言語の歴史は人類の歴史。そして人類はコンピュータを言語で動かすようになった。

キチンとやろうとしてできない理由

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何回もレビューしたにも関わらず、内容がスカスカなドキュメントを現場でよく見かけます。多くの人が目を通し、議論したにも関わらず中身が伴っていません。Webにアップする文章や書籍であれば、校正をすることで品質が上がっていきます。現場のドキュメントは、多くの人がレビューすることで逆に品質が落ちている気がしてなりません。何故でしょうか。

理由は簡単で、目標に対して能力が伴っていないだけです。仕事では、高めの目標を掲げることが良しとされる傾向があります。目標の段階で、自分のキャパシティを超える目標を立てがちです。成長を即すためには有効なように見えますが、このやり方で成長する人は基礎の固まっている人です。基礎を固める前から高めの目標を立てるので、力量に合わないことをやって苦労するだけになってしまいます。この方法で成長は見込めません。

高めの目標を立てて達成しようと頑張るのはいいです。ただ、成功させたいという気持ちの強さが故に、頑張るが故に失敗を認めなくなります。失敗したことを認識して適切に対応することは、成長において重要です。失敗を認めないことは、成長において大きな損失につながります。一般的に、仕事では失敗が許されません。こういう感覚で頑張っても能力が伸びません。成長したい人は、プライベートで失敗の許される環境を用意して頑張りましょう。

炎上するプロジェクトでは、目標が実現不能なことが多いです。それぞれの力量に合った目標を立てていれば、そうそう炎上することはありません。キチンとやりたいのなら、自分のやれる範囲を認識しましょう。意外と「こんな簡単なこと」をキチンとやるのは大変です。これは、スキルを積み重ねるほど実感できるはずです。逆に、スキルの無い人ほど「こんな簡単なこと」を軽く考えます。なので、自分に合わない目標を打ち立てて「難しい」と苦しむことになります。

一般的に言う「キチンと」というのは、感覚的に言えば「ノーミスで」ということに近いです。これを目指すなら、「難しい」とか「簡単」など考える間もなく実行できるレベルでなければ達成できません。仕事をしていると、こういう高レベルな要求がカジュアルに投げかけられることがよくあります。言葉の軽さと実現の難易度に大きな差があります。これが、キチンとやろうとしてもできない理由です。「キチンと」を目指すのであれば、まず難易度のハードルを下げて、着実に実現できることを積み重ねていきましょう。

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