、間違いなく凶悪犯罪者です。現実社会では、正義の味方に悪を懲らしめてもらうのではなく、悪同士でぶつかり合って自滅して頂くのが最良の結末だと考えております。

不謹慎ではありますが、7を冠していた某サービスも、もっと派手に散って頂いて良かったように思います。「ざまーみろ」と罵るのが目的ではありません。あり得ない設計が通ってしまった経緯や運営体制が明るみになれば、それを見て危機感を抱く組織もあると思います。ダメならダメなりに情報公開してくれれば、世の中の役には立つと思います。オープンソースのノリで失敗事例の詳細データを共有してもよいのではないでしょうか。

炎上プロジェクトにせよ、7を冠していたサービスにせよ、致命傷を負っても取り繕うこと止めません。事実上、「お前はもう、死んでいる。」なので、頑張れば頑張るほど傷が広がります。今回の7を冠していた某サービスも、変に頑張ったから爆ぜたのかと思います。損害の額を見ると、本当に何をやっているのだかと残念感がぬぐえません。もし、あの額のお金が別の事に活用されたら、素晴らしい社会貢献ができたかもしれません。大金をはたいて、単に誰かが苦労しただけといのがいたたまれません。

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